「暑い、暑い」と言い過ぎて、ボーっと夏を過ごしてしまいそうな私へ。
30代のころ、テレビを見ていたらアメリカの田舎町のニュースが流れました。豚の競争かなんかで、わりにどうでもいいレースに大人たちが熱狂していたように思います。伝統的なお祭りというより、思いつきで始めたおバカでくだらないお祭りという感じ。ニュースの切り口も「世界の珍レース」的な扱いだったと思います。
そのとき、わたしは、かなり落ち込んでいたので「ああ。わたしがこんなに落ち込んでいるときに、こんなにバカなことをしてくれている人がいるんだなあ。すごいなあ。これは、おそらく、すばらしいことなんだろうな。世界のすばらしさって、こういうことなのかもしれないぞ」と落ち込んでいるだけに大げさに思いました。
その印象がすごく強かったので、今も、アメリカの田舎のお祭り風景を見ると、反射的に「ありがとうございます」と思います。「いてくれてよかった」と思います。わたしがやらなくても、地球のどこかで、どうでもいい、おバカなことにマジメに取り組んでくれている人たちがいる。どっちかっていうと型を破れない人間としては、ヒジョーにありがたいです。
しかし、あれですね。そう思うと、この世界は、「わたしの知らないところで、わたしが頼みもしないのに、何事かに真剣に取り組んでくれている人」だらけなのですよね。
今、外に出ると、湯気が立ちそうに火照った部活帰りの少年・少女たちや、透明バッグに水着を入れてくっついたり広がったりしながら学校のプールへ急ぐ小学生たちや、太ももの後ろ側がまぶしい若い女性たちが道を行き来しています。あちこちの駐車場には、焦げ茶色に日焼けした年配の男性たちが、じっとこらえるように路上に立ち、車の出入りをさばいています。蝉は鳴き、花火大会が催され、海辺ではしゃぎ、海で亡くなる人もいる。
そのだれもが、去年と同じじゃない。
夏の風景は、順繰りに登場人物を入れ替えて現れる。
思えば、夏は、梅雨なのかそうじゃないのかわからない間に夏になって、
夏のつもりでいるとお盆がやってきて、
「もう、海で泳ぐのはちょっとね・・・」となって
気づいたときには、何となく遠ざかっている。
「暑い!暑い!」とばかり言っているわたしですが、
ちょっとは「しかと、つかまえる」気持ちで接したいと思います。
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先週の金曜日に始まった中島慶子の「ワクワクしたら着てみよう」、順調な滑り出しでうれしいです。「ワクワクするために」でもなく「ワクワクしなきゃ」でもないところがいいタイトルだなあと思っています。「ワクワクしたら試着してみよう」「似合わなかったら、そこであきらめればいいじゃん」という感じ。隔週です。お楽しみに。カレーはいろいろ推薦いただきましたが、こちらはまだ。コメントお待ちしています!
寄稿していただいている植松さんに、別冊メンバーサヴァランが相談をもちかけています。二人のやりとりが、ちょっと面白いですよ。よければ、どうぞ。
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別冊「どうする?40代からのファッション&生き方」は、8月10日(土曜日)から8月18日(日曜日)まで更新をお休みします。8月18日は、東京で食事会兼ミーティング。「これからやりたいこと」や「サイトリニューアル」についても話し合う予定です。「そんなことなら、わたしもアイデアを語りたいわ!」という方がいらしたら、「こんなことを提案したい」という内容を簡単に書いてトップページのメールアドレスからお申込みください♪
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みんみん
ボーっと夏を過ごしてしまいそう・・・私もです。
誰かの小説で「あと何回、お花見が出来るんだろう・・」っていう場面で、
「お花見チケットは何枚残っているんだろう・・・」って表現されていたんです。
今日のサヴァランさんの話を読んで、
「おっと、夏のチケットの残り枚数はわからんから、今年の1枚、大事に使わにゃー」
と思ったのでありました。