しごとをはじめた
何回か前の「なんかすごい。」で、就職活動を始めた(そして落ちた)ことを匂わせていたわたくしですが、このたび仕事が決まりました。
いくつか前に受けたところのひとつから、「同じ職に空きが出たけど、やる?」と連絡をもらった。
面接を受けたのが11月、不採用の連絡をもらった際に、「でもニアミスだったから、補欠ということで、4ヶ月以内に空きが出たら連絡するね」と書いてあったのだった。
ほんとうに連絡が来るとは思わなかった。
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1月の終わり、図書館でボランティアをしているときに、何度か電話が鳴っているなと思っていた。終わって着信履歴を見ると、知らない番号である。なんだろう…?と思いながらオットと待ち合わせした場所まで歩いていると、ポケットの中でスマホがポヨンとメールの着信を知らせた。見ると、前に応募した大学図書館のアドレスからである。
「Hi, 覚えているかわからないけど、面接をしたJです。同じ職に空きが出たので、もしまだ興味があったら連絡を。」と書いてあった。
な ん と!!!
夢か罠じゃなかろうか。
と、ともかく丁寧に返事をしよう、とりあえず家に帰って返事を書こう。
オットと会って、路上で「えーーー!」「ねーーー!」と驚き合う。ともかく落ち着いてメールを書きたい、と言うと、オットも「そうだねそうだね」と同意して、用事だけさっさと済ませて家に帰ることにした。
わーい、お仕事が見つかった!わたし、図書館で働くのよ来月から!(パートだけど)
ローズ・ベルタンの店で下働きが決まったロザリーの気持ちである。※「ベルサイユのばら」(池田理代子/著)第2巻をご参照ください(たぶん2巻。手元にないので画像はなし)
だいたいなんでもベルサイユのばらで表現できる。
しかしこのあとどん底の悲劇が待ち受けていることを、ベルばら100回くらい読んでるわたしは知っている。人生は落とし穴の連続だ。ゆめゆめ油断してはならない。そういうことはみんな、漫画で予習ずみである。
いざ帰ろう、という段になり、ポケットに入れていたスマホを見ると、なんと新たな着信履歴が表示されている。しかも2回。なんでだ!音も振動もなかったのに…。
そして今度は留守電が残されていて、あわてて再生してみると、予想通りJ氏のメッセージが吹き込まれていた。
「Hi, さっきメールしたんだけどエラーで戻ってきちゃって、もうアドレスは使われていないのかな。これを聞いたら僕のデスク(XXXXXXX)に電話くれるか、メールをくれると嬉しい、このメッセージが届くといいんだけど!」
???!!!!
メール届いてます!!!けどーーーー!?
電話が鳴らなかったのも、もしかしてそのエラーとやらのせいなのか?
ためしにオットにわたしの携帯に電話をかけてもらうと、あんのじょう着信音は鳴らずに、着信履歴にのみ表示された。
おそろしい…これが落とし穴というものか。
と、ともかくすぐに電話をしよう。留守電を聞き直して電話番号をメモするも、緊張してなんども聞き逃してしまう。アイフォンよ、ちょっとだけ巻き戻ししたいのに、最初からしか再生できないのはなんでだ!日本語でだって、数字を聞き取るの苦手なのに!
異常な時間をかけて単なる電話番号を聞き取り、オットをよそへやり(聞かれると恥ずかしいので)、なんて言おうか反芻しながら電話をかけると、留守番電話につながった。ほうほうのていで、電話をありがとう、メール、届いています!はい、すごく興味がある連絡をくれてすごくありがとう嬉しい、家に帰ったらメールをするすぐに!とだけなんとか吹き込んで電話を切った。
やべー英語だ…これが試験だったら確実に落ちている。オットをよそにやっておいてよかった。
電話のトラブルといい、メールのエラーといい、こんなようすじゃ仕事できそうにないなって思われて、こりゃあもうだめかもしれん。
みじけえ夢だったな…
こうなるんじゃないかと思ってたのだ。いや知ってた。だって漫画にかいてあったし。
と小一時間のあいだにこのような葛藤を繰り広げ、その日は絶望して寝たが、みなさん予想される通り、翌朝には
「よかった!じゃあ雇用手続きをすすめるね」というメールがふつうに届き、無事採用となった。
人生は漫画ほどドラマチックでないときもある。
ペニーが、お祝いに素敵なカードを送ってくれた。
今週の月曜日が初出勤で、今日で3日目。明日は週休日でお休みである。
当たり前だがなにの役にも立っていないし、びっくりするくらいわからない。
そして、公共図書館の利用者以上に、学生が何を言っているのかわからない。若者は早口!この人たち、24時間が早回しで進んでいるのだろうか。
でも職場の人たちはともかくみんな親切で、全員口を揃えて、「なんでも聞け、バカみたいな質問なんてない、間違うのあたりまえ、何度でも聞け」と言ってくる。
自分がかつて言って欲しかった言葉をかけてくれているような気がする。
さらに新人には、Mentorといって、なんでも相談できる先輩のような役目の人をつけてくれることになっているようなのだが、わたしのMentorとなってくれた女の人Eは、ちょっとがらっぱちで、ヤク中あがりのような雰囲気があってよい。すごく親切。
ワルだわ、ワルの先輩なのだわ!
…これってちょっと、女学校のエスっぽくない?!
Byはらぷ
Jane
そのひとに ついていくのよ はらぷさん
私のMentor(私が勝手に決めた)Cは、昼休みに消えて戻ってきた時、シャツからほのかにタバコの匂いがする。タバコは嫌いだけど、エレガントで大人の色気がある外見と声を持つ彼女の、見せないワルっぽさの加減がよい。