あずみの台湾レポート「やっぱり紅が好き!フォルモサの女たち」(12)〜赤にもいろいろありまして
さて、残すところあと2回。
いよいよ「紅」に迫ってみたいと思います!
日本語では この色→■は「赤」と言いますが、中国語では「紅」と言います。中国語にも「赤」という言葉もありますが、特別な意味もあるので、色を表すときには「紅」を使うことがほとんどです。
このタイトルにも「やっぱり紅が好き!」と入れているとおり、
こちらの方々は本当に「紅」がお好きでいらっしゃる。
どれくらい好きかというと
実は私、フラワーアレンジメントもしますし、中国結びも中国切り絵もやったりします。日本人の器用さを前面に押し出して、そつなくこなすんですが、フォルモサレディーに私が作ったものを見せると、必ずと言っていいほど、色使いについて指摘を受けます。
「あんたっ! もっとはっきりした色使いなさいよ!」
これはまだいい方。
極めつけは
「あんたっ! 赤がないわよ!
赤いもの作りなさいよっ!」
ひーん。
売れようが売れまいが、赤い物は作らないとだめのようです。
しかし、「赤」と一口でいっても、いろいろあるんですよ。
日本古来の「赤」にもいろんな色と呼び名がありますよね。朱色も「赤」とは少し違いますもんね。微妙な違いを大切にしてきた証です。
ここフォルモサでも、いやいや、中華圏でも、たくさんの種類の「紅」があります。
台湾版のYahoo知恵袋から抜粋
中國紅.台灣紅.正紅.法拉利紅.火紅.橘紅.蘋果紅.櫻桃紅.大紅.玫瑰紅.
暗紅.桃紅.粉紅.豬肝紅.酒紅.磚紅.烈紅.夕陽紅.血紅.危險紅.朱紅.豔紅.
胭脂紅.赤紅.洋紅.茜紅
4番目にある「法拉利紅」は「フェラーリの赤」です。そんなところまで分類されているとは知りませんでした…。
ちなみに、中華圏でおめでたい場面で使われる赤は「大紅」と呼ばれています。
右が「作りかけの中国結び」、左が「宿題やってない中国結びの紐」……
ではなくて、右が「大紅」と言いたかっただけっす。
お年を召された方は、何でもかんでも「大紅」が基準となるようですが、最近の人は、洋服やアクセサリーなどにあの赤を使うのは避けているような感じです。(古い感じがするんですって)
それでも、どの世代でも「紅(赤)を基準にした色」がお好きです。
じゃあ、どのあたりの色かというと、
色カラーさんからお借りしてきました。
このオレンジから紫のあたりをお召しになっている人が多い。
日本だと、その逆のところ(オレンジから寒色系を通って紫あたりまで)を選ぶことが多いと思います。そしてそれをさし色に使うことが多いのではないでしょうか。
しかーし、こちらはちょっと違いますよ。
トイレットペーパーの始末も大胆なら、色の使い方も大胆ですよ。
(↑どんな関係があるっていうのよ というフォルモサレディーの声が聞こえてきそう)
お好みの色(オレンジ〜暖色系〜紫)を、メインで攻めてくる人がけっこう多い!
しかも同系色で全身コーディネートってのをかなりの頻度で見かけます。
そりゃあね、こちらの人にしてみれば、「日本人は、全身黒か茶色とかの同系色じゃん」とか思われてるんでしょうけど。実際に私は、「あんたの洋服には色がないね。おしゃれ、好きじゃないの?」と言われたこともあります。
えーん。
おしゃれは得意じゃないですが、これでも地味な色合いでコーディネートしとるつもりなんすよ。
ほら、胸元に薄いペパーミントグリーンが…… とか、
ほら、シャツが淡いブルー…… とか
と訴えたいが、「薄い」「淡い」は、こちらでは色なしと同じなのかも(涙)。
この連載の機会をいただいて、私はじっくりと観察しました。
そして、
私は気づきましたよ。
四十にしてやっと気づきましたよ(正しくは42歳と3ヶ月)。
脳内はなぜか尾崎豊の「19の夜」と論語の一部「四十にして惑わず」が充満中。
同系色だけでコーディネートするってのは、
無難だけど、パッとしない。
私のこれまでのお洋服、
黒とか茶系とかだったから、「ぱっとしない見た目」が目立たなかっただけで、
赤とか緑とかで同じようなことやると、こりゃぁとんでもないことになるぜ
ってことに、この冬気づきました。
街角ウォッチングで気づいたことがもう一つ。
「色味がありゃいいってもんじゃないんだね」
これについては、次回、詳しく。
それでは下次見!
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あずみさんのプロフィール:
長崎県出身、現在は台北在住。40代前半。
職業:あるときは日本語教師、またあるときは編集者、またまたあるときは主婦
家族:台湾人の旦那+台湾人の義父母、ノラ出身の猫3匹
環境適応能力を遺憾なく発揮し、ほぼ現地化完了(語学は除く)。
台湾レディー事情を地元民&日本人の目線からレポートしたいと思います。
「色」に注目するだけで、こんなに違いが見つかるんですね!台湾の観光地の写真などを見て感じていた「色彩の風景」のナゾが解けるような気がしました。
それにしても結論が、おもしろい(笑)次回はいよいよ最終回です。名残惜しいなあ。コメントもどうぞ、お寄せくださいね。(by カリーナ)
これまでのあずみさんの台湾レポートは→★
サヴァラン
中國紅.台灣紅.正紅.法拉利紅… 「紅」の色名、おもしろいですねー!
「中国の紅」と「台湾の紅」は違うんだー。「豬肝紅」「危險紅」って??
法拉利=フェラーリ うわー楽しいですー!
わたし、先週来 おトイレに入ると「馬桶」という漢字が浮かびます。
中国紐!うちにもあります!中国の方からいただきました。
房のところに翡翠の飾りが下がっていて赤と緑がとてもきれいです。
そうそう、この方が下さる年賀状(グリーティングカード)も
毎年真っ赤×金でインパクト大です。
「おめでたい!!」感じがダイレクト。書かれている内容もダイレクト。
おはなしを伺っていると
フォルモサレディーはやっぱりダイレクトがお好きのようですね。
あずみ
サヴァランさま>
中国の赤と台湾の赤、違うらしいですねー。ひょっとするとですけど、中国の赤は国旗の赤ではないかと。もともと中国の方では、おめでたいこと以外に政治的な色を示してるから、よけい特別で、台湾からしても余計に区別したいのかもしれないですね。
猪肝紅は、豚のレバーの赤という意味なんですけどねぇ。。。どこで使うんでしょうかね。
危険紅はどんな赤ー!使い分けてるとも思えないですが。。。
2014年の旧正月は、1月末からなんですよ。12月はまだまだ年末ムードじゃないんですが、12月の大晦日あたりから、例の赤×金の世界になりますよー!