第12回 犬ヶ島
『犬ヶ島』は、ウェス・アンダーソン監督のストップモーションアニメです。第91回アカデミー賞の長編アニメーション部門にノミネートされていて、デジタル配信などでご覧になった方も多いのではないでしょうか。数多の映画評が出ていますので、何を書いてもかぶってしまうかもしれませんが…。
猫神社の扉が開いて、物語のはじまり、はじまり~。ウェス・アンダーソン様式と呼びたいシンメトリーな画面構成。パペットの動きは画面の縦横のみ。これは、凝りに凝った人形劇といえるのではないでしょうか。
==
ドッグ病の大流行を建前に、犬を排除しようとするメガ崎市市長の陰謀・悪政を、愛犬を救おうとする少年と彼を支持する生徒らが告発する、風刺の効いたお話です。パペットの表情と声がぴったりです。メイキングビデオを見ると、声を元に表情を作って撮影しているのですね。パペットの表情は豊かだけれども、毛並みなどの造作や背景も作り込んでいるので、相対的に表情だけ強調されることがなく、見る者のエモーションに干渉しません。これが大人向けと感じるゆえんでしょうか。本作は、いつも一緒だった愛犬が突然連れ去られ、少年が犬ヶ島(追放された犬の島)に救いに行くお話です。犬と暮らしている/暮らしていた人が見ると、抱くのは分かりやすい喜怒哀楽ではないでしょう。例えば、ディズニー/ピクサーの画だと、もっと表情が大きく、見る側がそれに気圧されそう。
声優陣には、『ブレイキング・バッド』のブライアン・クランストン、ウェス・アンダーソン監督作品でお馴染みのビル・マーレイ、スカーレット・ヨハンソン、オノ・ヨーコ、RADWIMPSの野田洋次郎ら有名どころが、並びます。(ウェス・アンダーソン監督の前作アニメ『ファンタスティックMr. FOX』も、ジョージ・クルーニー、メリル・ストリープと豪華でした。
===
動物つながりでもう一本。『BEASTARS』。アニメ化決定とのこと。はやく見たいですね!中島。さんもおススメです!
少年が愛犬を探しにいく道中でかかる『I won’t hurt you』がいい感じです。トップ動画の28秒くらいから始まります。
なんといってもパペットや美術の作り込みが、すごい!私なんぞ、背景をよく見たいがためにBlu-ray Discを入手。さらにメイキングブックを予約してしまいました。モデラ―とかアニメーターとか、そういうお仕事、憧れです。
中島
SHOJIさん
こんにちは。
ぱるさんが描いた娘の似顔絵です。
今となっては、お宝だそうです 笑
SHOJI Post author
中島さん、コメントありがとうございます!
似顔絵って、とり人ですか!笑
去年の主要漫画賞を次々と受賞して、今をときめく板垣巴留ですよ。
うらやましい!
『BEASTARS』の主人公ハイイロオオカミの親友はラブラドールレトリバーで、いいやつなんですよね。
アニメが本当に楽しみです。
saki
犬ヶ島、すごく面白そうですね!
実物を動かしているから、存在感が凄いですね。表情の細かさにビックリです。
BEASTARSも読んだことあります。
原作は独特の空気感がありますよね。
「丘の上のダムキーパー」はご存知ですか?
5分くらいの短編が10話あります。
絵柄は可愛いのに、風刺がきいていて若干ダークな話です。
このオープニングの曲が作中でも流れて、孤独な子豚くんの切なさがたまらないです。
https://m.youtube.com/watch?v=b4W17Nt8vss&t=0s&index=2&list=PLx9e4r-O99BxAY46b5xAdMj9yKrcLBYEN
SHOJI Post author
sakiさん、コメントありがとうございます!
動物つながりで『ピッグ 丘の上のダム・キーパー』ご紹介くださり、ありがとうございます!
NHKでチラッと見たことはありましたが、今回10回連続(DVD1枚)で見ました!
後半になってグンと切なさが加速する 涙
キッズコーナーに置いてありましたが、これはれっきとした大人向けのアニメですよね。
本作は年老いてから見ても心に響くだろうし、まさにOIRAKUのアニメ。
(余談ですが、私は、高齢になると、キッズ向けのような画の情報量の少ない目に優しいアニメに回帰するんじゃないかと予想しているのです。)
コメントを読んでくださる皆様もぜひ、『ピッグ 丘の上のダム・キーパー』をご覧ください!