新妻らしく夫に甘えてみたら返り討ちにあった
前回までのスットコドッコイな祝宴話をお読みいただいた方は、「じじょうくみこったら、なんだかんだ言いながらよろしくやってんじゃないのさ」と思われましたでしょうか。ホントにそうですね。なにしろ週末に記事を改めて読み返してみたんですが、「ずいぶん楽しそうだなオイ」と自分で自分にツッこんじゃいましたからね。
なんなんでしょうね、この現実との乖離はね。
なにしろ一連の出来事は、わたしにとっても久しくなかったアドレナリン大放出イベント。裏を返せばそれまでのわたしは、よろしくやっているどころか
どよ〜ん…(*_*)
とした日々を送っておったのです。
以前、結婚して離島暮らしを始める際に
・長年ひとり暮らししていた人間がはたして他人と暮らしていけるのかどうか問題
・長年ひとり暮らししていた四十路独女が、老いた義父母と同居的な環境で生活できるかどうか問題
・長年都会暮らししていた四十路独女が《全員みな知り合いな村社会》で大丈夫なのかどうか問題
という3つの問題を挙げたことがありました。
あのとき危惧していた通り、最後の「村社会とけこみ問題」がどよ〜んの原因であります。
シマ島に移住して1ヶ月たち、2ヶ月たっても、アウェイ感はまったくもって消えてはくれませんでした。人間関係は広がる気配もなく、仕事をしようにも求人がどこにあるかもわからない状態。もともと僻地育ちですので田舎の現実はわかっているつもりでしたが、正直ここまで何も起こらないとは。シマ島生活、想像以上に難しい!
しばらくは家事をがんばったり畑仕事を手伝ったりしながら、少しずつ慣れていけばいい。せっかく田舎に来たんだから、スローライフってやつを楽しめばいいじゃない。そう言い聞かせることで自分をごまかそうとしていた時期もありましたが、しばらくやってみてよーくわかりました。
わたし、全然スローなライフに向いてません(爆)
とにかく家にじっとしているのがムリ。朝、ザビ男を送り出してしまえば1日中ひとりという環境も苦手だし、どこにも行く場所がなければ頼れるひともいない現実のなんと心細いことか。東京では長らく自宅で仕事をしていたので、家にこもって1週間誰にも会わないなんてことにも慣れっこでしたが、「東京のひとり」と「島のひとり」ってこんなに孤独感が違うのですねえ。
どこかで何かが生まれないかと、用もないのにブラブラ集落を歩いたりしてみるのですが、びっくりするほど誰にも会いません(島民はいったいどこに?)。突破口が見つからないかとザビパパ・ママのところに日参してみても、そのうち慣れるよと言われるばかりで変化なし。その一方でザビパパは帰り際に必ず
「できるだけ自分たちでがんばるけど、何かあったら…よろしくお願いしますね」
と、うっすら介護のにおいを漂わせてきて、わたしの気分をますます滅入らせるのでありました。
ザビ男との結婚生活は想像以上に楽しくて、これ以上の幸せを望んだらバチが当たるな、ぐらいに感じておりました。それだけに1日も早く突破口が見つかってシマ島になじめますように、とひたすら願っていたのですが、気持ちとは裏腹に体調は日に日に悪くなり、あるときついに診療所のDr.コトーの指令で本土の病院送りに…。
そして自分が強いストレスによるパニックの発作を起こしているとわかったとき、「いかん、このままだとパンクしてしまう」と初めて危機感を抱いたのでありました。
病院から戻った日、初めてザビ男と腹を割って話し合いをしました。「腹を割って」ってすごい表現ですけども、長年ひとりで生きてきた身にとってはこの腹をぱっかーんと割って無様な自分をさらけ出す、というのがとてつもなく難しい。わたしにとっては決死の告白でありました。
あれこれやってみたけど、いっこうに島になじめない。
このままの生活は、わたしには耐えられない。
家事をがんばろうと思っても、ザビ男に料理をしてもらうばかりだし
体調崩してばかりでちっとも役に立たないし、
自分はここでいったい何をやっているんだろうと思うと毎日つらい。
ザビ男はてっきり楽しくやっているものだと思っていたようで、わたしの話を聞いて少々驚いた様子でした。
「くみちゃんの気持ちはよくわかった。家事は心配しなくていいよ、できるほうがやればいいんだから。私は料理をするのが全く苦じゃない。ムリしているわけじゃないから、気にしないで」
その言葉を聞いて、初めてわたしは自分がひとりでなんでもかんでもやろうとしていたことに気づきました。そうだったそうだった、結婚は共同生活なのだった。できないことは委ねればいいんだ、と思ったら急に結婚した実感が湧いてきました(遅)。
「くみちゃんは、働きに出るのがいいんじゃないかと思う。次に何か求人があれば、向き不向きは別として、とりあえず応募してみようよ。求人があるといいんだが…ちょっと聞いてみるよ。それ以外に、島になじめる方法が1つある」
「え! なに!」
「きついよ?」
「やるよ! いまの苦しさを思えば、なんだってやるよ!!」
「あのね」
「うん!」
「それはね」
「うん!!」
「海だよ」
「へ?」
「海に出るしかないね」
何を言い出すのかと思ったら、要するに「島民がやっていることをやれ」ということを言いたいようです。
「島民がやることといえば釣り、ダイビング、サーフィン」
「なるほど。海がらみだね。趣味つながりで仲良くなるってことね」
「そういうこと」
「そうか…ザビさん釣りは?」
「もうやめた」
「ダイビングは?」
「金がかかる」
「サーフィンは?」
「やる」
「道具は?」
「持ってる」
「それだ」
「日焼けするよ」
「しょうがないでしょ」
「しんどいよ」
「やるよ。だってサーフィンしか選択肢ないんだし、とりあえずできることやってみろってザビさんが言ったでしょ!」
「あっそう。じゃあね」
「うん」
「そこに寝て」
「うん?」
「いいから、あおむけになって」
「うん??」
「足を開いて」
「やだ何のプレイ?」
「腹筋背筋100回」
「え」
「腕立て伏せ30回」
「ええ」
「筋肉ないのにサーフィンやろうなんて、100年早いわ。
いいからさっさとやる!」
「えええええええええ(O_O)」
思いのほかドS
えーーーーというわけでですね、
「くみくみ、つらいのん❤︎」と初めてダンナ様に甘えてみたはずが、ライザップのパーソナルトレーナーよろしくザビ男のスパルタ指導で毎日筋トレすることになっているのはなぜですか。肝心の村社会とけこみ問題はまったく解決しないまま、全身筋肉痛ばかりが悪化して、どうにも狐につままれた気分のじじょうくみこでありました…。
Text by じじょうくみこ
Illustrated by カピバラ舎
*「じじょうくみこのオバサマー」は毎週火・木・土曜日更新です。
はしーば
あの怒涛の披露宴から、今度はライザップとは!
くみこさん、貴方は本物のチャレンジャーです。
失礼ながら、アラフィフでサーフィンを始めるなんて、凄い勇気。
自分には想像すらできません。波の無いプールで水中ウォーキングがせいぜいです。
波の力は馬鹿にならないと言います。
海に入るようになったら、どうか怪我とサメには気をつけて下さいね。
RMK
サーフィン、50代の先輩が半分溺れながら挑戦しているのを、炎天下で滝汗かきながら見てただけですが・・・。
腹筋・背筋がないと、伏せた状態のパドリングから板の上に立てないようでした。
ザビさんの基礎練まっとうだと思います。
♪思い込んだら 試練の道を~♪
くるりん
筋肉痛にはビタミンB2♪ですよ(^-^)b
あと、普通に起き上がる腹筋だと腰を痛めることもあるので…いろいろ調整なさってみてくださいね☆音楽に合わせてゆっくりやると効きますよ☆あ、早い動きの場合は頭を床につけないで♪
呼吸を止めずに…鼻で吸って口で吐く、ですよ♪回数よりも精度を大切に…☆
…2~3ヶ月も頑張れば身体が追いついてくるかと。応援してま~す♡(^-^)ノシ ←悩みは汗で流すクチ
じじょうくみこ Post author
>>はしーばさま
こんにちは!いつもコメントありがとうございますー( ´ ▽ ` )ノ
島ライザップ、まじでキツイです(容赦ない・・・)
新婚さんらしいラブラブ感はいったいどこにいったんでしょうか。
日に日にライザップメニューが増えてて
わたしはどこへ向かっているんでしょう、くみこ怖い( ; ; )
じじょうくみこ Post author
>>RMKさま
こんにちは!コメントありがとうございます〜m(_ _)m
そうなんですよね、サーフィンってチャラいイメージでしたけど
とんでもない筋力が必要なようです。。。。
ザビ男が鍛えてくれるのはありがたいのですが、
なにかが足りないような気がしてしかたがない(笑)
じじょうくみこ Post author
>>くるりんさま
こんにちは!コメントいつもありがとございます( ´ ▽ ` )ノ
筋トレのポイント、ありがとうございました!
くるりんさま、ずいぶん筋トレに慣れておられる様子。もしや6パック??
トレーニングして逆に体を痛めないように気をつけますm(_ _)m
ビタミンB2ですね! 豚肉かな?