じじょくみ島民やめます宣言。
えーー
じつは大変お恥ずかしい話ですが、前回は「島にとけこんでる感」を過剰演出してしまったなと、この1週間反省しきりでございました。
確かにバイトにはだいぶ慣れてきましたし、悪天候による食糧不足を乗り切ったりもしましたが、実際のところ新米島民のわたしができることなんて「かろうじてまわりの足をひっぱらなかった」ぐらいのレベルなわけで。それなのにオイ、自分やってやりましたみたいな書き方してオイオイ、なーに調子こいてええかっこしてんだオイオイオイ、と先週の自分にゲンコツしたい気分だから3月5日は謝罪記念日、じじょうくみこです。
カマド一族もいいひとたちなんですよ~ (目泳)
さて。
シマ島に移住して迎えたはじめての夏は、右も左もわからず緊張しっぱなし。ただただ目の前で起きる出来事を、見つめるだけで終わってしまいました。やがて秋が過ぎ冬になり、多少なりとも島の様子がわかってまいりまして、何よりスーパーのバイトを始めたことで毎日に張り合いも出てきたのでございます。
ところが慣れない肉体労働のせいか、はたまた覚えることがありすぎるせいか、休日になると熱が出て寝こむようになりました。またスーパーで何かしらの菌を拾ってしまうのか、風邪をひいてはバイトを休み、復帰してはまた風邪をひき、のくり返し。診療所で薬をもらってもいっこうに治らず、本土の病院に行くはめになったこともございます。
ああ必死だなあ、カラダ。戦っているんだなあ、カラダ。そう思うといじらしさに泣けてしまいそうですが、それでなくても仕事ができないうえに弱っちい自分に嫌気がさして、
女々しくて女々しくて、つらいよ~おお~
本土にいるときは風邪ひとつひかなかったのに、いったいぜんたいどうした、くみこ。
一方。
日を追うごとに島の掟や独特のルールが見えてきて、なんでこんな前時代的なやり方をしているんだろうとか、どうしてこんな非効率なことをわざわざするんだろうとか、不思議に思うことも増えてまいりました。それは同時に「島のルールに適合できてない自分」を発見することでもあり、発見するたび息苦しさを感じてしまうのでありました。
まあグズグズ申しましたけどアレですね、ひとことでいえば
こんなはずじゃなかった
ってやつですね。
たぶんわたしは自分が思っている以上に、自分を過信していたんだと思います。島のことがわからないのは、島のシステムがちゃんとしてないから。様子さえわかれば、うまく立ち回れる。そう信じていたんでしょう。だから、いざいろいろ見えてくると「あれっ? あれっ?おっかしいな、なんかうまくいかないぞ?」とようやく悟るというね。
結婚して島へ移住したのは、いざというとき家族としてちゃんと役に立ちたかったから。大切なひとと一緒に生きていたいと思ったから。それなのにこのままでは役に立つどころか、かえって足をひっぱってしまうのではなかろうか。わたしこんなにダメなひとだったのか、と理想と現実のあまりのギャップに我ながら愕然とするばかりであります。
せめて主婦としてがんばりたいと思うのですが、自分で言うのもナンですが笑っちゃうほど料理がうまくなりません。ザビ男にも「こんなコントのような焦げを作るひと、ほんとにいるんだね」と笑われてしまうていたらくですが、
「お互いができることをやればいい。料理はそのうちうまくなるよ」
と、今日もザビズキッチンが開店しています。
手ごねハンバーグと特製ソース、ニンジンとさつまいものソテーを添えて
ふろふき大根と、きのこの炊き込みごはん
鶏の竜田揚げと山菜天ぷら、大根のかきたま汁
ちくわと野菜とチーズの自家製ピザ
抹茶バウムクーヘンに、抹茶とプレーンのホイップクリーム、フルーツグラノラをのせて
3種の具が入った焼きたてパン
リンゴのコンポートとスイートポテトとカスタードクリームのパイ
ときにはタコ焼き器にホットケーキミックスとあんこを投入して
ベビーカステラ風おやつのできあがり
シェフ・ザビエルの料理は、本当に面白い。
あれとこれとそれでこんな料理を思いつくのかと、新鮮な驚きがいつもあります。しかも、料理の大半ははじめて作るメニューらしく、ザビ男にとって料理は「実験みたいで面白い。食べなくてもいいから、作れるものならいくらでも作りたい」んだそうな。いやーーまさかこんな男が離島に棲息していたとは…。奇跡を見る思いです。
「あるもので、できることを考えればいい。ないものは、作ればいい。」
パンがなければ、焼けばいい。野菜がなければ、採ってくればいい。ファーストフードもおしゃれなレストランもないけれど、「手間を惜しまなければ、おいしいものは食べられる」というザビ男の料理は示唆に富んでいて、いつもハッとさせられます。
そうだったそうだった、よく考えたら派遣OLとして20年ぶりの会社づとめを始めたときも、まったく同じように悩んでいたのだった。ということをザビ男の料理で思い出しました。
そうだそうだ、いっぱしの島民になろうとするからしんどいのだ。ならば「ここは異国、自分は留学生」と思えば、たいがいのことは無問題。こうならいいいのに、どうしてああなの的イライラモヤモヤは、ひとまずあっちに置いといて。
じじょうくみこ、48歳。
離島留学生としてがんばっておりまする~( `ー´)ノ
それではみなさま、シーユーネクストウイーク、しるぶぶれ~。
Text by じじょうくみこ
Illustrated by カピバラ舎
*「じじょうくみこのオバサマー」は毎週土曜日更新です(2〜4月限定)。
パプリカ
ほ〜い、
じじょくみさんは
メチャクチャ頑張りましたですよ!
島民留学生なら
ころ合いをみて
本土にホームリーブなされて
くだされ。
気持ちがリフレッシュできると
いいですね。
それにしても
ザビオさんは
シェフかつパティシエですね💖💖💖
あずみ
じじょくみさん、祝!解脱!
もう大丈夫。
これで島で暮らせますよ。
……偉そうに言ってしまいましたが、
じじょくみさんのお話を読みながら、
「今は台湾人モード」
「今は日本人」
「今夜だけいい嫁」
「ええ、そうですよ私はダメ嫁モード」
などを自在に使い分けられるようになった自分を思う存分肯定しております。
新しい環境と仲良くするのも、新しい人と仲良くするのも、
力を抜いたらできるようになるんですよねえ、きっと。
リストランテ・ザビにいつか行きたいです。
いまねえ
先週の記事ではスーパーの荷下しが懐かしく思い起こされまた。
トラック荷台に乗り込み次々と手渡される野菜達。毎日の仕入れでさえ大騒ぎなのに、船の欠航明けとなればいかばかりの騒ぎか?ジタバタしながら溶け込んでいくのだなと思っております。
思うにシマシマ島民には、なるのではなく
気がついたら、なってた?なっちゃった?
ではありませぬか?シマシマには限りませんが。
にしてもザビ様のスィーツに萌えます。
はしーば
くみこさん、こんにちは。
留学生宣言、ナイスです👍
私もくみこさんと同時期に同じようなジレンマに、どっぷり没入していたようです。
やはり、今の自分のできること、できないことを認められるようになったら、少しだけですがラクに息ができるようになりました。
「頑張らない」って言うほど簡単じゃないけど、くみこさんに倣って私も留学生モドキで行くことにします。←勝手に宣言
okosama
じじょくみさん⁈
島民やめますてオイオイオイオイ!
あ〜。そういうことですか〜。
確か挙式直前にも色々と頑張って、体調を崩されてましたね。更年期と新しい環境との負の相乗効果でしょうか。
ご結婚後、大好きな鉄旅にはお出かけなさいましたか?
一年も経たない新婚さんだし、ゆるゆるお過ごし下さい。
それにしても、毎回ザビ男さんラブが伝わってきますわ♡
島生活の49歳
島に来て20年。今でも「島の掟、なあ〜んも分からないんですぅ」を通しております。
島生まれ島育ちの20歳と同じだけど、こっちは歳取ってるし、覚え悪いのよね〜と言う心の声が込められてます。
周りも「ホントに何にも知らないし出来ないのね(覚える気もないよね)」と思ってくれているので有事の時は「コレはああして、アレはこうして」と言われた事をニコニコとするだけ。
本当に重要な事は旦那の所に話しが行くので何の憂いもございません。
何もしない(出来ない)ので笑顔だけ絶やさずにいます。おかげでホウレイ線がほぼ無いです。
アメちゃん
じじょくみさん!お風邪の具合はいかがですか?
そう。ムリなものはムリ。
できないことはできない。
自分の性分じゃないことを、上手く立ち回ろうとしない。
これにつきますね。
私も昔から、人付き合いがニガテで
大人のお付き合いとか、義理とか恩とか、そういうのを上手く立ち回れないのですけど
そういうときはいつも
「他の惑星から地球に来た宇宙人なのでムリ・・」
と思うようにしています(思うだけですよ^^)。
あずみさんがおっしゃるように
肩の力が抜けたじじょくみさんは、す〜っと島にとけ込むような気がします。
お身体おだいじに。あびやんとー!
じじょうくみこ Post author
>>パプリカさま
こんにちは!お久しぶりですね〜お元気ですか?♪( ´ ▽ ` )ノ
先週久しぶりに上京したのですが、やっぱり旅はいいですねえ。
たっぷりリフレッシュしてまいりました♪
ザビ男の料理&スイーツはおいしいんですが、体重が。。。体重がああああああ(ー ー;)
じじょうくみこ Post author
>>あずみさま
こんにちは!わーいコメント嬉しいでっす( ´ ▽ ` )ノ
「今は台湾人モード」
「今は日本人」
「今夜だけいい嫁」
「ええ、そうですよ私はダメ嫁モード」
なるほど、そのモード変更作戦いただきまっす!
そうかあ、そうですね、別に留学生になりきらなくても
モードを変えればいいですね(都合よく変えられるから便利w)
早速やってみますーー。
あずみさんという先輩が見守ってくださっていて、
じじょくみ幸せ者でございます( ; ; )
これからもぜひお助けくだされ〜〜〜〜。
じじょうくみこ Post author
>>いまねえさま
いまねえさま、ああいまねえさま!コメントありがとうございますう〜♪( ´▽`)
そうなんですよね、どうもわたしは意外にも
「こうでなければ、こうであるべき」みたいな固定観念が強いようです。
なので、気づけば自縄自縛になって自滅・・・というパターンなのかも。
「島民はなるのではない、島民になっているのだ。」名言です!
恋はするものではない、落ちるものだ。みたいな(笑)
荷下ろししている間に気付いたら留学生から島民になってた、となりたいですねえ。
じじょうくみこ Post author
>>はしーばさま
こんにちは!いつもコメントありがとうございまする〜〜♪(´ε` )
そうですか、はしーばさまも同じ状況に陥っていらっしゃったのですか。
もしかして、こういうのはクセみたいなものかもしれませんね。
また同じ穴に落ちないよう、お互い留学生モドキでふんばっていきましょうね♪
「今の自分のできること、できないことを認められるようになったら、
少しだけですがラクに息ができるようになりました」
ああ、それはよかったです*\(^o^)/* まさにわたしも、同じ心境です。
今の自分を受け入れる、というのはなかなか骨の折れる作業ですが
はしーばさまに心のブリーズライトをお贈りしたいです(酸素ばーばー入ってきます)
じじょうくみこ Post author
>>okosamaさま
こんにちは!いつもコメントまめにありがとうございます♪(´ε` )
結婚時のこと、覚えていてくださったとは!
そうなんですよねえ、どうもわたしは適応力が弱まっているようで
ちょっとした環境の変化に体がついてこない〜〜〜〜涙
しかし今回はあんまり風邪をひくので、自分で面食らっちゃいました(ー ー;)
そういわれてみれば、島に来てからゆっくり鉄道旅、してませんでした!
なんてこったい! 気付いたら急に鉄道熱が・・・・
全身の細胞がローカル線の旅をほっしているのがわかります。
で、で、でんしゃにの、のりたいんだなあ。
じじょうくみこ Post author
>>島生活の49歳さま
おおおお!なんと!先輩がいらっしゃったああああ!!
なんという心強いコメントをくださり、本当に感謝いたしますm(_ _)m
やはりそうですか、そうですよね。
島のことわかんないんだよねニコ、でいいんですよね。
そう言われると心安らかになります〜〜〜。
よし、わたしも今まで以上に愛想(だけ)よくして
表情筋をばっきばきにする所存ですd( ̄  ̄)
これからもぜひアドバイスくださると嬉しいですー。
じじょうくみこ Post author
>>アメちゃんさま
こんにちはー!コメント嬉しいです、めるしいぼくう♪(´ε` )
「他の惑星から地球に来た宇宙人なのでムリ・・」
異国どころか別の星からいらっしゃいましたか。
留学生なんて、ご近所すぎましたm(_ _)m
でもやはりこれですね、これ。
みなさま宇宙人になったりモード切り替えたり、いろいろやってらっしゃる(笑)
開き直りって大事ですねえ。
本当、ウジウジ悩んでてお恥ずかしい限りです(ー ー;)
mikity
じじょさん、
なぜか、繰り返し風邪をひいてしまう症状・・・
これこれ、まさに去年、おととしの私と同じです。冬になると、ひとつきに2度も3度も風邪をひいてしまい、直ったと思ったら、ぶり返すのか、はたまた別のウイルスなのか、もう無限ループでした。
直ってもまたひくんじゃないかとびくびくして、ちょっとの寒気やのどの痛みにも過敏にになってました。
やだ~、おんなじやん!
今年はね、大丈夫になりましたのよ。
ダメな自分を認めたら、風邪もひかなくなった。
そう、じじょさんの出した結論と一緒です。
ダメでいいのだ~
これでいいのだ~
こぶ
離島に移住してもうすぐ6年になります。
こちらに嫁に来て40年になる先輩が「島の常識、本土の非常識」とよく笑っています。
悲しいことに「まったくその通り」の出来事に遭遇することの多いこと多いこと。
島の人になろうとすると辛いので、よそものでいいと思います。
出来ることだけ、ボチボチと。
ニコニコと幸せそうにしていたら誰も何も言いません。大丈夫。
じじょうくみこ Post author
>>mikityさま
こんにちは!お返事遅くなってごめんなさい〜コメントありがとうございまっす♪(´ε` )
あの無限ループ、なんなんでしょうかね・・・人生初の経験でした(ー ー;)
びくびくする気持ち、わかりますわかります!
マスクに手洗いうがい、殺菌、のど飴、のどスプレー、なんでもやりましたw
でもおっしゃる通り、わたしも留学生でいいや〜と思った途端に
ぴたりと風邪がおさまったんですよ。
体ってすごいなあ、としみじみ思った次第です。
mikityさまもご無理はなさらず、ね♪
じじょうくみこ Post author
>>こぶさま
こんにちは! コメントありがとうございます〜〜!!
なんとなんと、ここにも先輩がいらっしゃった!
こぶさまのようなお話は、参考になりますし心強いです(^-^)
やっぱりどこもそうなのですよねえ。
地方に行くとこういうことはよくあると思うのですが
島は地続きでないぶん、良くも悪くも違いが大きい気がします。
ニコニコしてればオッケーのお言葉、ありがたいです!
これからは「黙ってニコニコ作戦」でいこうと思います。
またよろしかったら折に触れてお言葉聞かせていただけると嬉しいですm(_ _)m