誰が俺をひねり出したんだろう?
本当に僕にぴったりな役ならなおさらですが、
全然イメージ外の役でも
“誰が俺をひねり出したんだろう?”ということを
探りに現場に行く…というような面白さもある。
スケジュールさえ合えば何でもいいんじゃないですかね。
断ることに意味はあんまりないですよ。
〜 『R25』香川照之ロングインタビューより 〜
2008年。香川照之、そのとき42歳。
まだ彼が歌舞伎俳優、九代目市川中車になる前、
「半沢直樹」でこゆーい顔芸見せたりする(笑)ずっと前の言葉です。
「ドラマに出ずっぱりな俳優」といえば
内藤剛志や大杉漣などの諸先輩方がおられますが
香川照之の場合は出演本数はもちろん、
映画、テレビ、舞台など露出メディアも縦横無尽。
インディーズ映画に脇役で出ているかと思えば、
次は超大作映画の主役だったり、
今も昔も節操のない活躍ぶりで知られています(いい意味でね)。
そのせいでしょう、このインタビューでも
「どうしてそこまで仕事を選ばないんですか?」という話題に。
その時に彼が語ったのが、タイトルの言葉でした。
オファーが来たことの重みを感じていたい。
台本や制作の規模や作品のレベルがどうであれ、
そのレベルを少しでも引き上げるための道具になれればいい。
船が 沈みそうだからといって、乗らないのは嫌なんですよ。
沈みそうならばこそ、乗りこんで
“ここの穴を塞げば大丈夫でしょう!”ってトンテンカンテンやるし。
船が豪華なら豪華でいい。
デッキでワインを飲みながら目的地まで行けばいいわけだし。
それが自分の役者としての使命だと思っているんですよ。
『香川、この船に乗れ』と言われたことこそが、
かけがえのないテーマだと思っています。だから断りたくない。
6年も前の、フリーペーパーに載っていたインタビューなのに
なぜなんですかね、最近この言葉をよく思い出すんです。
若かりし頃、仕事の依頼をもらうたびに
「これは私でなくてもできるんじゃないか」
「自分は単に使い勝手がいいだけの存在なんじゃないか」
と思って落ち込んでいた時代がありました。
自分の守備範囲ではないジャンルの仕事をふられて
「この仕事、本当に私にあうと思いますか?」
なんて食ってかかって仕事断ったこともありました。
まあ生意気な小娘テヘペロ
でも年を取ってわかりました。
最初から「私じゃなきゃダメなこと」なんて、そうないんですよねえ。
むしろ、いろんな縁や奇遇やハプニングが重なって
「なんかよくわからないけど、結果的に私でOKだったっぽい」
ということのほうが、はるかに多い。
なので最近は「何がどうなってこの仕事がうちに来たんだろう」とか
「誰と誰がどんな話をして、この人と私が出会ったんだろう」とか
そういうことに興味がわくようになりました。
なので香川さんにははるか遠く及びませんが、
基本的に来たお誘いにはのっかることにしています。
世界は不思議に満ちていて、
不思議と不思議がぶつかって、思いもよらない扉を開いてくれる。
その出会いの妙を楽しみたいと思う、over40の毎日です。
By じじょうくみこ
okosama
「なんかよくわからないけど、結果的に私でOKだったっぽい」
偉いポジションにない私には、このスタンスは大事です。私の本日の「いろんな言葉」にいたします。
にしても、
香川さんの怪優っぷり!お仕事を断らないから芸の幅が広がるのかー。「鍵泥棒のメソッド」良かったですね。
じじょうくみこ Post author
>>okosamaさま
「私の本日のいろんな言葉」に認定していただけるとは、光栄の極みでございます~!
香川さん、仕事断らなさすぎって説もありますが(笑)
このまま断らない道を突き進んで、おもろい作品見せてほしいものです。
「鍵泥棒のメソッド」って半沢…じゃなくて堺雅人と競演してたやつでしたっけ?
見てない~ツタヤでチェックしてみます!
okosama
認定とな?
あー。私、偉そうな言葉遣いをしておりました。申し訳ないですぅ。
じじょくみさん、どこで何を書いておられるのか私には知る術がないのですが、ご武運を、あいや、ご活躍をお祈りしております!