ひっそりと新年:ささみのフライ
あれよあれよという間に年が明けました。
と言っても、普段とさして変わるわけでもなく、とてもひっそりとした年明けでした。
数年前までは、妹夫婦や姪、甥の家族がやってきて賑やかな元日を過ごしたものでした。でも、コロナウイルスの蔓延が始まり、身内とは言え大人数で集まるのは控えた方がいいよねとなって以降は父と2人で日常とほぼ変わりない時間を過ごすのが常となりました。
妹は子供や孫たちと賑やかに過ごしたかしら、と思ったのですが、姪の子供が年末に風邪をひき、それがもし治りきっていなかったら、昨年手術をして今も抗がん剤治療中で免疫が落ちてしまっている妹の連れ合いが感染してしまうかもしれないと、集まりをキャンセルしたそうです。
あちらもあちらで2人で静かなお正月。
当たり前のことですが、家族の形や状況は年と共に見事なくらいに変わります。減ったり、増えたり、また減ったり。その度に家族のしきたりも変化していく。それをどうこう思ったところで為ん方ないことなのはわかっているつもりですし、何ならたくさんの時間と労力をかけて会食の準備をしなくてもいいのだと思えば気も楽になるのですが、それでもちょっと切なくなります。
集まる人もいなくて寂しい年明け、と思いましたが、どうやら寂しさはそこからばかり来るものでもない。他にも何か引っかかるものがあるなあ。何だ?
除夜の鐘です。
そう、この2~3年、大晦日から元日にかけて除夜の鐘が聞こえないのです。
以前は大晦日の夜になると近くのお寺から鐘の音が聞こえてきたものですが、気が付いたらそれが全く聞こえてこない。冷たく澄み切った夜の空気の中を一直線に伸びていくような鐘の音を聞くと(大抵は布団の中ででしたが)、毎年なんとも神妙な心持になったものでしたが、それがいつの間にかなくなっていました。昨今は鐘の音がうるさいと苦情が出ることもあるそうですから、続けていくのが難しい状況が想像できないわけでもありません。
ノスタルジーだけを理由にいつまでも同じでいるわけにはいかないということでしょうか。
とはいえ、まだまだお正月は久しぶりに家族が集い、食べ、笑う時間だと思いたい。
だから今回、多くの人のそんな大事な時間が地震によって壊されてしまったことがつくづく悲しく、悔しくてなりません。
とはいえ、只中にいるわけではない私が悲しんだところで、悔しがったところで、何の足しにもならない。だとたしら、両の脚をしっかり踏ん張って、確実に変わっていく毎日を時々ノスタルジックになりながらも受け止めていくしかありません。
ちゃんと、きちんと、真面目に生きていくしかありません。
とはいえ、最近はきちんと料理をする気力を失っていた私。元々嫌いならそれはしょうがないけれど、あんなに好きだったことなのにこれはダメだよなあと凹んでいました。
というわけで、リハビリというわけではないけれど、こちらも少しずつ「きちんと」に近づけていこうと手を付けた第一弾が『ささみのフライ』です。
ささみのフライ
- ささみの真ん中に切れ目を入れ、左右に削ぐようにして観音開きにします。
- ささみに塩胡椒をします。
- 開いたささみの真ん中に溶けるチーズを置き、それを包むように開いた部分を戻します。
- ささみにフライの衣をつけます。
まず、ささみをバッター液(薄力粉、溶き卵、水を混ぜ合わせたもの)にくぐらせます。その後パン粉をしっかりとまぶします。 - 油の入った揚げ鍋を火にかけて170℃に熱し、ささみを揚げます。
油の温度が高すぎると衣が焦げたりチーズが溶けだしてしまうので、よく様子を見ながら揚げてください。
衣がきつね色に揚がったら出来上がりです。
2024年もオバフォー、そしてミカ料をよろしくお願いします。
ミカスでした。
アメちゃん
ミカスさん。
除夜の鐘っていいですよね。私も好きです。
私の実家は山間部の田舎なので、冬の夜のしんとした中に
遠くのお寺から鐘の音がぼんやりと聞こえてきて
ほんとうに大晦日、一年の終わりっぽくて好きでした。
私はこの年末年始は一人で過ごしました。
実家にはもう誰も居ないし、わざわざ混雑してる中を帰省する気もなく。
淡々といつもの日を過ごしたんですが
やっぱり寂しいもんですね。
亡くなった父や母が元気だった頃のことが思い出されました。
新幹線の予約をしたり、いろいろ煩わしいことがなくて楽なんだけど
なんだか切ないですよねぇ。
ミカス Post author
アメちゃんさん
ご挨拶が遅くなりました。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
除夜の鐘、年に一度の楽しみだったのですが、聞こえなくなってしまったのはとても残念です。
冬のしんとした空気の中、遠くから響いてくる鐘の音。なんとも抒情的ですよね。
年末年始に人が行き来してバタバタするのは面倒なのですが、いざ誰も来ないとなるとちょっとだけあの慌ただしさが懐かしく思えます。
無いものねだりですね。
そうだ、今年から来年の年末年始は二人でZoomでもしながら年を越しましょうか。