祝宴狂想曲(1)はじまりはいつも姉。
先日「島民フィルターで世界を見ると」の回で五感総動員で天気読んでますみたいなカッチョいいことを書きましたけれども、この週末久しぶりに実家に帰りまして、用事こなしてサア後は船に乗って帰るだけというところで、朝起きたら船がばっちり欠航! 空はピーカンでも海は大荒れ、あわてて宿を探したり飛行機をおさえたりして右往左往、まったく天気読めるとか片腹痛いわスイマセン、とおてんとさまにこうべを垂れる新人島民くみこでございます。
当たるも八卦当たらぬも八卦
そんなことはおいといて、このたび地元で祝宴してまいったのであります。
ザビ男とわたくしが結婚するにあたり、「祝宴を催してほしい」という両方の親からのリクエストを受けて、6月に東京にて挙式&披露パーティを開く運びとなりました。ところが言い出しっぺだった双方の親が、そろって東京祝宴への不参加を表明。説得を試みるも見事に惨敗し、そのかわりにそれぞれの地元でそれぞれの親族を呼んで祝宴を開くという「祝宴全国ツアー」を敢行するハメになった、といういきさつを以前お話したことがございました。
くわしくはこちら↓
東京での祝宴は両親不在という軽く訳ありカップルの挙式風に終了し、わたしはシマ島の住民となって現在に至るわけですが「いったいぜんたい残りの祝宴はどうしたのかしら?」と気になって気になって夜も眠れないという方のために(オイ)、今回からしばらく後日談をお伝えいたします。しばらくの間おつきあいいただけますと幸いですm(_ _)m
さて。
すでに島で生活をスタートさせているのですから、まずは島で祝宴を開くのが自然な流れだろうと思っておりました。いつやるのか、どんな人が来るのかとドキドキしながら日々暮らしていたのですが、ザビ家に何度足を運んでも、いつまでたってもその手の話が出てきません。
そうこうするうちにザビ家に続々とご祝儀が届くようになり(くわしくは「独女と村民」)、いただいたままにしておくわけにもいくまいと、ザビ男と夜な夜な挨拶行脚をした結果、なんとなくそれがお披露目しました的な流れになり。挨拶といってもひとことふたこと話すだけでしたので、わたしとしては宴席でゆっくりお話を聞かせてもらおう、そんでもってわたしのことも知ってもらえるとありがたい、と思っていたのですが見事に当てが外れました(´Д` )
まあザビパパ・ママもお年ですし、ご祝儀をくださった方も大半が80、90当たり前という想像以上に超高齢メンバー。みんなで食事を共にするのは難しい気がしましたし、そうこうするうちに夏のトップシーズンに突入してシマ島全体が慌ただしくなりましたので、こりゃ祝宴はないな、ということで落ち着きました。
で、問題はじじょう家であります。
長年フラフラと生きてきた身だけに、親類縁者こぞって「くみこはもう一生独身だろう」と思い込んでいたようです。そこに「くみこが48にして結婚、相手は50すぎの独身男で結婚後は離島で暮らす」なんていうニュースが飛び込んできたのだからサア大変。母の強い要望もあって、これは是が非でも地元祝宴を!という話が持ち上がっておりました。
とはいえ、なにぶん遠く離れた故郷でございます。ザビ男とわたしは東京での祝宴でほとほと疲れはてておりましたので、じじょう家については地元に暮らす姉・きくえが幹事として仕切ることになりました。東京では姉も参列してきっちり結婚式をやったことだし、地元では身内だけの簡単な食事会でいいよね、会場や期日、内容については母の好きなように決めてくれていいよ、ということで話は決着。
シマ島ほどではありませんが、こちらもそこそこ高齢メンバーですので、開催時期は体力的にきつい7月8月の真夏を避け、続く9月は台風シーズンでシマ島からの船があやしいのでNG、涼しくなった10月11月に照準を絞ることになりました。
ところが、ひと月たっても、ふた月たっても、姉きくえからいっこうに連絡がありません。しびれを切らせて姉に電話をかけてみると、
「いま休みのたびに、お母さんとあちこち試食に回っているの。もうちょっと待ってて」
え
わざわざ試食しに行ってるの? 身内の食事会なのに? と思いましたが「せっかくのイベントだから、どうせならおいしいお店に行きたい」という母上たっての希望らしい。最近は人工透析で病院に行く以外まったく外出しなくなった母だけに、そういうことなら心ゆくまで食べ歩いてくださいという気持ちですが、看護師で休みが不規則な姉と、週の半分は透析の母がスケジュールを合わせて行くとなると、こりゃ祝宴は年明けになるかもしれないなーとひそかに考えておりました。
そんなこんなで油断していた9月上旬のある日、姉きくえから電話が。
「10月4日にホテルのレストランを予約したよ。大丈夫?」
「え、いきなり来たね! まあ大丈夫にするよ。いろいろ試食して、そこがおいしかったの?」
「ううん、そこは試食してない」
「え」
「いろいろ考えて、そこがいいかなーと思って」
「あ、そう、まあみなさんがそれでいいなら構わないけど…」
その時点でアレっという気はなんとなくしておりましたが、期日と会場が決まったことでホッとしたので、そのときはいったん電話を切ったのです。
その後、あんのじょう姉からの連絡は途絶えたのですが、シマ島の生活で頭がいっぱいだったわたしは祝宴どころの気分ではなく、姉がよろしくやってくれていたのだろうという希望的観測でそのまま放置。それでもあまりにも連絡がないので、気になって電話を入れてみることに。
「例の件って、どうなってる?」
「え? 特に何もやってないんだけど」
「そうなの? 別に普通に食事するだけなら構わないけど…」
「それでさ、くみちゃんにはドレスを着てもらいたいんだけど」
「へ?」
「お母さんがくみちゃんのドレス姿を見たいって言うんだよねえ。どうかな」
「んーんー、まあ…お母さんが喜んでくれるならしょうがない、着るよ着るけどさ」
「いいなあああ、ドレスうううう~~私も着たいなあ❤︎」
「姉ちゃんが着ればいいんじゃない」
「そういうわけにもいかないでしょう~~うらやましいなあ」
「じゃあ一緒にドレス借りたらどう」
「えええ~~\(//∇//)\ それもいいなあ~~いやーん、どうしようう~~~☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆」
「……」
さすがザビ男と結婚の挨拶をしに行った折、離島に行くと聞いて「離島→南の島→リゾート❤︎」とひとり脳内ヴァカンスをおっぱじめたツワモノであります。頭はすっかりキラキラのお姫様ドレスでいっぱいのようでありますが、
「ドレス着るのはいいけど、10人ぐらいの食事会でわたしだけドレスっておかしいでしょ。せめてお花を飾るとか、何かウエディングっぽくしてくれない?」
「えー」
「えーって何。ホテルのレストランならそういう対応もしてくれるでしょ」
「そうだけどお」
「できないならできないで考えるから、まずは聞いて!」
「うーん…」
「で、ドレスはどこで調達するの」
「え」
「え」
「わかんない~」
「わかんない~じゃないよ! こっちこそわかんないよ! 姉上にがんばってもらわないと、こっちはどうにもできないよ。無理なら東京で借りることも考えるけど、10月はウエディングのシーズンだし、もう9月半ばだよ? これから借りるのは大変だと思うよ? 頼むから今すぐ動いて聞いてみて!」
「うーん………人生って厳しいね……(´・_・`)」
「いやいやいやいや」
あーそうだったそうだった、
このひとはディズニーランドが好きで好きで好きすぎて「ディズニーランドで働きたいなー\(//∇//)\」とか本気で言い出しちゃうようなスケールの大きなきくえ49歳❤︎なのだった。そんな姉上が幹事をして、コトがうまく運ぶと思ったわたしがうかつすぎた。そして予想通り、祝宴の行方はとんでもない事態に発展していくのでありました……。
そんなわけで次回につづく。
Text by じじょうくみこ
Illustrated by カピバラ舎
こうまさん
こんにちは!
つい最近の事ですね。
このあと、予想できない展開が待っているのかと思うと、
夜もおちおち眠れません(爆)
きゃらめる
なかなか個性的なおねえさまなようで(^_^;)
動悸をドキドキ増やして、
続きの更新をお待ちしております(笑)
はしーば
きくえ姉様、ドキドキです。
次回が、土曜?
待ちきれませーん。
okosama
じじょくみさん、こんばんは
姉に泣いている?
いや、泣かされているのですね(笑)
いまねえ
うほほぉい~!(アラレちゃん風)
ジェットコースターチックな姉上様!わくわくっ!
じじょうくみこ Post author
>>こうまさま
こんにちは!コメント早速ありがとうございます〜( ´ ▽ ` )ノ
そうなんです、まだホットなニュースですw
あおっといてナンですが、たぶんたいした展開じゃないです、すいません・・・(ー ー;)
じじょうくみこ Post author
>>きゃらめるさま
こんにちは!いつもコメントありがとうごぜいます〜*\(^o^)/*
うちの姉上は、見た目はおとなしいんですが
かなりイっちゃってる女性でございまして(ー ー;)
なかなかつきあうのが大変です、はい。
でも憎めないやつなんですよ(姉つかまえてアレですが)
じじょうくみこ Post author
>>はしーばさま
こんにちは!コメントいつも嬉しいです\(//∇//)\ありがとうございます〜。
昔はただの「長女のわりにはおっとりしたお嬢さん」だと思ってたんですが
年を重ねるほどに個性が際立ってまいりました(笑)
じじょうくみこ Post author
>>okosamaさま
こんにちはー!コメントいつもありがとうございますう〜〜♪(´ε` )
はいもう姉にずぶ濡れです(爆)
家族って本当に面倒ですねえ・・・・はあ
じじょうくみこ Post author
>>いまねえさま
きいいーーーーーーん!(あられちゃん登場)
いまねえさま、ああいまねえさま!
ねえさまはねえさまでも、だいぶキャラが違うねえさまに
振り回されまくっておりますよ(笑)