第133回 迷宮のしおり
オリジナルアニメなのに不思議と原作小説の存在を感じる作品があります。(一般論ではありませんよ!)
河森正治監督の最新作「迷宮のしおり」が、そう。こんなライトノベルがあってもおかしくないと思いました。
舞台がちょっと先の未来で、若者が主人公で、SFだけれどもゴリゴリのハードSFでなく、思春期の過剰に揺れる心理をテーマにしているけれども専門的な深堀りはせず、突飛な出来事は起こるけれどストーリー展開に無理がない、明るいほうを向いた終わり方に納得がいく、平易な文体の小説、みたいな。
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本作は、発信した動画のコメントやいいねに囚われた女子高生が、スマホの中に閉じ込められてしまい、あわや現実世界にもどれなくなる…というお話です。いや、戻れるんですけどね。
自分を見失った者たちが集まるスマホの中の世界は結構ホラーで、SNSは見る専門の私などは「あなおそろしやネットの圧力…」と素直に怖かったです。
かといって終始深刻なわけではなく、変形ロボが登場し「自己受容ビーム」を発射するなどくすっと笑えるシーンも多い。
当たり障りのない返信スタンプ。建前で付き合う幼ななじみ。気づいていないふりをする恋心。本心を隠すかのようにあきらかに記号的に描かれたキャラクターたちの仕草や表情。
そして、自分の「本当の気持ち」に向き合うことや、どうすれば健やかな心を保つことができるのかー大切なことをどの程度の重さで伝えるかの絶妙なさじ加減。
(あるはずのない)原作から抽出して、これらの表現にたどり着いたような気がしてくるのです。言い換えれば、目にするのがライトな表現ゆえに、逆に行間を読もうとしてしまうのです。
ただ河森監督は同世代で、シニアから見た若者の様子を描いているのかとも思うのです。実際はどうなのか若者たちに聞いてみたいところです。
主役の声は、新しい学校のリーダーズのSUZUKA。彼女の歌唱も聞けます。
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第46回日本SF大賞、最終候補作品にTVアニメ「アポカリプスホテル」がノミネートされています。
こちらもオリジナルだけれど小説がイメージできる作品です。シリーズ化してほしい。
オープニングは黒鍵のaikoによる「skirt」。
BS12トゥエルビにて毎週木曜深夜26時からTV放送中
アマプラ他で配信中です。
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と、通常どおり始まりましたOIRAKUのアニメ、
みなさま、今年もよろしくお願いいたします。

















































































