Posted on 2024年7月15日 by カリーナ

実録・振り込め詐欺に引っかかる寸前まで行った話。

こんにちは、カリーナです。

タイトル通り、先週、わたくし振り込め詐欺でお金を振り込む寸前までいきました。「振り込め詐欺なんて、わたしはひっかかりませんよ」と枕を高くして寝ていましたが、そんなこたあない、ほいほい騙されるババア・オブ・ババアズだとはっきりとわかりました。

午後1時前ぐらいでしたでしょうか。お約束どおり固定電話が鳴りました。

わたしがなぜ騙されたかというと詐欺師の第一声が「〇〇（←市町村名）税務署です」だったからです。

わたしは、税務署に弱いのです。

個人事業主歴が長く、確定申告歴も長いため「いつか、この申告書についてちょっと確認したいことがあるのですが…」という電話があるのではないか。いや、こんな零細オブ零細事業者には来ないだろうと思いつつも、ネットで調べると「規模に関係なく、調べられるときは調べられる」と書かれているため、完全にないとは言い切れないと思っているからです。

あ。いよいよ、来たな。と思いました。何も後ろ暗いところはないが、でも、ドキッ。いやだ。面倒くさい手続きあるのかなと瞬間的にユーウツになりました。

その直後、「申告のほうはちゃんとやっていただいているんですが」

ここで、ドキッからホッへ。「定額減税のお手続きの封書が届いていませんでしょうか」

タイムリーワード「定額減税」が来ました。そこで、「そうか、お給料をもらっている方は、定額減税の手続きが自動的にされるが、個人事業主はそうじゃないんだな」と納得してしまったんですね。

いまなら、典型的な「還付金詐欺」の一種だとわかりますが、このときは、わからなかったーー。最初の緊張（ドキッ）からの安堵（ホッ）の落差が大きかったから。

あとね。わたし夫の病気や死亡がらみで何度も公務員の方と話しましたが、これまで話したことのある税務署や市役所の口調にそっくりだったのです！この後、銀行員を名乗る人からも電話が来るのですが、その人も「ネットで手順を説明するサービス窓口の人」の話し方にそっくりでした。

この「そっくり口調」が、安心感を招くのですよ。電話の向こうに「ちゃんとしたビジネスマン」をイメージさせるの。

さらに定額減税で戻ると言われた金額が３１６３０円。

絶妙じゃないですか？この金額。何となく戻ってきそうな金額。大きくはないけれど、戻ってくれるなら戻ってほしい金額。ちょっとうれしい金額。できれば受け取りたい金額。

さらに書類の提出期限に間に合わなかった人のためにネット上で手続きをするための書類番号を2種類言うからメモしてくれ、と言うのです。

ひとつは、４９９　３１１　もうひとつは、９９６　２７３

6桁の数字の間にスペースを入れて「番号感」を出しています。でも、これもあとで考えるとギリギリ50万未満、ぎりぎり100万未満の「金額」なんですよ。

で、ですね。ここからネットバンクへの誘導するのです。（私が指定した銀行から電話が来る。別の人物）

まず、「各種手続き」から「限度額変更」を選べと言い、そこの限度額に上の二つの番号のうち、2番目のほうを入れろと。

ここで限度額の変更をさせるわけですね。（あくまでも個人情報の確認だと主張しながら誘導します。まあ、これ、完全におかしいんですけどね）

で、この後、新規振り込みに行けというのですが、「すみません。こちらからは申し上げられませんが、口座残高の桁数を教えていただけますか。一番上の数字は？」と聞いてきます。

つまり、4桁か5桁か6桁か7桁かを聞いて、それに合わせて振込金額を変えさせようと。おそらくかなりお金があるとなったら、もう一度、限度額に入れる数字を「さきほどの番号の頭に1を入れてください」とか言って金額を増やすのでしょう。

で、先方の口座番号を言ってきます。

さすがのわたしも、このあたりから脳内でアラームが鳴りはじめ「これ、こっちから振込しようとしてない？」となりました。そして「では振込金額のところにさきほどの数字を入れていただき、決定ボタンを押してください」

「これ、振込ですやん」
「いやいやいや、違いますよ。こちらからの振込です」
「いや、やめておきます。銀行窓口に行きます」

…と言って電話を切りました。なんか、今日はもう窓口は締まっていて間に合わないから、月曜以降にとか言っていました。あと少しで獲物を逃して残念だったのでしょう。

しかし、危なかった。もう、あとワンクリックですよ。

これまでわたし、「息子さんが事故りました」とかいう電話にだまされるお母さん、なんでだまされんのかなあと思っていましたが、わかりました。その人は、日ごろから何となく息子さんのやらかしを気にしているのです。私が弱点ワードが「税務署」なら、その人の弱点ワードは「息子」なのです。だから、そこでドキーーーンとするのです。

さらに、わたしはほんっとにギリギリでお金を振り込まずに済んだので、こうやって顛末をお知らせしていますが、もし、だまされていたら黙っていたかもしれません。

よく言いますよね。だまされた高齢者は、恥ずかしくて黙るって。

もー、それもわかるーーーー。恥ずかしさだけじゃなくて、悔しいし、もったいないし、詐欺師と自分の両方が腹立たしいし、あまりに複雑な感情で処理しきれないのです。だから、「騙されたことを黙っている人」って思ったより多いと見た。

もうひとつ、きわめて本質的なことがわかりました。

人は、だまされるとき、疑っていない。どちらかというと前のめり。

みんなーーー。気をつけてーーー。だまされるときって疑ってないんだよ。脳内アラームが鳴らないんだよ。必ず、「名前を聞いて、税務署なら税務署の電話番号を調べて、かけ直す」を例外なくやるべし！次は、あなたかも。そして明日のわたしかも。脅しじゃないからね。

詐欺師は、弱点と欲を突いてくる。

オバフォーは今週もコツコツと更新します。時間のあるときに遊びにきてください。待ってまーす。

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