【File №3】姉がロビンソン化しています
Q:こんにちは。
いつも楽しく拝見しています。
姉のことで相談です。
姉は「歌とおしゃべり」を楽しみに生きる60代後半の独身女性です。
毎日元気はつらつと暮らす姿はとてもすばらしいのですが
彼女の家に行くとその「なくてすます暮らしぶり」に驚きます。
家が汚いとか散らかっているのとは違うんです。
それなりに四角い部屋を丸く履く程度の掃除はしています。
モノが少ないので散らかっているわけでもありません。
しかし、かなり長い間風呂のドアは壊れたままで露天風呂化していました。
(いまは、ついています)
お風呂の椅子や手桶は壊れて消えたまま補充なし。
ツルの取れた急須は、本来、ツルがつくべき小さな突起を
親指と人差し指でつまんでお茶を入れはじめて数年経ちます。
(熱かろう。いれにくかろう)。
今回は台所から「おたま」がなくなっていました。
もう、補充すべき「物品」が世界のどこにもないかのような
「間に合わせ生活」「なくてすます生活」。
まゆぽさん、つまみさん。
このままだと姉ちゃんが、ロビンソン・クルーソーになってしまいそうです。
新品の急須を送りたいのですが
そういうことをするとなぜか、ションボリするので送れないままでいます。
しつこくすみません。
さきほどのメールを読みなおしたら
「お金がないのでは?」と思われる文章なことに気づきました。
姉は、お金はあるんです。経済的にゆとりのある超元気な団塊女性です。
以上補足まで。度々すみません。よろしくご指南、お願いします。
(カリーナ)
★まゆぽ:
カリーナさんのお姉さまのあまりのかっこよさに
思わずクラクラしてしまいました。
いやというほどモノが溢れている現代の都会で
お金もたっぷりあるにもかかわらず
ロビンソン暮らしが送れるなんて、
お姉さまには素晴らしい才能があると思います!
「ロビンソン生活セミナー」を開いて講師を務めるべきです。
断捨離もミニマムライフも、世の女たちの憧れですから。
きっとたくさんの生徒が集まります。
でも、もうお姉さまはお金はいらないし、
モノもいらないんですよね。
生徒さんから謝礼として何を集めましょう?
もう欲しいものなんか何もないって
究極の贅沢かもしれません。
あれが欲しいけど手に入らないってところに
あらゆる悩みの根源があるわけですから、
何もいらない人には怖いものはありません。
うわあ、お悩みに答えるじゃなくて
大絶賛大羨望大会になってしまいました。
どうしよう、つまみちゃん。
★つまみ:
どうしようっつったってね、あーた(笑)
私も基本的にはまゆぽさんに同感なんだけど
あえて違う方向から考えてみるね。
妹としては、姉がロビンソンな生活に慣れっこになることで
急須のツルやおたまと一緒に、人生の「なくても死にゃーしないが
あれば悪くない日々の生活の滋味のようなもの」もこぞってなくなりそうで
残念というか、淋しいんじゃないでしょうか。
確固たるポリシーがあるわけじゃないのに壊れても直さない、とか
欠落や破損も見慣れればどうとも思わなくなるって
たくましくてあっぱれでもあるけれど
その傾向が強まってきたとしたら、ちょっと心配だよね。
でも、元気はつらつに暮らしていて
補充されることに傷つくようなら、やっぱり「よけいなお世話」なのかなあ。
迷うところだけど、自分の容貌容姿に対してはロビンソン化してないのであれば
それはもう本人の歴然とした取捨選択の結果かなあと思います。
お姉さんの家に人を招くように画策する っていうのはどうですかね。
特別なことはしなくていいけど、いい機会だからこの際
急須は替えて、おたまは買っとこうよ、みたいな。
ふたりで、古き佳き高級日本旅館に泊まって滋味にどっぷり浸かってみる、のはどうだろう。
たとえ、日常に戻ったら相変わらずでも
手に心地よくなじむ急須や湯呑、本当の露天風呂(?)で
お姉さんの中の仮死火山が休火山になるかも。
あ、「友達なんだー」と、tsukimachiさんのお店に一緒に行くのはどお?
★まゆぽ:
なるほど〜。
説得されるわ、わたし。つまみちゃん、偉い。
高級日本旅館にお泊まり案、いいわあ(単に自分が行きたいだけ)。
で、あこがれてばかりいないで考えてみたよ、わたしも。
壊れた急須やおたまをもらってきちゃうっていうのはどう?
「すてき〜、風情があるね、この急須。欲しい!」とか言って。
なければ困って買う…いや…買わないかもね。
お姉さまは喜んで急須やおたまのない暮らしを楽しんじゃう可能性大だわ。
う〜ん。
そうやって突き詰めていくと、何が「どうしても必要なもの」として
お姉さまの家に残るのだろうかに、めっちゃ興味わくね。
やってみたいね。
あ〜いかんいかん。解決方向に考えなくては。
やっぱり、ここは率直にお姉さまと話し合う手じゃないでしょうか。
お姉さまのロビンソンライフが妹としてこのように気になっていることを
ちゃんと伝えれば、納得のいく着地点がみつかるかもしれません。
なんて、わたしだったらカンタンに
お姉さまに説得されちゃうんですけどね、たぶん。
★つまみ:
まゆぽさん、おたまはもうないんだってば(細かいところだが気になる)。(←あそっか by まゆぽ)
私もカンタンに説得されちゃうな、きっと。
でも、カリーナさんも「なるほど~」と説得されるんだとしたら
もうお悩みではなくなるわけだから試す価値あり。
と言いながら、私はあらためて「しょんぼり」が気になる。
お姉さんはやっぱりそっとしておいて欲しいのかなあ。
話が最初に戻っちゃうけど。
まゆぽさんと私、姉妹がいないから
姉と妹の微妙な心理に疎かったりする?
でも、こういうお悩み、なんかちょっとうらやましかったりしない?
自分を鑑みると
身のまわりの備品消耗品なんてどーでもいいや、と自堕落になるときと
若くもお金持ちでもないからむしろ、つましくもちゃんとしたいと思うとき
両方が人生に登場します。
ってことで、高級旅館に行きたい(あらららら)。
★まゆぽ:
するする、うらやましかったりするする。
男兄弟って大人になるとほんとに話することないよね
(つまみ家とうちだけ?)。
わたしも身の回りのもの、どんどん捨てたいよ。
でも、ものに「魂」感じちゃうのよ。
せっかくおたまとして生まれてきたのに
その役割をまっとうせずに捨てられたらかわいそう…なんて思うわけ。
お姉さまがしょんぼりしちゃうのはそういうこともある…かな?
ま、とにかく今回は高級旅館に行きたい!ってことで(それか)。
byまゆぽ&つまみ
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