四十路独女じじょうくみこの「崖っぷちほどいい天気」(14) 〜謝罪の王様は、男のクールビスを凝視する。
お暑うございます。3週間ぶりのご無沙汰、じじょうくみこです。
いやね、この「別冊どうする40」は9日間ほど夏休みで更新休止でしたが、お休みスタートが土曜日だったので、土曜日担当の私だけ多めにお休みをいただいたのです。なんという温情。婚活疲れがバレたかしら。リーダー・カリーナさまの気遣いにむせび泣きつつ、まあでも遠慮なく休むわ? この機会に「当日ギリギリ更新」を卒業して記事を書きためてやるわ? と鼻息荒くしながら夏休みに突入したのです。
今思えば、これはカリーナさまの策略だったという気がしてなりません。
カリーナ「3週間休んだ人間が怠惰にならずにいられるかしらねえ。だってホラ、じじょくみさんってアレでしょ、夏休みの宿題ギリギリまでやらなかったでしょ。休むとダメになる典型的なタイプよね。あーら違うって目をしたわね、生意気な小娘。いいわ、そこまで言うならアタクシをギャフンと言わせてごらんなさい。休み前よりすばらしい文章を書いてみせるがいいわっ!」
※すべて妄想です。実際のカリーナさまは「ほめ殺しの王様」です。
もーーーーしわけございません!!
阿部サダヲ主演『謝罪の王様』より。キング・オブ・ゴメンナサイ
ストックどころか、まだエンジンもかかっておりません。ええ、ええ、だって夏じゃない。夏を抱きしめて。夏を待ちきれなくて。夏をあきらめて。何もできなくて、夏。って夏の歌シリーズをあげても現実は変わりません。黙ってあるがままを受け止めてこそ大人。なので、とりあえず会社の男子を観察することにしました。
なんのこっちゃって話ですが、いま女子を見つめると激しい自己嫌悪に陥りそうなので、こういうときは男子を見るのが正解です。
そんなわけで。
すっかり定着しましたね、クールビズ。これまであまり会社員ぽい会社員と触れあってこなかったので、まっとうな企業である今の職場に勤めてから、クールビズとやらを肌で感じるようになりました。
会社はスーツが基本ですが、7月〜9月の間はスーツ着用義務がなくなります(外部の人と会う時はちゃんとします)。以前はアレだめコレだめ、「近隣住民からクレームが来た」などと口うるさく言われましたが、震災後は「風紀<節電」と風向きが変わり、年々カジュアル化が進んでいます。よいことです。男子のほうが体温高いですから、薄着になっていただいたほうが世界平和につながります。
女子のファッションは、クールビズになってもそう印象は変わりません。しかし男子は違います。激変です。10月に中途入社した男子が「面接の時にみなさんラフだったので、てっきりゆるい会社かと思った」と誤解するくらいの落差です。
観察したところ、20代はシャツにチノパンまたはカラージーンズという組み合わせが多いようです。この世代は、スーツよりカジュアルのほうがしっくりくる感じ。基本明るめカラーで、柄や色をちゃんと選んでいる印象があります。ただ、さじ加減がまだわからないのか、時々短パン履いたりして上司に怒られています。
これが30代になると、ポロシャツ率がグッと高まります。シンプルさの中にこだわりを見出すか、限りなく手抜きに走るか、生き方の二極化も進んでいきます。
たとえば、仕事のツメは甘いけどなんか憎めない、愛されキャラのタロちゃんは問答無用の水玉責め。90%水玉。しかも、水玉の配置や大きさが毎日微妙に違っています。でも先日、近づいてよーく見たら
まさかのポートランド
そんな細かいおしゃれができるなら仕事もちゃんとやれよコノヤロウ、と軽く殺意がわきましたが、「同じ水玉でもこんなに雰囲気が違うんだ」と水玉のポテンシャルを初めて知りました。
格闘技好きの三十路男子ミヤくんはポロシャツ専門。シンプルな無地ポロを色違いで着ています。ただし、どうも肌を露出する夏の間は筋トレに励んでいるようで、日に日にポロシャツがピチピチになっていくのがわかります。心なしか、夏のほうが仕事も強気です。
Macにくわしいアート系男子ガッタくんは、ボーダーのカットソーが中心。ビームスとか行ってんだろうなあ、という「無造作に見えてますけど、ただのボーダーじゃないですよ?」アピールがハンパなくて、つきあったら面倒くさそうだなあ、と思ったりします。髪型も不思議な感じになってるし。
日に日に風が吹いている
では、我らが40代以上はどうかといいますと。
見事にスーツ、です。
まあ管理職の方も多いので、立場上あまりカジュアルは着れない事情もあるとは思いますが、それ以上に「私服に慣れてない感」がにじみ出ております。もうね、この人プライベートでもスーツ着てんじゃないの、もしかしたらスーツで寝てんじゃないの? と思わせるほど、凄まじいスーツとカラダの一体感。
お腹が気になる人は猫背傾向
スーツが気合う男子はステキですが、スーツしか似合わない男子はいただけません。まわりのカジュアル男子に見慣れると、スーツおじさんたちが急にショボくれて見えてしまう、という対比効果もあります。
とかなんとか自分を棚に上げてもの思いにふけっていたら、朝うっかり電車を乗り過ごしちゃいました。やっべ、まじ遅刻!!!! 駅から猛ダッシュで会社に駆け込むと、あまりの勢いに驚いたのか、エレベーターホールにいた男性が振り向きました。
課長でした。
課長は典型的な四十路スーツ男。がっちりして大きい体躯、怒るとかなりの迫力なので、部下には若干煙たがられている御仁です。いやーまいった、一番見られちゃいけない人に見つかっちゃったと顔面蒼白になりました。
が、課長は私の顔を見てぷっと吹き出し、
「気持ちはよーくわかりますが、この暑さの中で急に走ると心拍数が上がりすぎてよくないですよ。カラダに気をつけてくださいね」
遅刻を怒ることもなく、微笑を浮かべたまま静かにオフィスに入っていったのでした。
あらあ〜〜
なんという粋なはからい。案外スーツ一体化おじさんのほうが、人としての度量は大きいのかもしれません。見た目で決めつけちゃって
ホントもーーーしわけございませんでしたm(_ _)m
しつこいようですが『謝罪の王様』は9月公開
これで「ガンダムでいうところのおー」と何でもガンダムに例えるのと、「おえふ、おえふ」と咳き込みながらタバコを吸うのをやめてくれたらモテるだろうに。
ほかの会社はどうしているんでしょうね。世のメンズはクールビズをどう考えているのか。誰か教えてプリーズ。そして来週はがんばれ、じじょくみ。
By じじょうくみこ
Illustrated by カピバラ舎
*「崖っぷちほどいい天気」は毎週土曜日更新です。
バックナンバーはこちら。
花緒
別冊は一週間(9日ですか?)の夏休みだったのに、じじょうくみこさんのコラムを長い間読んでいないような気がしていました。
やっぱり3週分抜けていたんですね!
いや~、お帰りなさい(^o^)
テレビの「ミヤネ屋」で、宮根さんが夏休みを取っていた時、見慣れないアナウンサーの方が代わりに進行されていたんですが、すごく寂しい気持ちでした。
という感情を思い出しました!
クールビズの年代別傾向、参考になりました!
最後の、威圧感あるタイプ(?)の課長を笑顔にしてしまうなんて、じじょうくみこさんのお人柄がうかがえます♪
あと、カリーナさんが誉め殺しの王様というの、なんとなく納得です!
じじょうくみ子 Post author
花緒さま
コメントいつもありがとうございます♩
お返事遅くなってしまってごめんなさい!
さみしく思ってくださるなんて、花緒さまはなんという素敵なお方でしょう。。。
きっいいことがありますよ(=´∀`)人(´∀`=)
まあ私にそんな力はありませんけど(笑)
クールビズ事情は職場によっていろいろなバトルがあるようですねえー。
先日も友人から「夏はスタッフ全員そろいのポロシャツにする」
という案が毎年あがっては、毎年女性陣の猛反対で却下される、という話を聞きました。
なんか、わかるなあ。ポロシャツはいやだ(笑)