死に方の選択? :里芋と豚バラ肉の味噌煮
先日、横浜市の特別養護老人ホームに入所している伯母とリモート面会をしました。
一時期解禁となった直接面会が、第何波目だかわからないコロナの波によって再び中止となり、
1回15分のSkype(お肌の補正機能がない。けっ!)面会が復活。電話で予約を入れた上で、久々に伯母の顔を見ながら話をしたのでした。
今回のリモート面会、伯母の様子を見ることはもちろんですが、もう一つの目的がありました。
ホームに「施設内で心肺蘇生が必要になった場合の意思確認書」という書類を提出するにあたり、伯母の意思を確認しなければならなかったのです。入所時にもこの書類を提出したのですが、数年ごとに本人に意思を確認して、新しいものを提出しなければならないのです。
予約した時間になり、Skypeがつながりました。
近況の確認もそこそこに、伯母に確認書の話をしました。
認知症ではないものの、その年なりにぼんやりとしてきた彼女に、ゆっくりと事情を説明します。
「おばちゃんがホームでとても具合が悪くなってしまった時に、どういう対応をしてもらいたいかを選んでほしいの」
選択肢は3つありました。
1.救命救急センターへ搬送し、人工呼吸器等の装着を含む出来得る限りの処置をしてもらいたい。
2.救命救急センターへ搬送するものの、人工呼吸器の装着等の高度な心肺蘇生は望まない。
3.救命救急センターへは行かず、ホーム指定のかかりつけ医で処置をしてもらいたい。
これも伯母が理解しやすいように、噛んで含めるように話をしました。
私の説明が終わるまで黙って話を聞いていた伯母は、ほんの数秒考えるような素振りを見せて言いました。
「この年になると、死に方を選ばなきゃならないのね」
「死ぬとは限らないよ、おばちゃん。選んだ処置を受けることで助かることもある。生き残り方を選ぶという考え方もできなくはないんじゃない?」そんな浅薄な気休めのようなことを言いつつ、私は、
あと数日で90歳になる伯母に死に方の選択を迫りました。
伯母が選んだのは2。わずか数分で選べるわけもない選択に、「真ん中を選ぶ」ということで折り合いをつけたような感じがしました。
「色々な機械を着けられてしまうのは嫌だけど、救急病院くらいには行きたいわよね」と言う伯母。
またまたほんの数秒だけ考えるような顔を見せた後、妙に自信があるような声でこう言いました。
「でも、私は死なないけどね」
怖っ(笑)
さすがに90歳までにはそれなりの時間がある私ですが、それにしたってそろそろ終わりに向けた進み方を考えなければいけないのだろうと思います。
いざという時の始末の付け方を考えて、誰かに伝えておかなければいけないなぁとしょっちゅう考えるのですが、それでも今一つ現実味がなくて先延ばしにしてしまっています。
無責任だよなあ。
さて、今日ご紹介するのは『里芋と豚バラ肉の味噌煮』です。
そういえば、最近、ハンバーグやパスタといった”ヤングメニュー”を作ることが減ってきました。焼き物や煮物といった”アダルトメニュー”を基本に、ちょっとだけボリュームのある味を楽しみたい気分の時にはお肉を足してみる、なんてことをしています。
今回の味噌煮も、里芋だけでは物足りないという時にバラ肉をちょい足し、というメニューです。
里芋と豚バラ肉の味噌煮
- 里芋は泥を洗い流して皮をむき、食べやすい大きなにカットします。
ぬめりがあって手が滑りやすいので気を付けて下さいね。 - 1の里芋をボールに入れて塩を振り、芋に塩を揉み込むようにしてから
流水で洗い流します。 - 豚バラ肉はやや大きめにカットしておきます。
- 深めのフライパンに油少々を引き、里芋とバラ肉を炒めます。
- ひたひたの量のだし汁、酒、砂糖、醤油を加え、
アルミホイルなどで落し蓋をした上にさらに蓋をして中火で加熱をします。
後で味噌を加えるので、醤油は少な目に。 - 楊枝がすっと通るくらいに里芋が柔らかくなったら、味噌を加えてさらに煮詰めます。
- 煮汁にとろみが出て、里芋にまとわりつくような感じになったら出来上がりです。
今月の在宅デトックスは昼回です。申し込み締め切りが迫っていますので、迷っている方はぜひお申し込みください。昼回は参加人数が少なくなることが多く、比較的ゆっくりお話ができる傾向があります。初参加の方も大歓迎です。
在宅デトックス10月回のお知らせ
日時: 10月28日(金) 13:00~ ※大体1時間半くらいです。
テーマ: 『介護者の心と体』
詳細とお申込みはこちらをご覧ください。
今月は昼の回です。
介護しているあなたの体調、心の状態について不安なことはありますか?
介護が終わってもまだくすぶっているしんどさはありますか?
介護者の心と体についてお話しましょう。
過去に介護経験のある方、現在介護真っ最中の方、介護未経験だけど興味がある方、全て大歓迎。
初参加の方もお待ちしています。
ミカスでした。