6月19日はカレー記念日

カレー記念日

言わないで 動かざる者 食うべからず

6月19日はカレー記念日

中島。

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カレー記念日とは?

加齢を実感したら、それはカレー記念日。
抗ったり笑い飛ばしたりしながら、毎日華麗に加齢していきましょう。

あなたのカレー記念日も、教えてください。
五七五七七形式で、下の句は「○月○日はカレー記念日」なので
上の句の五七五だけ送ってね!

日付は掲載日に変えさせていただきます。

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50代、男のメガネは

根が暗いのと、性根が悪いのは、違うのさ。

 

僕の若い頃に、「ネクラ」という言葉が流行語のようになった。少しでもネガティブなことを言うと「ネクラだねえ」なんてはやされる。つまりは、「お前は根っこが暗い」ということなのだが、「ネクラ」という単語が出来てしまうと、人はそれを多用したがる。誰かを見ると「ネクラ」か「ネアカ」(根っこが明るい)かを判断して、なんとなく人を見極めているような雰囲気を醸し出して、その場を盛り上げたり、笑いを誘ったりするわけだ。

 

その頃、僕は自ら積極的に「僕はネクラなんで」と言い訳をして、高校の運動会のフォークダンスをサボろうとしたり、明るくみんなで遊ぶということを放棄して、映画を見たり、数人の仲間と部屋にこもって音楽を聴いたりしていたのだった。

 

ただ、いまになって思うのだが、「ネクラ」というのにも、いろいろあって僕は本当に人としての根っこが暗いわけではない。どちらかというとネガティブな発言をしたり、シニカルなものの見方をしてしまうけれども、未来には希望を感じている。ものすごく明るい人から比べると、その希望はちっぽけなものかもしれないけれど。

 

ということで、僕は実は「ネクラ」を気取っている「ネアカ」なのである。というか、少なくとも決して暗い人間ではない。浮き沈みもあるし、時にはアンニュイな気分になって、退廃的な物言いをしたりはするけれど、その多くは未来に対する希望を感じていたいからこその絶望感から来ているのであって、根っから「どうでもいいのさ」と思っているわけではない。

 

しかし、根っこがどうあれ、ネガティブは発言やデカダンな態度をとっていると、「ネクラ」な人が寄ってきがちである。その多くは僕と同じように、本当は明るいんだよ、という人なのだが、中には真性のネクラがいる。そして、僕という人間はそんな真性ネクラに好かれるらしいのだ。

 

これはもう、そういう人たちに苦労させられてきた僕の独断と偏見なのだが、というか、独断と偏見で断罪してもいいくらいに、僕は真性ネクラ人間に苦労させられてきたのだ!!

 

いやまあ、落ち着こう。はあはあはあ。

 

改めて、独断と偏見で言うのだが、真性ネクラ人間のほとんどが、歳を重ねるにつれて、単なるネクラから、性根の悪い人間へと変貌していく。ただ、世の中を憂いているだけの人間だったはずなのに、いつの間にか、人を羨(うらや)み、妬(ねた)み、嫉(そね)んでしまう人間へと変貌していくのだ。

 

これはもう、ほぼ間違いなく、かなりの高確率で。まれに、単なる真性ネクラのままという人もいる。でも、そういう人は「自分はネクラでいいんだ」という覚悟があるんだろう。決して人を羨んだりしない。僕が恐れるのは、人を羨み、ねじれている人たちだ。

 

そして、たちの悪いことに、そういう人たちは、自分で人を羨んでいることにほぼほぼ気付いていない。むしろ、「自分は人を羨んだことなんてない」と思い込んでいたりする。ああ、恐ろしい。そんな人間などいるはずがないのに、「自分は人を羨むような人間ではないんです。なんというか、等身大で自然に生きていければいいんです」なんて、意味不明なことを言ったりする。等身大で生きるってなんだ。自然に生きるってなんだ。そんなもん、そうしようと思ってできるこっちゃないだろう。

 

どちらにしても、ネクラは決して悪いことじゃない。まあ、ほんとはノー天気な馬鹿が世の中を変えていく気はするけれども。だけど、ネクラがネクラに甘えて、なんとなく寂しさや絶望感に寄り添いすぎると、心根が腐っていく。そんな気がする。そうじゃないのかもしれないし、そうじゃない人もいるかもしれないけれど、かなりの確率でそうなってしまう事例を見てきたような気がするのだ。

 

寂しさや絶望など、ネガティブな感情に身を任せるのは、心地良いのだそうだ、人間て。まあ、心中事件なんて、その最たるものなんだろう。互いに絶望している男女が、それぞれのネガティブな感情に身を任せ、しかも、互いの心や体にも身を任せて、「もう、何もかも捨てて」とあの世に行くのだから、実はこんなに心地良いことはないのかもしれない。実際に、生物学的な生き死にの瞬間に得も言われぬ苦しみがあるとかはしったこっちゃないのだが。

 

ほんとに死なないまでも、いまどき、都会の真ん中には、小さな部屋に引きこもって、仕事もままならず、だらしない暮らしから抜け出せず、互いに傷の舐め合いをしているような男女もたくさんいるだろう。そんなのは、いわば、緩慢な心中事件じゃないかと思うこともある。

 

ただ、本当にそこから抜け出すことがままならない場合もあるだろうから、一概には言えないのだけれど、同じように絶望や悲しみや寂しさに寄り添ってはいても、そこに引き込まれないために必要な何かがあるだろうと思うのだ。

 

明るいネクラや、健全なネクラで居続けられて、決して、性根の悪い人間にならないようにするための何か。それはなんなのだろう。ひとつは「誇り」とか「尊厳」とかいうもののような気がしているのだけれどどうだろう。でも、それだけじゃないのかもしれない。なんだろう。まだ、よくわからない。

 


 

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植松眞人(うえまつまさと) 1962年生まれ。A型さそり座。 兵庫県生まれ。映画の専門学校を出て、なぜかコピーライターに。 現在、神楽坂にあるオフィス★イサナのクリエイティブディレクター、東京・大阪のビジュアルアーツ専門学校で非常勤講師。ヨメと娘と息子と猫のマロンと東京の千駄木で暮らしてます。

★これまでの植松さんの記事は、こちらからどうぞ。

 

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