自分のためだけの時間:そら豆ご飯
私の家から歩いて10分足らずの場所にスーパーがあります。
私は運転免許を持っていないので、だいたい1週間に1回、お天気がいい日を選んでゆっくりと歩いて行きます。1週間分なので、帰りの荷物はそれなりの重さになってしまいますが、大きなマイバッグを背負うようにしてさらにゆっくりと歩いて帰ってきます。
認知症の母をまだ自宅で介護していた頃、週に1度の”スーパー散歩”は私のほぼ唯一の息抜きの時間でした。1人でゆっくりと店まで歩いて、本当に必要な時間よりもちょっとだけ長めに店内を見て回り、買った物を背負ってまたゆっくりと家へ向けて歩を進めました。
家が目の前に見えてきたら歩みを止めて、また「あそこ」へ戻るために数分気持ちを整えます。そして「よし!」と意を決して家へ戻ったものでした。
とある日のこと。その日も私はスーパーの売り場をゆっくりと何周か歩き回っていました。そんな時にスマホが鳴ったのです。父からでした。
「お母さんが、『朝早くからずっとミカスちゃんがいない。どこへ行ったの?』って騒ぎだしてね、どうにもなだめようがないんだ」
買い物リストにあったものの半分もカゴに入れていないのに、慌てて会計を済ませて、急いで家に帰りました。「買い物に行ってくるよ」と母にはちゃんと言ったのに。
この日以降、買い物は生協の宅配にすることに決めました。
生協を使えば重いマイバッグを背負って帰って来る必要もなく、楽ちんです。でも、ポイントはそこじゃあない。私は、1人で過ごす時間が欲しかったのです。あの頃の私には、自分のためだけの時間がどうしても必要だった。
家族のためでもある買い物の時間は「自分のためだけの時間」ではないと言う人もいるかもしれません。でも、あの頃の私は1週間に小一時間だけ完全に1人になれるあの時間が、休憩時間であり、余暇でした。生協を使うことでそのわずかな時間もなくなってしまうなんて。
その後間もなくして母はグループホームに入所したので、結局私はまた自分のためだけの時間を持つことができるようになりました。とはいえ、父が認知症を発症することで私の時間はまたちょっと減ってしまいましたが。
介護をしている人だけではありません。仕事をしている人も、家事をしている人も、どんな状況にいる人も、絶対に自分のためだけの時間を持つべきだと私は思います。誰かの、何かのために生きる自分のスイッチをオフにするような感じでしょうか。
1週間に小一時間でも、1日に数分でも、自分の事だけを考える時間はそれ以外の時間をなんとか乗り越えるよすがになります。少なくとも私はそうでした。
もちろん、それが簡単なことではないということもわかっていますが。
母と暮らしている時とはまた違った苛立ちや閉塞感が父との暮らしにはありますが、幸い父は喜んでデイサービスに出かけてくれるので、母の時よりは自分のためだけの時間を持てています。
とはいえ、父の状態はこれからも変化をしていき、私の時間もどうなるかわかりません。
出来るうちに色々なことを楽しむことにしましょうか。
さて、今日ご紹介する一品は『そら豆ご飯』です。そら豆の旬は4月から6月だそうです。丁度今ですね。旬の美味しいものを楽しむ時間も、また、人によってはそれを調理する時間も、ある意味自分のための時間です。たっぷり楽しみましょう。
そら豆ご飯

- そら豆をさやから取り出し、薄皮をむきます。
ご飯への香り付けに使うので、きれいなさやを2~3個洗っておきます。 - お米を研いでざるに上げ、しばらく水を切っておきます。
- 炊飯器の内が間にお米を入れ、そこに白だし、酒少々を加えてから合数分の目盛まで水を加えます。縦2つに割ったそら豆のさやと、全量の1/3のそら豆を米の上に並べ、炊飯します。
時間に余裕がある場合は30分ほど吸水させてから炊飯をしてください。 - 鍋でお湯を沸かし、塩を加えて、残った2/3のそら豆を茹でます。
- ご飯が炊きあがったらさやを取り除き、別茹でにしたそら豆をご飯に混ぜ合わせます。
※ご飯を炊く時に全てのそら豆を一緒に炊き込むやり方もありますが、私は炊き上がってご飯を混ぜた時にそら豆が粉々になってしまうのが嫌なので、香り付けに1/3を炊き込み、残りは別に茹でて炊きあがったご飯にさっくりと混ぜます。
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