超高級老人ホーム。そこには、「かしづかれる老後」がありました。
こんにちは、カリーナです。
先日、仕事で超高級老人ホームを訪ねました。こんなことでもない限り、足を踏み入れることのない世界。
いやあ、重厚だった。笑顔のスタッフがたくさんいた。帰り際、受付でタクシーを頼むと「到着したらお呼びしますので、あちらにかけてお待ちください」と丁重に言われました。スタッフのみなさんほんとに感じが良くて、一言でいうと「かしずかれている感じ」。
まさしく、超高級ホテルのコンシェルジェです。
家に帰って費用を調べたら、一番狭い部屋で入居金前払い3500万(夫婦2人だと5000万)、広い部屋だと1億(夫婦なら1億1500万)、その他に共益費5万円、基本サービス料9万円(夫婦2人だとその倍)、食事基本料3万円。合計すると月に17万円、夫婦2人だと29万円)介護保険料などは別。ここは、毎月の負担額がやや低め。もっと高いところもたくさんあります。
大阪なのでこの値段ですが、たぶん、東京でこのクオリティだったら2億、3億はざらでしょう。YouTubeで見たニュースでは、入居金2億、毎月かかる費用が70万円と答えているご夫婦もいました。
そういえば、女性学研究家でタレントでもある田嶋陽子さんも昨年4月高級シニアハウスに入居したとインタビューに答えておられましたね。
田嶋さん82歳、今回、わたしがお邪魔したご夫婦は80代後半。どちらも超高級老人ホームを拠点に仕事をしていて、なんというか、「バリバリ元気な人がホテルライフをしている」のに近い。それだと理想的だろうなと思いました。しかも、80代というのがポイント。65歳や70歳から入れますが、あまりに早いと「先の不安の先取り」で不自由や不満(ちょっとした閉塞感)を感じることもあるように感じるからです。本当に元気な間は、巷の喧騒のなかが自由でいいんじゃないかな。月々の負担も重なっていくし。
・・・なんて、これだけいろいろ調べてもわたしが高級老人ホームに入居できる可能性は、はっきりとゼロなんですが、「老後のラグジュアリーライフ」のほぼ頂点を短時間でも見れてよかったです。多少なりともイメージすることができるようになったので。
一番感じたのは、お金があれば、「かしずかれる老後」が手に入るのだということ。人が提供するサービスなのでそう単純に言い切れない点もあるでしょうが、少なくとも手に入る可能性が著しく上がるということ。
ロビーも、大浴場も、レストランも、カフェも、庭園も、会議室も、ジムも、美容室も、24時間営業の専属病院も、何もかも豪華ですごいけど、すべてのサービスが「かしずかれ」ベース。年とともにもっとも得難くなる周囲からの「敬い」や「注目」を、ここでは死ぬまで(おそらく)得られる。子ども扱いもされないでしょう。
かしずかれる老後、うやうやしく丁重に接せられる老後は、お金でしか買えない。お金がない、ということは、まず、そこからあきらめるってことなのだ、と思いました。
また、入居費用は、お金持ちにとっても決して安くない買い物であり、生涯の利用権なので相続できないことが多いです。それでも、人気があるということは、「わたしたち夫婦は、この施設に貯金のすべてを使って入ります。あなた方に遺すお金はありません。その代わり、介護の面倒もかけません。そういうことで、よろしく」と子どもに宣言する人も増えているのだろうと思いました。
わたしが訪ねた方も「子どもに迷惑はかけない。でも、金は残さないと言ってある」ときっぱり。
お金が幸福をくれるかはわかりませんが、選択肢を増やしてくれるのは間違いありません。さらに「子どもに迷惑をかけない」を口だけでなく確固たる現実に変え、子どものお荷物にも言いなりにもならないパワーも与えてくれる。そう思うと高級老人ホームというカードを使うにしろ、使わないにしろ、そのカードを切ろうと思えば切れるのはいいなーーーと思いました。
ま、うらやんでも、仕方なし。わたしは、わたしなりに少ない選択肢をよーく吟味することにしましょう。
オバフォーは今週もコツコツ更新します。時間のあるときに遊びにきてください。待ってまーす。