Posted on 2026年2月17日 by SHOJI
第135回 ひゃくえむ。
『ひゃくえむ。』(2025)。第49回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞受賞。原作は『チ。』でおなじみの魚豊によるデビュー作。監督は『音楽』の岩井澤健治。
生まれながらに才能を持つトガシと努力で実力をつけた小宮を中心に、100m走に懸けたスプリンターたちの物語だ。
==
息があがるほど走りこむ転校生小宮にトガシが出会った小学生時代
負けなしのトガシだが、やがて目標を見失う中学時代
陸上をやめるつもりで入学した近隣の高校で、先輩の二神(ニガミ)と再会し短距離走に戻ることになり、インターハイで小宮とも再会する高校時代
インハイから10年、社会人となりそれぞれのモチベーションを探し走り続けているトガシと小宮。
そしてクライマックスの日本陸上競技選手権大会を迎える。
==
映画は小宮らと出会ったトガシの「今」を軸に描いている。
この描き方(構成)がすっきりとして、気持ちが良い。
原作では小宮や二神らに関する学校でのつらい経験も描かれているのだが、映画では触れていない。それはトガシには見えていない事だから不思議ではない。また、そういったメンタルを追いつめるエピソードを入れると観客の年齢制限が高くなってしまいそうだ。
映画の流れを見て、そんな簡単に翻意したり固執したりすることがあるのか?と疑問に思う人は原作を読むとよい。
==
社会人時代には短距離界に君臨する財津や海棠らベテラン勢が登場し、名言を連発する。「これは若い頃聞きたかった!」と悔しくなる。ほとんど原作のネーム通り。魚豊ならでは、の言葉だ。
とまれ、走ることへの苦悩と渇望は、どの時代でも常に「今」頭の中にある。なんのために走るのかーはたしてその答えはあるのだろうか。
==
この作品の映像センスと音がとても好きだ。
小学生時代のアニメーションが素晴らしい。アニメーターの皆さんて本当に絵が上手い!と思う。
青年時代のロトスコープを駆使した映像は、アスリートのきたえられた筋肉をひろい、なにより連続した衝動のような疾走感をあますところなく伝えてくる。
アニメでは珍しいカメラワークで映された競技場を眺めると、そのスケールとスタート合図までの緊張が伝わる。そして、雨。
==
エンドロールでは、こどもたちからアスリートまでロトスコープ撮影の協力者の名前が載っていて好感度倍増。彼らこそが演者なのだ。
Official 髭ダンディズムのテーマ曲『らしさ』と共に、清々しい余韻が残る映画。
Netflixで配信中。対象年齢は7+。映画を先に見るのがおすすめ。
見た後若い人たちは走り出したくなるようですが、OIRAKUの身なのでそんな衝動は通り過ぎ、「いい競技人生だった」とありもしない思い出に浸っています。
===
冬季オリンピック開催中ですね。
いまこそ第2期絶賛放送中の『メダリスト』をご覧になってはいかがでしょう。
原作はつるまいかだのデビュー作です。めっちゃ絵上手い!














































































