第78回 ぼっち・ざ・ろっく
前回が今年最後のつもりだったのですが、やっぱりなんだかアレなので締めにもう一回書かせていただきます!
この秋季は映画も連続シリーズも良い作品がたくさんありましたが、私的No.1は「ぼっち・ざ・ろっく」。10月開始早々に目を付けておられた方!さすがです!
はまじあきの4コマ漫画が原作で、アニメーション制作はCLOVER WORKS。可愛い絵柄にあるまじき(?)ギター少女の青春コメディ。バンドやライブに縁遠い私ですが、これは面白かった!楽器メーカーが協力して使用楽器がきっちり描き込まれているのも、音楽良く知らない勢には興味深いです。
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人気者になれるかも…とエレキギターを独学ではじめた後藤ひとり(以下ひとり)。毎日練習すること3年。しかし、極度の人見知り&陰キャ(陰気なキャラクターの略)ゆえにその腕前を人前で披露することなく、ギターヒーローの名で手元だけ配信していました。実はギターヒーロー、再生回数が多くて動画サイトで人気なのです。
そんな彼女が、ひょんなことから「結束バンド」というバンドに助っ人ギタリストとして参加します。ですが、尋常じゃない人見知りのひとりにとっては、返事をするにも話しかけるにも、言葉を発するのに相当なプレッシャーがかかり妄想が始まります。
例えば、「ぼっち」というニックネームを付けられた時の(心の中の)リアクション。例えば、自分の家にバンド仲間が来る日の行動など、彼女の妄想とリアクションは毎度毎度、予想の斜め上を行くのです。自分の行動を思い出して煩悶したり落ち込んだりは音楽をやっていなくてもあるある。けれど、ここまでとは!
ギター一本を頼りにバンド活動を通じてひとりが社会性を獲得しようとする様子は、もどかしくも微笑ましい。恥ずかしい事だらけの青春の日々の先、ロックな最終回が待っています。
TVアニメ「ぼっち・ざ・ろっく」公式サイトURLはこちら↓
https://bocchi.rocks
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あと、忘れちゃいけない「名探偵コナン 犯人の犯沢さん」
世界トップの犯罪都市米花町に、黒いアイツがやってきた!
犯沢さんは住まいを探し始めるものの、米花町ならでは事情や困りごとがあってスムーズにはいかない。パチモンみたいなコナンや蘭が闊歩し、阿笠博士に至っては怪しさ満々。オープニングから某大泥棒アニメのパクリシーンがあり、あの漫画のパクリキャラやこのマンガのパクリシーンなど小ネタも満載です。なにより公式スピンオフなので、本家へのツッコミに遠慮がなくキレが良い!今のことろNetflix独占配信です。
アニメ「名探偵コナン 犯人の犯沢さん」公式サイトURLはこちら↓
https://hanzawasan-file.com
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そうそう、中国アニメの「羅小黒戦記(ろしゃおへいせんき)」はもちろん「万聖街」もおススメです。単純な線と彩色ほど絵の上手さが引き立つ。豊かな表情に感嘆します。Prime Video他で見ることができます。
「万聖街」公式サイトはこちら↓
https://banseigai.com
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記事には取り上げていないけれど、アニメーション映画も良いものが多かった年でしたし、来年も期待している作品が多いです。それはまた別の機会に…。
ではみなさま、良いお年越しを!
kokomo
shojiさん、今年最後の記事が「ぼっち・ざ・ろっく!」、そしてこれがshojiさん的今季NO.1なんてとても嬉しいです。
私もとても幸せな気持ちで第一シーズンを見終えました。
この作品は好きなアーティストがエンディング曲の作曲を担当(kana-boonの谷口鮪君の「Distortion!!」)していたのがきっかけで見始めましたが、私にとっては絵がかわいらしすぎるし、主人公はコミュ障で陰キャという設定だし、そのうち離脱かなぁ、なんて思っていました。しかし、音楽を通じてぼっちちゃんの世界が広がっていく様にぐいぐい引き込まれていき、毎週配信が楽しみに。
我が家は、音楽こそやっていなかったものの娘がぼっちちゃんタイプで、学生時代は周りとのコミュニケーションに大分苦労したようです。そして息子はギター弾きでぼっちちゃんと同い年。そんなわけでこの作品は自分の子供たちとぼっちちゃんを重ねて感情移入しまくりのものになりました。コミュ障気味のぼっちちゃんを見守る家族もほほえましかった。特に最終話でぼっちちゃんにあるものをそっと差し出すお父さん、かっこいい!!
この作品は音楽的にも大興奮となりました。この作品の各話のサブタイトルがずっと引っかかっていたのですが、最終話で「ぼっちちゃん」(CV.青山吉能さん)が歌うエンディング曲を聴いてハッとしました。アジカンじゃん!この曲はASIAN KUNG-FU GENERATIONの「転がる岩、君に朝が降る」のカバー。第一話のサブタイトルの「転がるぼっち」、最終話のサブタイトルの「君に朝が降る」とがこの曲からとられていることにその時気が付きました。そして、他の各話のサブタイトルもアジカンの曲名からとられた、またはそれをもじったものになっていたことも(既にご存じだったらすみません)。そして、「結束バンド」のメンバーの名前の姓もアジカンのメンバーからとられているようです。この「転がる岩、君に朝が降る」をカバー曲に選んだのは作者のはまじあきさんのようですが、歌詞がまるでぼっちちゃんの気持ちを代弁しているよう。アレンジもほぼ原曲に忠実で、この曲が大切に扱われているのがわかります。アジカンが歌うオリジナルもとても素敵なので、もし聴いたことがなければ是非。
それから、shojiさんも書かれているように、楽器や付属品もきっちり描かれていて、息子と「あれはもしや〇〇のXXXモデルでは!?」なんて言いながら見るのも楽しかったです。ぼっちちゃんは最終話で代替器としてYAMAHAのPACIFICAのカスタムモデルを購入していましたが、ぼっちちゃんと同じ楽器を買ってギターを始めようとしている人がぼっちちゃんが元々使っていたギターの値段(多分ギブソンで50万円超)を知ってやる気が失せてしまわないように、それよりは手を出しやすい価格のギターを最終話で登場させたのでは?YAMAHAとタイアップしているし…なんて大人の事情も読み取れて、またそれも面白い。
今年も去年に引き続き、あまりぱっとしない日々をどんよりした気分のまま過ごすことも多かったのですが、こうやってみると、今までになくアニメも楽しめたし(shojiさんありがとう!)、ライブも結構いけたし、割といい年だったじゃないか、と思えます。来年も面白い作品の紹介を待っています。よいお年をお迎え下さい。
SHOJI Post author
kokomoさん
明けましておめでとうございます。そして熱いコメントをありがとうございます!
「ぼっち・ざ・ろっく」は良かったですねぇ!
そうですか、お子たちを想像させるキャラでしたか。そうなるともう前のめりで見守っちゃう!
ぼっちちゃんの親御さんのスタンスがいま一つ掴めなかったのですが、最終回でストンと腹落ちしましたね。
ギター弾きさんが身近にいると楽しみ方もディープで良いですねぇ。
楽器に限らず、リアルに存在する小道具類がガッチリ描き込まれていると、見入ってしまいます。
すでに各所で名前があげられていますが京都アニメーションの作品「けいおん!」(2009他)も楽器がしっかり描かれている人気作品です。
残念ながら今無料で視聴できるサイトがないみたいで、再放送を待っています。見比べたいです。
各話のタイトルとアジカンの曲名とのリンク、教えてくれてありがとう!
ボーカルの声色とアルバムのイラスト(中村佑介)は大好きだけど、あまり聴いたことなくて(汗)これを機にYouTubeで聞いてます!
原作者のはまじあきさんがアジカンをよく聴いていらっしゃると何かのインタビューで読みました。
それからぼっちちゃんの変顔はアニメの演出かと思っていたのですが、原作由来だと知りました。原作読もうかな。
それではkokomoさん、今年もライブで大きな楽しみを、アニメで小さな楽しみを積み上げていってくださいね!
私は新学期が始まって人出が減ったら、「かがみの孤城」と「THE FIRST SLAM DUNK」をみにいきま~す。