グルメなケア : たまごご飯
我が家の忘れん坊将軍、今月からデイサービスに
通い始めました。
ずっと利用して慣れてきたはずのショートステイに送り出すのも大変なのに
なぜ更にデイサービスを追加したのか?
お風呂です。
<はぁ、ビバのんのん>
将軍様、お風呂に入りません。
認知症あるあるですね。
お風呂に入るという概念がなくなってしまったわけではなく、
時々思い出したように
「もう何か月もお風呂に入ってない」とか
「うちのお風呂はいつまで壊れてるの?」などと言うのですが
「お風呂の修理が終わったので(ウソ)入りましょう」と私が言うと
「こんな状態でお風呂になんて入れません」
「お手伝いしましょうか?」と言えば
「私をバカにしているのですか?」
こんな会話が、実際はもう少しきつ目に繰り広げられるわけです。
ああ、このまま週一入浴で夏に突入してしまったらどうなることやら。
そんな時、ケアマネージャーさんが
「ショートステイでは入浴していますよね。自宅で入らないなら外で。
デイケアを1日加えてみませんか?」
というわけで、ショートステイを追加することになり、
ケアマネージャーさんと一緒に「ここなら…」と選んだ施設と
契約することになりました。
契約当日、施設の担当者さんが契約書類と共に施設の資料を色々と
持って来てくださいました。
予約をすればカットだけでなく、パーマやカラーもやってくれる
訪問美容サービス。
『おとなの学校』*を含む盛りだくさんのレクリエーション。
そして、特筆すべきはランチ!
一か月分の献立表を見ると、通常のランチもなかなか魅力的な上に
週に一度、曜日を変えてプレミアムランチなる日があります。
とある日のプレミアムランチ献立…
チキンステーキ、エビフライ、ビーフメンチ、
コーンクリームスープ、茹で野菜サラダ、ご飯、デザート。
高校球児の晩ご飯かよ?!
そして、3時のおやつはクリームコンフェ。
何? ねぇ、クリームコンフェって何?
<見よ、これがコンフェだ!>
デイサービス初日を終えて、担当の方から連絡がありました。
将軍様、「美味しい、美味しい」とランチを平らげたそうです。
そりゃあそうでしょう。
献立表を見てみると、その日のランチも美味しそうだもの。
何なら私が行きたいよ。
これを家のご飯と比べられちゃったら困るけど、
帰ってきたらもう忘れてくれているのがありがたい。
忘れるは不便だが役に立つ、ってものだ。
それにしても、今どきの高齢者施設ってすごいものです。
そんなゴージャスなランチのことも忘れてしまう将軍様ですが、
先日ふとこんなことを言いました。
「あなたたちが小さかった頃、よく卵ご飯を作ったわよね」
そうだ!
私が小学校に上がる前、将軍様はよく朝ごはんに卵ご飯なるものを作ってくれたっけ。
卵かけご飯ではなく、甘くて柔らかい炒り卵をご飯に絡めた卵ご飯。
「貧乏だったからねぇ」。
えっ?あれ、貧乏が故のご飯だったの?
甘くてふわふわの卵ご飯は、子供の私にとってはご馳走だったけど…
というわけで、味や雰囲気を思い出しながら作ってみました。
『たまごご飯』
- 卵をボウルに割り入れ、砂糖、白だし、醤油を加えてよく混ぜる。
子供向けに作られたものだったので、母のレシピは甘味が強い
味付けでした。白だしの塩分、醤油の香りが甘さを引き立てる
配分で味を見ながらお好みで加減してくださいね。
ただし、味は強めに。ご飯と混ぜ合わせた時に味がぼんやりと
してしまいます。 - 深さのある鍋に油を少々引き、火にかけます。
- 2の鍋に1の溶き卵を入れ(鍋を熱し過ぎないこと)、ゴムベラなどで
大きくゆっくりと混ぜます。 - 3の卵が、3割固まり・7割液状の状態になったらそこへご飯を
加えます。
ご飯は暖かくてもお冷でもどちらでも構いません。 - ご飯に卵が絡むように大きく混ぜ合わせます。
- 卵がご飯全体に絡み、
『もう液状ではないけどぽろぽろでもない』という状態に
なったら出来上がり。
都会はどうなのかわかりませんが、田舎ではショートステイやデイサービス・ケアを
提供する施設が乱立気味です。
競争に勝つには、色々な面でケアの質を上げなければならないのでしょう。
これがいい方向に動いて、どの施設でも利用者や介護者の立場に立った
サービスを提供するようになってくれるといいのですが。
ミカスでした。
*『おとなの学校』
高齢者施設、有料老人ホーム、病院などで実施されている高齢者向けメソッド。
時間割を作り、テキストを使い、国語、音楽、理科などの授業を行うという学校形式の
アクティビティです。研修を受けたスタッフが先生となって指導します。
母の場合、遊びに近いレクリエーションに興味を示さないため、
そういう活動が多い施設には通いたがらないだろうなぁ(でも、そういう施設は多い)と
悩んでいたのでいましたが、ある日、ケアマネージャーさんが『おとなの学校』の資料を
持ってきてくださいました。
その資料にあったこの言葉
「高齢者は、遊びたいんじゃない。学びたいんです。」
この言葉が決め手で、『おとなの学校』を実施しているデイサービスを選びました。