終の棲家クエスト5:スパゲティサラダ
果たして母は特養に入所できる状態なのか。それを確認するために、それぞれの施設の担当者の方が母と面談するために病院へ足を運んでくださいました。
面談と言いましたが、認知症の上に脳梗塞による失語症も発症している母は、ほとんどコミュニケーションがとれない状態です。面はできても談はできません。担当者さんは母の様子を見て、看護師さんやソーシャルワーカーさんから話を聞いて下さったのでしょう。
ほぼ寝たきりの状態で、言語によるコミュニケーションは難しい。胃ろう受け入れ可能の施設を選んで申し込んだものの、吸引が必要な場合もある。介護施設は難しいものかもしれないなぁと思いつつ、どこかからの返事を待っていました。そう、この期に及んでは、自分たちで選んで決めた施設の中ならどこでもいいから、と考えていました。
7月の半ば、私のスマホに着信がありました。
「お母さま、入所していただけます」
私たちが希望していたホームAからでした。
部屋の調整などでしばし時間がかかるものの、お盆過ぎには確実に入所できるとのこと。
何と言ったらいいのでしょう。もちろん「良かった」のひと言に尽きるのですが、それと同時に、おそらくは面談の際に悪態を最小限に抑えたのであろう母を「よくやった、母ちゃん!」と褒めてやりたい衝動に駆られました。(それだけ入院中の母の”愚図り”はひどかったのです)
入所が決まってからは、病院へ面会に行くたびに色々なスタッフの方から「ホームAに決まったそうですね。良かった」と声を掛けられました。中には「ホームAもこれから大変だぞ」と思ったスタッフの方もいらしたと思いますが(それだけ母の”愚図り”はひどかったということです)、「寂しくなります」とか「お母さん、私の祖母に似てるんですよ。だから顔を見るたびに懐かしい気持ちになって…」などと言って下さった皆さんにはただただ感謝しかありませんでした。
退院当日、ソーシャルワーカーさんが手配してくださった介護タクシーにリクライニング車椅子で乗り込み、私がその隣に座ってホームAへ向かいました。
ほぼ寝たきりだったのにリクライニングとはいえ車椅子に座り、何か月も見たことのなかった外の景色や光を眺めながら車に揺られる。きっと興奮して大きな声を出すのだろうなと覚悟を決めていたのですが、まるでチャイルドシートでうとうとする子供のように、母は気持ちよさそうに目を閉じていました。そして、しばらくするとはっきりした声で「まだ?」
若いドライバーさんがちょっと驚いたように笑って「あと15分くらいです」と答えて下さった時、おそらくは偶然だったのだとは思うけれど、母が久しぶりにこちら側へ戻って来たような気がしてうれしくも複雑な気持ちになりました。ほんの一瞬であちら側に戻ってしまうのがわかっていたから。
あの道中、母はどんなことを考えて、いや、感じていたのかなあ。
こうして母は無事に退院をし、私たちが希望していたホームAに入所しました。あくまでも私と妹の希望です。母自身は一体どんな終の棲家を望んでいたのか、そればかりは誰も知ることができませんが。
先日、入所後初めての面会に行ってきました。
私と妹が車から降りると、何人かの入所さんが車椅子に乗って玄関ホールにいるのが見えました。近づいてみると、その中に母の姿が。私が慌ててAmazonで買ったオレンジ色の車椅子に座っています。
入所前の打ち合わせで「出来るだけ早い機会に一度…」とお願いしてあったヘアカットをもうして下さったようで、伸び放題だった髪は昔のようにきれいなショートになっていました。
「暑いから散歩には出られないけれど、少しでも外の空気を感じていただきたくて」と、付き添っていたスタッフの方が仰いました。
私たちは母のことを「寝たきりのままさして大きな回復もみられないであろう人」と決めつけていたのかもしれません。その証拠に、寝間着以外の衣類をホームへ持ち込みませんでした。スタッフの方から「トップスとズボンを数着お願いします」と電話があった時、「着替えさせて下さるのですか?」と聞いてしまったくらいです。「はい。余程のことが無い限り、日中は洋服に着替えていただいて、車椅子で色々なことに参加していただきますよ」
母は「看護される病人」から「介護されながら暮らす人」になったのです。
お母さん、良かったね。
これで私のクエストは一応終了です。
ただ、私たちが選ばなかった「介護医療院」について、次回簡単に書こうと思っています。
選ばなかったと言っても、見学をしましたし、ソーシャルワーカーさんを介して一応入所の申し込みはしてありました。それでも私たちが「母にはここではないかな」と考えた理由などを少しお話しますね。
さて、今日の一品は『スパゲティサラダ』です。
ポッドキャスト「That’s Dance!」でちらっとお話したのですが、私は今この動画にはまっています。
お笑い芸人レインボーのジャンボたかおさんが色々な人を実家に招いて、ただただお母さんの手料理を一緒に食べるというこの動画、出てくる人たちの食べっぷりがとにかく気持ちいい。そして、なぜかとても懐かしい気持ちになるのです。私も友人の家に遊びに行ってはお母さんの手料理をご馳走になりましたし、私の母も私が友達を連れて帰ると色々なご馳走を作ってもてなしてくれました。友人のお母さんは亡くなり、私の母は料理ができなくなってしまった。もう味わう事の出来ないあの雰囲気がこの動画の中には詰まっています。(熊本プロレスさんの回も好き!)
というわけで、ジャンボたかおさんのお母さんがみんなを唸らせているスパゲティサラダを真似して作ってみました。動画にレシピは出て来ないのであくまでも私の自己流レシピです。
スパゲティサラダ
- きゅうりを薄切りにして塩もみにします。
- 玉ねぎを薄切りにして水にさらします。
- ハムは短冊切りにします。
- 深めの鍋でたっぷりのお湯を沸騰させて、サラダ用のパスタを袋に表示されている通りに茹でます。茹で時間や塩の要・不要は表示通りに。
- きゅうりは塩気をさっと洗い、ぎゅっと絞って水気を切ります。
- たまねぎもしっかりと水気を切ります。
- パスタが茹で上がったらざるに上げ、しばらく置いて粗熱を取ります。
- 大きめのボウルに、パスタ、きゅうり、玉ねぎ、ハムを入れ、マヨネーズで和えます。
味が薄いようなら塩を加え、仕上げに黒胡椒を少々振れば出来上がりです。
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