風呂がきらい。
みなさんは、風呂が好きですか?わたしはきらいです。
風呂が、というより、入浴に至るまでのプロセスが、わたしにとって苦行にほかならない。
夜、疲れていて眠いのに、風呂に入らなくてはならない。
パンツとパジャマを取りに行く、風呂まで移動する、服を脱ぐ、体を洗う、髪を洗う、体をふく、パンツをはき、パジャマを着る、髪を乾かす…いったい何工程あるというのか。ちなみにこれは、湯船に湯を張らない場合の工程の一例である。
加えて、排水溝の髪の毛を始末する、顔や体に何か保湿クリーム的なものを塗る…こうした細々とした行為まですべて含んでの、入浴という一大作業。これに冬の寒さが加わった場合の困難を考えてもらいたい。
疲れて眠いというのに、どうかしている。
湯に浸かること、それ自体は嫌いではない。すぐにゆだってしまうたちではあるが、湯の中で手足を伸ばすのは気持ちがいい。
銭湯や温泉なども好きである。建築の意匠は興味が尽きないし、光差し込む朝風呂も好きだ。こういうときは、何度服を脱いだり着たりしても苦にならない。
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嫌いなのは、日常の義務としての入浴である。
なぜ、こんなめんどくさい工程を、毎日一から繰り返さなくてはならないのか。賽の河原だよ。
せっかく洗っても、翌日には新たな汚れを身にまとっている。エントロピーの増大は止められない。
しかし聞きたいのは、そんなにみんな、毎日風呂に入っているのだろうか。
よしんば、そうだとして、皆ほんとうに、毎日髪の毛を洗っているのか?ほんとうに?
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わたしは、洗っていない。
なんなら、翌日仕事でなければ、お風呂なんか入らない。
わたし個人の感覚としては、今くらいの気温になると、日中に汗をかくので、なんとなく風呂に入った方がいい気持ちになる。
しかしそれ以外の季節はといえばどうか。
じっさい人は、どのくらい風呂に入らないと、人としてアレな感じになるのか、つまり、匂い始めるのだろうか。
個人差はあるだろうが、3、4日は余裕だと思う。毎日そこそこ清潔な服を着てさえいれば。
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しかし、私は、お風呂に入らないと気持ち悪くて寝られない、という人も知っている。
これは、どのくらいの頻度でパジャマや枕カバーやバスタオルを洗うか、ということにも通じるものがある。また、猫がテーブルにのるのが嫌じゃないかどうかとか。
これらは、じっさいの汚れや匂いうんぬんというより、習慣や感覚によるところも大きいのだろう。わたしの場合、推して知るべしである。
奇妙なことに、わたしの姉は、バスタオルや枕カバーをぜったいに毎日洗う派のにんげんに育った。
同じ親の元で、同じように育ったのにこれはどうしたことか。
姉は専業主婦で、わたしは細々働いているという違いはあり、それができる時間があるかないかが、感覚に作用しているのかもしれない。
そして、けっきょくのところ、性格であり嗜好である。めんどくさがりか否か。
風呂の効能だとか、家にいたって毎日コップ1杯の汗をかくとか、そんなこたあわかっている。
めんどくさいとさっぱりしたいの、欲望の拮抗という話をしているのだ。
わたしは、あかたろうの気持ちがわかる。
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風呂にかぎらず、文明社会の一員として備えているべき清潔さや社会通念等について、自分の中に常識的な感覚が涵養されておらず、周りを見回しながらなんとか擬態しおおせているという気がしばしばしている。
今、夜中の1時26分。明日は休みなので、風呂に入るかはわからない。
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今いちばん行きたいのは、岩手の鉛温泉藤三旅館。水深1.2メートル(風呂好きなのか)
※サイトより画像お借りしました →岩手花巻温泉郷 鉛温泉藤三旅館
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※「なんかすごい。」は、毎月第3木曜の更新です。
※はらぷさんが、お祖父さんの作ったものをアップするTwitterのアカウントはこちら。
Jane
わたしは、あかたろうの気持ちがわかる。
…と、こういう場で言える人はなかなかいないかもしれません。
午前1時半じゃ、もう入らなかったでしょう。
私はもう9年くらい浴槽に浸かっていませんが(日本に帰らないから)、深夜疲れて風呂に入ったものの、その後出てからの行程が面倒くさくて、「早く出てさっさと寝なくちゃ」と思いつつ、ずるずる長湯しているときの、冷めていく湯の感覚が蘇りました。
ぶんぶん8
はらぷさん、こんにちは。
私もお風呂が嫌いです。
だって疲れるんですもの。
昔後輩に「お風呂嫌いなんだよねー」と、何かの話の中で言うと、
「先輩、そんなこと他の人には言わない方がいいですよ」と言われ、
娘たちに「お風呂は一日おきで十分」というと
「信じられない、今時そんなことをいう人がいるなんて!」と非難されました。
パジャマを毎日取り替えて、洗い立てを素肌に着るのは気持ちよくて好きですが、
中身の方を綺麗に洗わなきゃって気持ちはさらさらありません。
一応他の人を不快にしてはいけないので、一日おきにしていますが、
お風呂に入らなくてもいいと決めた日は、とても自由でのびのびと、可能性に満ちているように感じています。逆にお風呂に入る日は「はいらなきゃ」ってプレッシャーが。
なぜ皆あんなにお風呂が気持ちがイイとか言うんでしょう?
解りません。
でもはらぷさんは銭湯や温泉はお好きなんですよね。
私は嫌いじゃないけど、でもそんなに好きでもないかも。
露店風呂から月を眺めたりするのは好きですけどねー。
このコメント欄に同好の士がたくさん集うことを期待しています!
AЯKO
私はお風呂は好きで長風呂なんだけど、髪の毛ドライヤーで乾かすのが面倒なため、髪は一日おきに洗ってます。たぶん自分の子供の頃はそのぐらいの頻度が普通だったはず。
最近今日は髪を洗う日なのかがボケて思い出せない!さらに長風呂でのぼせて、さっきリンスまでしたか思い出せない!老化がヤバイです!
ちゃま
よくぞ書いて下さったと思います。
母と暮らしている頃は、毎日浴槽に湯を張り、ふろを掃除しました。風呂を使うのは私だけになったら、毎日シャワーです。身体は洗うけど、湯船につかりません。帰宅して腰を下ろすと、再び行動を起こすのが面倒になってしまいます。お風呂の一連の流れは省けるものは省いて良しとしています。
銭湯も温泉も、強いて行きたいと思わないです。すびばせん。
はらぷ Post author
Janeさん
こんばんは。午前1時半のお風呂について、ご名答です(笑)
わたしも一年通してほとんど湯船に入りませんが、冬にときどき「寒い!お風呂をつくろう!」となるときは、オットと「ほんとのお風呂」と呼んでいます。
出たあとのめんどくささで動けない、わかります…!
寝るときもそうですね、ねむくてねむくてしょうがないのに、立ち上がって歯を磨いて…というのにふんぎれず、いつまでも椅子でうとうとして深夜になるパターン。
はらぷ Post author
ぶんぶん8さん
こんばんは!おお!同志よ!よくぞ応えてくださいました。
そうですよね、(とくに冬は)お風呂に入るのはよそ様のために他なりません(笑)
昨日入ったから今日はいいやー、というときの開放感!特に何するわけじゃないんですが。
銭湯や温泉が好きなのは、たぶん古い建物が好きだからですね。。。
その空間にひたりたいという…。
やはりお風呂にしかない建築意匠というのがあって、そのためならはだかになって、いっちょ体も洗ってやるぜという気持ちです。
あと、どうしてかはわからないのですが、お風呂に限らず、満々と水を湛えた場所を見るのが好きみたいです。風呂関係なかった(笑)
はらぷ Post author
AЯKOさん
こんばんは。笑ってしまった。わかる!リンスしたか思い出せない!
わたしは、髪の毛を洗うときは、まず髪を洗って、リンスつけて髪をしばってしばらく放置、その間に体を洗い、髪を洗い流す→最後に体も流す、という手順なのですが、さいきんとみにボーッとしていてその工程を途中で忘れてしまいます。
体を先に流してしまったあとに、あれ、なんだかヌルヌルする水が頭から落ちてくる…となったりする。
そうするとなんかまた体を洗わなきゃいけないことになります(リンスで体がしっとりなるのがイヤ)。老化なのか!!
はらぷ Post author
ちゃまさま
こんばんは。よくぞコメントを入れてくださりました!
わかります…誰かのためでないと、毎日お風呂洗ったりできないですよほんとに。。。
帰宅して、腰を下ろそうものなら寝てしまうし、夕食後、そのまま座っていたらやっぱり寝てしまいます。
なるべく間髪入れずにお皿を片付けてお茶を入れるなどし、そのあとは…寝てしまう(どんだけ…)
ダイニングにソファーがなくてよかったなと思っています(笑)
省けるものは省いて、わたしたち生き抜きましょう!
パピコ
私は銭湯や温泉が苦手です。
これを言うと、まるで人間じゃない、みたいな目で見られるので言いませんが、わざわざ出先での工程が面倒くさい。
靴を脱いで服を脱いで、髪を洗って乾かして、メイクをし直して……それらを家じゃない、すぐ隣に他人がいて、慣れないドライヤーや洗顔道具でやらなきゃならないのが、本当に面倒!
お風呂あがりにだらっとそのまま眠ったりできればまだしも、あちこちの日帰り温泉で立ち寄り湯を楽しむなんて、考えるだけで地獄です。
でも、こんな人間は本当に少数派のような気がします。
はらぷ Post author
パピコさん
こんばんは。心強いコメントありがとうございます!
ほんとーーーーにわかります!出先での工程…。
そのまま部屋に戻ってごろんってできるならまだいいんですけどねえ。
わたしは旅行にでかけたりすると、突然勤勉(?)になるタイプなので、立ち寄り湯もその一環と思えば楽しめるのですが(古い建物だったりするとなお可)、お風呂に入ることがあらかじめわかっている場合には、どうしたら楽に脱ぎ着でき、荷物も少なく、工程を省けるかということをものすごく考えます。そして立ち寄り湯では髪の毛はあらわない!メイクもしない!(笑)
しかし、お風呂上がりにもうだるいし眠いのに、えいやっと動いて次の目的地に行かなきゃ行けないなんて、まさに苦行ですよ。車を運転してくれる人などは、本当にえらいなと思います。