4月26日はカレー記念日

カレー記念日

背中痛い 言われてのみこむ 私もよ

4月26日はカレー記念日

Jane

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カレー記念日とは?

加齢を実感したら、それはカレー記念日。
抗ったり笑い飛ばしたりしながら、毎日華麗に加齢していきましょう。

あなたのカレー記念日も、教えてください。
五七五七七形式で、下の句は「○月○日はカレー記念日」なので
上の句の五七五だけ送ってね!

日付は掲載日に変えさせていただきます。

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50代、男のメガネは

50代、男のメガネは近視と乱視とお手元用  ~ 写真の中の記憶。記憶の中の写真。

 

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写真の中の記憶。記憶の中の写真。

 

子どもの頃の記憶というのは恐ろしいものだ。僕がまだ小学生の低学年の頃に見た、僕自身の写真アルバムのあるページが記憶の中にきれいに残っている。

 

僕が子どもの頃に見た、僕自身の写真アルバムということは、僕がこしらえたアルバムではない。母にはそういう趣味はないので、十中八九、父がこしらえたものに違いない写真アルバムである。

 

なぜ、そのアルバムを覚えているのかというと、どうもどこかの島へ向かっているフェリーの中で撮られた写真のようだったからである。まだ、幼稚園にあがるかどうかの僕がまぶしそうな顔をしながら、フェリーの甲板で遠くを指さしている写真だ。当時の僕は男の子のご多分に漏れず、乗り物が好きだったようで、フェリーや電車や車に乗るとうれしそうに笑っている写真が多くなる。

 

そのアルバムの、その見開きのページに貼ってあった数枚の写真はすべて、フェリーの上で撮られた写真で、だから全部が気持ちよく笑っている写真ばかりだった。子供心に、その気持ちよさそうな表情が印象深かったのだろう。たびたび、アルバムを引っ張り出してはそのページばかり眺めていた記憶がある。

 

そして、もう一つ覚えているのは、その中の一枚に父の手書きのコメントが添えられていたことだ。そこには『おとうちゃん、あれば?と聞いている』と書かれていた。

 

「おとうちゃん、あれはなに?」と僕がその時に聞いていたということだろう。ごく普通の言葉だからこそ、なぜ父がそのコメントを書き付けたのかがよくわからない。三歳程度の僕の写真をアルバムに貼り、コメントを書き付けた父は、当時まだ三十代になったばかりだったろう。もしかしたら、二十代か。

 

小学生だった僕がそのアルバムを見つけてからでも、すでに40年以上が過ぎたが、もうその真意を亡き父に聞くことは出来ない。そして、不思議なことにそのアルバム自体がない。実家のどこを見ても、僕が確かに記憶しているアルバムがないのだ。いくつかのアルバムは残されているし、あのアルバムにあった写真が貼られたものもあるのだが、「おとうちゃん、あれば?と聞いている」と書かれた写真が見あたらない。

 

もしかしたら、と今これを書いていて思ったのだが、父はあのコメントが突然恥ずかしくなったのではないだろうか。書かれたコメントそのものが恥ずかしいと言うよりは、それを書き付けた自分が恥ずかしくなって、アルバムからあの写真を剥がし、コメントを消してしまった。ということは考えられないだろうか。

 

かつてそのコメントを書いたときの自分よりも歳をとった息子に、読まれたくなくてコメントを消してしまったのではないか。そんな気がしてしかたがない。

 

「そんな写真があったよね」と母に聞いてみようと、一瞬思ったのだが、まあ、これはこれで、謎のまま、僕のなかの記憶のままでいいのではないかと、そのままにしている。

 

 

 

 

植松眞人(うえまつまさと) 1962年生まれ。A型さそり座。 兵庫県生まれ。映画の専門学校を出て、なぜかコピーライターに。 現在、オフィス★イサナのクリエイティブディレクター、東京・大阪のビジュアルアーツ専門学校で非常勤講師。ヨメと娘と息子と猫のマロンと東京神楽坂で暮らしてます。

 

★これまでの植松さんの記事は、こちらからどうぞ。

 


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コメント、ありがとー!

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    あ き ら

    ぼんやりしたままの方が、余計に心の残ってしまうということがありますね。記事を読ませていただいたワタシまでもが気にかかったままで忘れないような気すらします。アタマに思い浮かんだ、ご機嫌な植松少年の写真。お父さまが植松少年を愛おしく思っていらした上に今の植松さんがあるのだから、他はどうでもいいことでもあり。

    この前、じぶんちにふと思い出したことを書いたんです。事実なんていうものは嘘でないとしても、どこを切り取るかでまるで違うものになってしまう。もしかして物事に真偽の境など無いのではないか。もしも何か間違ったかたちで記憶を残してしまったとしても、誰に迷惑をかけるわけでなしとも思いました。

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    花緒

    興味深く読ませていただきました。
    自分が思っていた事に似ているような感じでした。
    写真ではないので、ちょっと違うかもしれませんが…。
    3~4歳の頃、家族で出かけた時、急に都電に乗ろうという事になったみたいで、走っている都電を追いかけて、電車が駅に着いた時、父が追いつきました。
    その後母と姉と私も追いついて、電車に乗る事ができました。
    その話を今から何年か前に母に話したら、母は結婚前に通勤で都電を利用していた時の事しか覚えていませんでした。
    姉は、新宿に出かけるたびに、都電を見ては乗りたいと思っていた事しか覚えていませんでした。
    父はその時脳梗塞になっていたので聞けませんでした。
    私はたった一度だけ乗った事を覚えていたんでしょうか?
    と、自分の話をうえまつさんのブログのコメントに書いてしまいましたが(^^ゞ
    つまり、楽しかった思い出の光景を記憶しているという事は幸せなんだと思いますが、同時に他に共有している人がいないのが少し寂しいんです。
    でも、自分の中の思い出として大切にすればいいんですね。

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    uematsu Post author

    あ き らさん
    もう、なにもはっきりさせない覚悟で生きていこうと思います(笑)。

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    uematsu Post author

    花緒さん
    ひとつのことを巡って、家族の記憶が食い違う、というのは、本当に面白いですよね。
    それをテーマにした小説を以前書いたことがありました。
    事実はひとつなのに、なぜ記憶が家族の人数分あるのか(笑)。
    いやはや、人間て面白い。

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