Posted on by SHOJI
第53回 竜とそばかすの姫
「竜とそばかすの姫」は今月16日に公開されたばかり。細田守監督。スタジオ地図制作。ネタバレにならないよう気を付けて書きますね。
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おとなしい高校生が主人公で、仮想空間が現実とリンクして…というのは「サマーウォーズ」(2009年)とほぼ同じ。だが、役の割り振りを含めて、さまざまな面でアップデイトされていて、とても良かった。
主人公すずは自然ゆたかな地域で(ロケ地は高知県)生活しており、そのアバター(作中ではAs-アズ)であるベルは50億のユーザを擁する仮想空間U(ユー)で歌を披露し、そこで野獣に出合う。
どちらの世界も美しく、すばらしく緻密な映像で、歌姫ベルが仮想空間でコンサートを開くのだが、それがまあ実に絢爛たるもので、息をのむ。たゆたうような歌もすてき。大スクリーンで十分堪能したが、中に入って見たくなる。ぜひ立体視映像化を!。
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この頃の宣伝手法なのか、映画公開と同時に制作陣の談話の類がいっせいに流れる。それらを読むとどうしても忖度した感想を持つことになるので、最初から見ると決めている映画では、予告動画以外の事前情報はシャットアウト。制作側の意図や思いが自分に伝わったかどうかは、見た後に答え合わせ(?)するのが、最近の私のスタイル。そして、本作については、ほぼブレなく伝わっていたと思う。
東映動画(現東映アニメーション)出身の細田監督には、こどもたちが見る夏公開の映画に深い思いがあるという。(ご興味のある方はインタビューなど検索してみてください。)その矜持・信条を確かに感じる夏映画。(すでに大々的に情報が流れていますが)第74回カンヌ国際映画祭のカンヌ・プルミエール部門選出作品。
美女と野獣が思わぬところに帰結する。細田監督作品ナンバーワン。
kokomo
週末に久しぶりに映画館に行ったのですが、「竜とそばかすの姫」のチケットを買う人々を横目にマーベル作品を見てしまいました(子供の希望)。
封切り前の過剰気味の宣伝にかえって見る気が失せることも多いのですが、shojiさんの記事を読んだら「竜とそばかすの姫」はがぜん見に行きたくなってきました。
SHOJI Post author
kokomoさん
早々にコメントをいただいていたのに、お返事がたいへん遅くなり、もうしわけありません!
先週末はいかがお過ごしでしたでしょうか。
終盤の現実パートで現実離れしているように思われるところがあるのですが、それを除けば、素晴らしい!
特に仮想空間は、本当に美しいです!
公式サイトのスタッフのページには、CGキャラクターデザインに「アナと雪の女王」「同2」のメインキャラクターデザインを担当した方、美術監督に「パプリカ」「東京ゴッドファーザーズ」の美術を担当した方の名がありますが、そういった作品のニュアンスを含んだシーンが作中で見られるのもアニメ好きにはたまらないところです。
見ておられない方は、これ幸い。きっと、「何、これ!?」と驚かれると思います!
大スクリーンが絶対おすすめです。