Myルール:豆苗と鶏むね肉の炒め物
私は非常に怠惰な人間です。
自分でも情けなくなるのですが、自分で「こうしよう」と決めたことを遂行できたためしがほとんどありません。
「宿題は夏休み前半で終わらせる!」というルールを自分に課した翌日には、
「宿題なんていつでもできる」と偉そうなことを言いながら投げ出すような人間です。もちろん、夏休み終了間近になって泣く羽目になるわけです。
そんな私ですが、この54年の人生で、自分で決めて今もなんとか守り続けているMyルールが2つだけあります。
ひとつは『仕事で泣かない』。
私は、専門学校を卒業して、大手住宅メーカーに就職をしました。
入社時、特に大きな希望も、目指すものもありませんでした。
ただ、「どんなことがあっても、絶対に仕事では泣かない」と心に決めました。
仕事の場で極端に感情的になるのはプロではないと、その時の私は考えたのです。プロなどと言うとおこがましい気もしますが、社会人として最低限何を守ったらいいのか?それを考えた結果生まれたMyルールでした。
セクハラやパワハラといった言葉すらなかったあの頃、不愉快な思いもたくさんしましたが、幸いMyルールを破ることなく、会社員から個人事業主になり、今に至っています
もうひとつのルールは、この数年、特に強く意識をしているルールです。
『自分の人生がつまらないことを誰かのせいにしない』
(前向きな人なら『自分の人生がつまらなかったら面白いものにする』と言うところなのでしょうね)
私の母は、自分が今まで歩んできた人生を、まるで風に飛ばされる紙屑のようにつまらなく価値のないものだと考えている人でした。
そして、それはすべて周りの人間のせいだと思っている節がありました。
ある時母が「私がこんな人生を送ったのは、お母さんが死んだからよ!お母さんのせいよ!」と大きな声をあげたことがありました。
母の母親、私の祖母に当たる人が亡くなったのは、母が10歳の時です。
自分の人生がつまらないものであることを、70年以上も遡って誰かのせいにするなんて、すでに認知症の症状が出始めていた時期ではあったものの、私は愕然としました。
もちろん私の存在も、母の人生を紙屑のようにした要因のひとつなのだと思います。70年前に亡くなった人にですら責任を負わせようとするのですから、娘の私の罪の大きさは推して知るべしです。
自分の人生が充実していると喜べることなんて、私にも今後そうそうは無いのだろうと思います。でも、それを誰かのせいには絶対にしない。私はそう強く思っています。
母の心にがっちりと絡みついた業のようなものを目の当たりにしてしまっては、その人生は「つまらない」と言うより、さぞかし「苦しい」ものであったであろうと胸が痛みます。私はあんなふうに苦しみたくはない。
とはいえ、私も根は簡単に感情に振り回される人間です。第一のルール『仕事で泣かない』も、己の、感情に弱い部分を抑えるためのルールでした。
『誰かのせいにしない』を心に刻んで、守って、時には声に出してつぶやいて、自分に言い聞かせながらやっていこうと思うのです。
2つのMyルールは守れても、やっぱり、何かを自分に課してそれを守り抜くのは苦手です。
週に1回更新の『ミカ料』で、1ヵ月の間毎回豆苗料理を取り上げるなんて言わなきゃよかった。豆苗、なかなかの強敵です。
それでも、こればかりは何とか守り抜かねばと、今週ご紹介するのは『豆苗と鶏胸肉の炒め物』です。
鶏胸肉と豆苗の炒め物
- 鶏胸肉をそぎ切りにして、一口大に切り揃えます。
- 1の鶏肉をボウルに入れ、おろし生姜、しょうゆ、マヨネーズで和え、10分ほど置きます。
- 豆苗の根っこを切り落とし、3センチくらいにカットします。
- フライパンに多めの油(鍋底から1センチくらい)を引いて熱します。
- 1の鶏肉に片栗粉をまぶし、4のフライパンで揚げ焼きにします。
- 醤油、酒、砂糖、酢、水を混ぜ合わせて、合わせ調味料を作ります。
- 中華鍋もしくは深めのフライパンに油を引き、3の豆苗をさっと炒めたら
5の鶏胸肉も加えて炒め合わせます。 - 6の合わせ調味料を加えて炒め、水分がなくなって、鶏肉の片栗粉から少しとろみが出たら出来上がりです。
さて、次回は今年最後のミカ料です。そして、年末緊急企画『豆苗の正解』も最終回。一体どんな豆苗レシピがラストを飾るのか。何やら波乱の気配も感じつつ、また来週です。
ミカスでした。
kokomo
ミカス様、ルール1にもルール2にも激しく共感です。
自分に甘々な私ですが、私も仕事では泣かないと決めていました。若い時ならともかくいい年したオバちゃんに泣かれても相手も困るを通り越してドン引きだと思うので今はなおさらです。
ルール2についてもこのところ強ーく肝に銘じております。というのも私の母もミカスさんのお母様と同じタイプ。「不幸」が起こると誰かのせい。その「不幸」を取り除くのは、完ぺきな子育てをした母に対する私達娘の当然の役割だそうです。でも、私の元義父母も何か不幸なことが起こると家族以外の誰かのせいにしていましたが、自分のこととして心悩ませる部分が少ないからか、そういう人の方が何かと勢いがあるような..。
「自分の人生が充実していると喜べることなんて、私にも今後そうそうは無いのだろうと思います。でも、それを誰かのせいには絶対にしない。」
とても響きます。ミカスさん、書いてくれてありがとう。
ミカス Post author
kokomoさん
ああ、kokomoさんのお母さまと私の母は似てますね。
こういうタイプの母親の呪縛にとらわれている娘って、割と多いのかもしれません。
人のせいにするのはある意味簡単なんだと思います。そして私は簡単な方へ流れてしまうタイプの人間です。
だからこそ、絶対誰かのせいにはしない!って念仏のように唱えながら生きないと
絶対に苦しい人生になってしまうと思うのです。
つまらない人生を充実したものに変えようなんて言うような前向きな人間ではないので、
少なくともつまらない人生も自分が生み出した結果と、堂々と受け入れようと思っています。(堂々とって言うほど立派なことじゃないけど・笑)
kokomoさん、共に頑張りましょう!
ゆうちゃ
ミカスさん、こんにちは。
豆苗レシピを読むのを忘れるくらい、ミカスさんのMyルールを何度も読み返してしまいました。職場で泣いたことは無いですが、ほんの少し前までは、私がこうなったのはアイツのせいだー!とモンモンとすることがありました。アイツのはその時々で、母だったり上司だったり理不尽なことを言うクライアントだったりします。。。
でも最近、そんなことを考えて幸せになった人なんていないよなーとやっと気づきました。アラフィフでの偉大な気づきと自分を誉めてあげたいです!
ミカスさんの記事に盛大な拍手を送ります♪
kokomo
先程、郵便屋さんがブーンときて何か届けてくれました。
クラウドファンディングのお礼のお手紙でした。
読んで思わずにっこり。
手書きの心のこもったお手紙ありがとうございました。
ミカス Post author
ゆうちゃさん
日々の細かい出来事については、どうしても「あの人が…」と原因を作った人に怒ったり、悶々としたりしちゃいますよ。そこを、「そんなことを考えても幸せにならない」って思うゆうちゃさんは素敵。
どんどん自分を誉めちゃってください!
ミカス Post author
kokomoさん
届きましたか!良かった。
Cometさんが発送作業をしてくださいました。
ご支援、本当にありがとうございました。
ムーミン
こんばんは。
私の方にも封書届きました。ありがとうございました。
年末年始にゆっくり読みたいと思います。
年齢のせいか仕事だの介護だので毎日疲れてしまっているのですが、そんな折々にふとカイゴデトックスが力を与えてくれる感じがして、巡り合えて本当に良かったと思っています。
ミカスさんの今回の記事、私のことかと思いました。
私の母も、ミカスさんのお母様に少し似ています。
自己評価が異常に高い分、面倒かも。
「自分はこんな人生を歩むような人間ではなく、もっと誰よりも恵まれるべきで、努力も我慢も苦労もしなくてもいいはずなのに、そうならなかったのはみんな周りのせい」という思考です。
おまけに友人と呼べる人がいないために子供たちに過干渉で、子供の手柄は子供の努力の結果ではなくすべて自分のもの、でした。
そのため子供たちはみな自信のもてない子になり、今でもそれぞれ様々な形で苦労しています。
自分が我慢すれば、みたいな言い方をして戦いもせず(言い方悪いかな)結局は人のせいにする、そんな母の考え方が私は昔からどうしても受け入れられなくて、介護が必要な今でも心からしてあげたいとはあまり思えず、でも自分の持っているものに満足できない母が哀れでもあり。。。
ただ、反面教師で「私は自分の人生を人のせいにしない」をモットーに生きてこられたことだけは感謝かな。
人のせいにはしないけど、疲れると毎日小さなことでイライラして人(主に夫)にあたりますけどねー。
つらつらとごめんなさい。
また皆さんの記事楽しみにしています。
年末年始、風邪などひかぬよう、よいお年をお迎えください。
ミカス Post author
ムーミンさん
ご支援ありがとうございました。
リターン、無事に届いて良かったです。
また、カイゴ・デトックスに巡り会えて良かったというお言葉は、本当にうれしいです。
ムーミンさんのお母さまもそうだったのですね。
もしかしたら、私たちの世代の母親たちには、「自分が犠牲になった」とか「私の人生がつまらないのは周りのせい」と考える人が多いのかもしれません。
女性の社会進出がさほど多くはない時代でしたものね。
とはいえ、その、ある意味理不尽な不満をぶつけられるのは、とてもしんどいことです。ストレスです。
ムーミンさんが、「人のせいにしない」をモットーした生きてこられたのは本当に素晴らしい。
もちろん、日々の小さな事に対するイライラが生じるのは誰にもある事。
大きな負の感情にがんじがらめにされないよう、頑張りすぎない程度に頑張っていきましょう。
ムーミンさんもどうぞお体気をつけて。
良いお年をお迎えくださいね。