11月22日はカレー記念日

カレー記念日

落ちてゆく 枯葉のごとし 抜け毛かな

11月22日はカレー記念日

Jane

投稿はこちら

カレー記念日とは?

加齢を実感したら、それはカレー記念日。
抗ったり笑い飛ばしたりしながら、毎日華麗に加齢していきましょう。

あなたのカレー記念日も、教えてください。
五七五七七形式で、下の句は「○月○日はカレー記念日」なので
上の句の五七五だけ送ってね!

日付は掲載日に変えさせていただきます。

みんなのカレー短歌 一覧 >>

ゾロメ女の逆襲

【月刊★切実本屋】VOL.24 読んでから見るか、見てから読むか

 

その昔、「読んでから見るか、見てから読むか」とい言葉が一世を風靡した。ある年代にとっては言わずもがな、角川映画第一作「犬神家の一族」のキャッチコピーである。

原作と映画をタイアップさせ双方の相乗効果を狙い、大量のCMを流し、画像や音楽を見る者の脳裏に焼きつけ、サブリミナル効果を発生させるかのような角川商法は、しばらく映画界と出版界(たぶん)を席巻し、当時の世相や時代の空気にすら影響を及ぼしたような気がする。若くて単純だった私ももちろんその例外ではなかった。

なんだかんだ言って、いくつもの角川映画を見たし、本の方も、横溝正史はほとんど読み、平井和正のケレン味いっぱいのアレや、栗本薫のジャズ小説や、大藪春彦のあんなもの(!)まで読んだ。角川映画だから、というわけでは全然ないのだけれど、いまだ、自分のマイベスト邦画は原田知世主演の「時をかける少女」だったりする。

 

あ、話が角川商法問題(問題なのか?)になっちゃったが、書きたかったのは「読んでから見るか、見てから読むか」についてである。

今まで、読んだ小説が、その後映画化されて、結果的に「読んでから見る」ことになるのはよくあったが、「見てから読む」ことはほとんどなかった気がする。

いくら、小説と映画は別物だとは言っても、映画で堪能したものをいまさら小説で読もうとは思ったことはあまりないし、逆に、つまらなかった映画を見た後、「原作は面白いのかも」になったこともない。

ところが、今回は、めずらしく、2013年にWOWOWで4回にわたって放送されたドラマ「パンとスープとネコ日和」の原作の方も読もうと思っちゃったのである。

このドラマ、ご存知の方も多いと思うが、乱暴な言い方をすると「かもめ食堂系」である。主演のアキコ役の小林聡美や、脇を固めるもたいまさこを筆頭に、「かもめ食堂」とそれ以降に制作された「めがね」「プール」「マザーウォーター」などと、キャストやスタッフがかなりカブる。フードスタイリストはもちろん飯島奈美さんだし、光石研、加瀬亮などの男性陣も、もはや常連と言っていい。

作品のトーンも似ている。大きな事件は起こらない。…いや、「パンとスープ…」ではしょっぱなにアキコの母が急死するのだから、これはまぎれもなく大きな事件なのだが、それをことさら叙情的には描かない。要するに、泣いたり喚いたりしないのだ。「かもめ食堂」もそうだった。

 

…なんか、好意的に書いていないかのようなこの文章だが、私、ドラマ「パンとスープ…」は大好きで、もう何回見たかわからない。特に、気持ちがささくれたり、トゲトゲしたり、やさぐれたり、刹那的になったとき(←全部同じ状態?)に見たくなる。そして、少し穏やかな気分になって「最悪な気分はずっと続くわけじゃない…ってことにしておこう」と思う。

まさに作品の醸し出す雰囲気の思うツボじゃないかと思ったりもする。もう全然若くないのに、角川商法にまんまと乗せられた単純な私は、今もご健在(!)なのである。

そして、あんまり繰り返し見たので、珍しく「原作はどうなんだろう。原作を読めば、ドラマにももっと楽しめるんじゃないか」という心持ちになって、群ようこさんの小説の方を読んでみた。

 

 

結論。群さんには申し訳ないが、ドラマの方がずっと良かった。もっと言えば、小説はイマイチだった。

実は「かもめ食堂」もこの順番だったのだが、同じく群ようこの「かもめ…」の原作の方には、サチエさんがどうしてフィンランドで食堂を始める軍資金があるのか、なども描かれていたので、原作を読むことによって、背景描写的には必要最小限だった映画「かもめ食堂」の、まるで美術館における音声ガイド(音声じゃないけど)っぽい楽しみ方もできた。

が、「パンとスープ…」の方は、原作がかなり俗っぽく、ドラマでは主題とも言える、商店街の先輩方(もたいまさこ、光石研、塩見三省)との交流が全く描かれず、それどころか、むしろ、商店街の人たちがアキコにとって世知辛い存在になっていること、急死した母親もドラマほど魅力的に書かれていないこと、その母親とアキコの父との関係も情報開示(?)が中途半端な気がすること、そしてアキコとネコの関係も、克明である分、ステレオタイプな感じがすること…などの理由で「ずいぶんドラマとは違う作品だな」と思った。

あらためて、この小説をこういうドラマに仕立て上げたスタッフに敬意を表したくなった、群ようこさんには悪いけど。ただ、アキコの食堂で働くしまちゃんは、小説の方もよかった。

 

…と、ここまで書いてきて、原作には『福も来た パンとスープとネコ日和』という続編があることを知る。ありゃりゃ。

もしかしたら、私の原作に対する不満は続編を読むことで解消される部分も多々あるのかもしれない。参ったなあ。でも、もう書いちゃったから、このまま載せよう。

そんなわけで、今回の本当のタイトルは「見てから読んで 読み足らなかったかもしれないことに 書いてから気づく」でした!

by月亭つまみ

 

まゆぽさんとの掛け合いブログです。→→「チチカカ湖でひと泳ぎ」


ゾロメ女の逆襲 記事一覧へ


コメント、ありがとー!

  • アバター画像

    Jane

    その昔、深夜に観た「かもめ食堂」、好きだったなあ… 深夜に一人でテレビを観る自由のあった昔とともに懐かしいです。
    「時をかける少女」私も観ました。少女期から成年期への移行期に観た映画として、ある意味マイルストーンになった映画でした。

  • アバター画像

    こんばんは。
    つまみさんとは逆に小説しか読んでません。
    ドラマも見たい!!

    住職のお兄さんと素敵な奥さんには身元を明かさないままだったような記憶があるのですがドラマでもそうなのでしょうか。なかなかあれは切なかった・・・。
    お商売があまりにもうまくいきすぎるところはあまり現実味ないですけど、しまちゃんみたいな従業員がいたらいいですよね~
    なんといってもアキコさん自身の聡明さが大きいですが。
    あの淡々としつつすべてを受け止め呑み込む器量、見習いたいです。

  • アバター画像

    つまみ Post author

    Janeさん、こんにちは。

    「マイルストーンになった映画」って言い方、かっこいい!今度、どこかでマネして使いたい!です。
    「時かけ」がそういう存在の映画ってすごくわかる気がします。
    ときめき、せつなさ、はかなさ、不安定さ、期待とあきらめ…全部入っていますよね。

    深夜に一人で「かもめ食堂」を観る自由も、これまた気持ちの芯にビンビン来ます。

    わかるわかる一辺倒でスミマセン。

  • アバター画像

    つまみ Post author

    凛さん、こんにちは。

    そうでしたか。
    凛さんは小説の方でそういう心持ちになったのですね。
    確かに、食堂が上手く行き過ぎて、そこのところは絵空事っぽさも感じますが、そう!しまちゃんの存在が、なんかそういうふわふわ感を、地に足のついたリアリティにぐいと引き込んでくれる気がして、いいですよね。

    凛さんがドラマを見てどんな感想を持つのか、教えていただきたいです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。また、コメントは承認制となっています。掲載まで少々お待ちください。


コレも読んでみて!おすすめ記事

なんかすごい。

グッドバイ

昭和乙女研究所

映画の思い出vol.1

カレー記念日 今週のおかわり!

お出かけに 欲しいのお洒落な シルバーカー

60代、男はゆっくりご乱心

ダンドリくん

四十路犬バカ日和

ワンオペ生活の大いなるルーティン化

OIRAKUのアニメ

第110回 ONE PIECE FAN LETTER

今週の「どうする?Over40」

「まとまった形で」「時系列で」「思いきり」だれかに話すという自己救済法。

黒ヤギ通信

来年の干支

山あり谷あり再婚ライフ

介護の日は頑固の日?

ゾロメ女の逆襲

【月刊★切実本屋】VOL.87 かつての竹中直人の芸風の本

ミカスの今日の料理 昨日の料理

ちゃんと楽しそうに:豚なんこつの甘辛煮

かわいいちゃん

大ウサギ

夫亡き日々を生きる

カリーナからゆみるさんへ 2023年5月10日

絵手紙オーライ!

歌を書いてみたくて。。。

母を葬る

(16)一枚の絵

出前チチカカ湖

第201回 最近の宗旨替え

いろんな言葉

That’s Dance!文字起こし 第6回(episode16) やっかみかもしれませんが‥番外編も兼ねて

いどばた。

凹むこと最近ありましたか?

じじょうくみこの崖のところで待ってます

はなやぐお盆、わたしは墓へとタックルした。

ただいま閉活中

お守りが無くなったら

50代、男のメガネは

『レジェンド&バタフライ』で絶望の淵に立つ。

おしゃれ会議室 ねえ、どうしてる?

人生は引き算である

日々是LOVE古着

(終)これからも。これからは。

これ、買った!

くっつかないしゃもじをもう一度買った!

ワクワクしたら着てみよう

最近思うことをとりとめもなく書いてみた♡

わたしをライブに連れてって♪

コンサートwithコロナ

これ、入るかしら?

行き当たりばったりで失礼します

KEIKOのでこぼこな日常

巣ごもりしてたらこんな買い物を…

あの頃、アーカイブ

【エピソード37】最終回記念、私たちのクリスマス!

フォルモサで介護

私が負けるわけがない

お悩み相談!出前チチカカ湖

【File No.41】 私って多重人格!?

ラジオブースから愛をこめて

ノベルティグッズ

着まわせ!れこコレ

冬とウェディングと後れ毛と

このマンガがなんかすごい。

第15回(最終回):マンガよ永遠なれ!

夫婦というレッスン

津端英子さんの一筋縄でいかない個性と行動力がすごい著書「キラリと、おしゃれ」

ハレの日・ケの日・キモノの日

暑くじめじめな7月

眉毛に取り組む。

総集編!眉毛ケアグッズ&お手入れ用品のご紹介

さすらいの旅人ゆりの帰国&奮闘日記

グアテマラ。そこで見た不思議な光景と懐かしい味

新春企画 輝く!カレー記念日大賞2017

輝く!カレー記念日大賞2017

≪往復書簡≫SEX and the AGE 

「女性の健康を守り、5歳若くなる抗加齢医療」だって。ボーっとしてたら、すごいことになってるね。

最近、映画見た?

第12回 「海よりもまだ深く」

Over40からの専門学校 略して「オバ専」

【オバ専インタビュー】今まで知らなかった「責任感」も含めて、人生が大きく変わりました。

じじょうくみこのオバサマー

四十九歳の春だから。

華麗なるヅカトーク

第8回 型、色、数! 嫌なことがあったら、また観に来る!

サヴァランのやさぐれ中すday ♪

in her SHOES ~ おばばは何を考えて? #8

器屋さんのふだん器

ふだん器-38  飛びかんな

2016 みんなのこれ欲しい!

サヴァランの「これ、欲しい!」。

2015 みんなのこれ買った!

【じじょうくみこ】低反発リクライニングソファ、買った!

ブログの言葉

「別冊 どうする・・・」はこんなことを大事にします。(過去記事より転載)

今日のこていれ

「今日のこていれ」最終回。1年間のご愛読に感謝を込めて。

崖っぷちほどいい天気

崖っぷちより愛をこめて〜最終回はカピバラとともに。

アラフ ォー疑惑女子

「もったいないお化け」の世代間連鎖

とみちっちの単身ベトナム&中国

ベトナムって、ハノイって、どう?

晴れ、時々やさぐれ日記

ああ、感謝。巳年と午年のあいだ。

中島のおとぼけ七五調

中島。の気ままに更新「おとぼけ七五調」12

ムーチョの人生相談「ほぐしてハッケン!」

【主夫ムーチョの相談】娘がご飯を食べません・・・。

ミラノまんま見~や!

連載最終回!「駐妻のここだけの話」にしようかと思ったが…災難に遭う!

ウェブデザイナーとの対談

大きな旗は振れないけど、小旗はパタパタと振れるだけ振っていこうと思ってます。

「最高の離婚」ファントーク

<対談「最高の離婚」最終回>ホームから電車に乗ってしまってキスして・・・ロマンチックでしたね。

スパコレ

美味しい缶詰を教えて!

2014 新春企画

どうする?Over 40 新春企画「物欲俗欲福笑い」♪( メンバー編 )

フォルモサ(台湾)の女

あずみの台湾レポート「やっぱり紅が好き!フォルモサの女たち」(13)〜不景気顔卒業します

ゾロメ女の図書館小説

帰って来たゾロメ女の逆襲 場外乱闘編 連載図書館ゴロ合わせ小説  『ライ麦&博 完結編』 後編

青蓮の「マサラをちょいと」

青蓮の「マサラをちょいと~人生にもスパイスを効かせて~ VOL.12」

Tomi*さんの最適解

「Tomi*さんの最適解。 ・・・白髪とコムデギャルソンとヤフオクと」  マインド編②

YUKKEの「今日もラテンステップで♪」

YUKKEの今日もラテンステップで ~VOL.13

11月22日はカレー記念日

カレー記念日

落ちてゆく 枯葉のごとし 抜け毛かな

11月22日はカレー記念日

Jane

投稿はこちら

カレー記念日とは?

加齢を実感したら、それはカレー記念日。
抗ったり笑い飛ばしたりしながら、毎日華麗に加齢していきましょう。

あなたのカレー記念日も、教えてください。
五七五七七形式で、下の句は「○月○日はカレー記念日」なので
上の句の五七五だけ送ってね!

日付は掲載日に変えさせていただきます。

みんなのカレー短歌 一覧 >>

よもじ猫

茫然自失

猫No.29  by ミカス

猫大表示&投稿詳細はこちら!

茫然自失

猫No.29  by ミカス

よもじ猫とは…

全世界初!?四文字熟語と猫のコラボ!

「よんもじ」と猫がペアになって、ランダムに登場します。
ふだん着の猫の一瞬を楽しむもよし、よんもじをおみくじ代わりに心に刻むもよし。
猫が好きな人も、そーでもない人も、よもじ猫の掛け軸からタイム&ライフトリップして、ときどき世界を猫目線で眺めてみませんか。

みなさんの猫画像の投稿をお待ちしています。

投稿はこちらからどうぞ

カイゴ・デトックス 特設ページができました

Member's Twitter


  • カリーナのBILOGはこちら!「ともに生きる。

  • ZOOMでプライベートレッスン、リモート英会話AQUA
  • BLOG版 ウチの失語くん
  • 植松 眞人さんの本がでました♪「いまからでも楽しい数学―先生と数学嫌いの生徒、35年後の補習授業」
  • 「出前チチカカ湖」連載中 まゆぽさんの会社「シリトリア」

Page up