ゆみるからカリーナさんへ 2023年2月4日
これは昨年、カリーナとゆみるがメールで交わした往復書簡です。
カリーナさま
先日の大雪での転倒でお怪我されなくて良かったです!
東京も最低気温が10度以下の日もぽつぽつと出てきました。そんな寒中なのに昨日あたりから鶯たちが部屋の前の銀杏の木にやってくるようになりました!
春の足音は遠くながらもこちらに向かってきているようです。
カリーナさんから10周年記念の企画でとメールでお誘いを頂いて、いいですね!と思ったのですが、後から10周年と明るく寿ぐ区切りなのに、夫が亡くなった時の話をするのは読者の方たちの気持ちがトーンダウンしてしまうのではと急に心配になりました。
子供の頃に読んだ、お正月で賑わう大通りの真ん中を一休さんが錫杖の頭に頭骸骨を載せて歩くような感じがしたのです。数日そんなことをぼんやりと考えていましたが、ふと香典返しを贈るために百貨店に行った時のことを思い出しました。
百貨店のギフトコーナーにはすでに3組のお客さんがいました。3組と書いたのはそのお客さんたちが偶然にも皆、老婦人とその娘さんもしくはお嫁さんらしき組み合わせだったのです。そして仲良く相談しながら香典返しを選んでいました。
その様子を見ながら、普通はあの老婦人達くらいの年になって夫の香典返しを送るのが普通よね~とわが身の不憫さを心の中で嘆いたり、でも私は子供もいないから結局一人でここに来ることになるのは変わらないか。それならまだ若い今の方が体も頭も動くし良かったのかもなんて思ったりしていたのです。
ちなみにその時私を担当してくれた70歳前後の超ベテラン店員さんは、指1本打法でPCのキーボードをものすごい速さで操りながら、終始落ち着いた笑顔で香典返し初心者の私に的確なアドバイスをしてくれました。プロフェッショナルは思わぬところにいるものですね。
少し脱線してしまいましたが、結婚していたりパートナーがいる限り、平均寿命では男女差が6年くらいあるので、かなりの確率で女性が男性を見送ることになります。
すぐではないけれどおそらくやってくるその時を、そんなこともあるのね~と読んでいただくのも良いのかもとまた思い直していた1月の終わりでした。
すっかり前置きが長くなってしまいすみません。次から本題に入ろうと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
ぺるそな
ゆみるさん、こんにちは
ギフトコーナーのベテラン店員さん、私もお世話になりました。絶妙な距離感で辛抱強く接してくれて、面倒の極みのような個別発送を的確に取り仕切ってくれる…言い方は変だけどまさにプロ店員さんですよね。
香典返しを注文しに行く頃って精神的にかなり辛い時期ではありませんか?
私の場合は、死なれた直後の強制ジェットコースターから降ろされて、元の生活へ戻ってすぐの頃。一大事件が起こって自分は別人になってしまったのに世界もその住人も全然変わっておらず、強い違和感を感じ始めた頃でした。
香典返しの注文のために百貨店へ出向いた時はちょうどクリスマスと年末商戦真っ盛りの賑やかなシーズン。笑い合ったり軽く言い合いしたりしながら当然のように連れ立って買い物する人達を見ながら、私は顔に無表情が貼り付いたようなぎこちなさを感じながら順番を待っていたのを覚えています。
前回「スピリチュアル系が苦手」とおっしゃっていましたが、私も苦手です。一人で家にいる時には死んだ夫に話しかけたりすることも多いので、考えると変ですけど。
ゆみる Post author
ぺるそなさん、こんにちは。
ぺるそなさんのコメントを読んで久しぶりに涙が出ちゃいました。
そうですよね、香典返しを49日ごろに届くように送るとなると、実際のところ亡くなって1か月ちょっとには発注の必要があるわけで。
たったの1か月です、まだたったの。私が利用した百貨店は使用しているクレカの百貨店だったので、店内のことはよく知っていたんです。でもそのギフトコーナーの場所は知らなくて、1Fの受付で「香典返しを送りたいのですが」と尋ねたことは多分一生忘れないと思います。おまけにその当時ギフトコーナーが仏具売り場の奥にあったという・・・。
プロ彼女ならぬプロ店員さん!本当にそうですよね^^私も年齢だけではなくてそんなベテランさんになりたい。
そして特に人恋しくなるような季節だったのは本当にお辛かったと思います。まだ暑い秋の始まりだった私の場合でも、気持ちも顔も寒々しく冷え切っていました。
私は香典返しの注文が終わった後に、少し遅いお昼にふらふらと百貨店の中の高いお寿司屋さんに入ったのですが、全然美味しくなかった。美味しくなかったのはお店のせいなのか、それとも自分の気持ちのせいだったのか。たぶん両方ですね、しばらくしてそのお寿司屋さんは無くなっていました。
私も夫の写真によく話しかけていますよ!でもスピも宗教も全然気持ちに入ってきません。だって夫は帰ってこないんですもん。
長々とすみません、久しぶりあの頃のことを思い出したら止まらなくなっちゃいました^^; コメントうれしかったです。ありがとうございました!