Posted on 2013年9月28日 by じじょうくみこ

四十路独女じじょうくみこの「崖っぷちほどいい天気」(19) 〜星降る秋の夜だから、JK的ファッションスナップ。

以前、福島に住む友人ザッキーに宇宙石なるものを見せてもらったことがあります。それは森の奥の奥まで進み、くねくねした細い山道を通り抜け、突然開けた広い草原の中にどっしりと鎮座した、それはそれは立派な1枚岩でした。

遠くから見るとエアーズロックに見えなくもない、威風堂々たる風情の岩がなぜ宇宙石かというと「どこぞの宇宙から降ってきたから」だそうです。なんだそのざっくりすぎる理由。

宇宙の神秘は、岩の表面にぐるりと入った美しい白線にあります。白いチョークをまっすぐに描いたようにしか見えない、それぐらいキレイな直線なのですが、触ってもこすっても消えません。そしてザッキーいわく「1年で春分の日だけ線の真上を太陽が通る」というのです。

マヤ文明のククルカン的な！?

チチェン イツァ (トリップアドバイザー提供)

 ↑年に2回、ピラミッドに羽のはえた大蛇ククルカンが姿を現します。

まあ、春分の日に通るのはいいとしましょう。

しかしそれなら秋分の日の立場はどうなるのか。

そのあたりのぼんやりした感じが宇宙のファンタジー、アースウィンデンファイヤーくみこです。

というわけで秋分の日が過ぎ、だんだん夜が長くなってまいりました。11月にはアイソン彗星という大きなほうき星もやってくるらしいし、空を見上げて星を眺めるのも楽しい季節ですが、そんな折、中学生の姪っ子からえんぴつをプレゼントされたのです。

唐突です。まったく唐突です。

いきなりオシャレ雑貨屋に連れていかれて「6Bから12Bまでございますが、どれになさいますか?」と店員さんに聞かれました。12B。それは何に使うのでしょうか。そしてそれを私にどうしろというのでしょうか。よくわかりませんが、選べというのでとりあえず「筆圧高いので、ろ、6Bで」と答えました。

そんなわけで星のきれいな夜なのに、なぜか下を向いてえんぴつをにぎる日々なのです。せっかくなので、絵を描いてみることにしました。最近はしょっぱい話題が続きましたので、今回は趣向を変えて、街角のメンズファッションをスナップします。

☆JK的ファッションスナップ☆その1〜希林と茶

↑見づらくてすいません。クリックすると大きくなります(以下同)。

気になります。ものすごく気になってます。

朝の出勤時間に時々見かける同じファッション、同じヘアスタイル、同じリュックの、60代らしい総白髪の女性とアラフォーっぽい男性の2人組。親子にしては親密な感じがなく、宗教系と言うには一澤帆布が輝きすぎています。

☆☆JK的ファッションスナップ☆☆その2〜ギョーカイの男

特に赤坂とか六本木とか汐留とかってわけじゃなく。

住宅街の中をポロシャツ姿でケータイかけながら歩いているのです。

会話の内容から、どうもテレビ業界っぽいアラフィフ男性。常にポロシャツ。色違いを日替わりでコーディネート。えりを立てるあたりにバブル感があふれています。サラフワヘアを目指していると思われますが、いかんせん髪の毛の細さが際だつ仕上がり。天気がよい日は地肌が透けて見えそうです。たぶん短くしたほうがいいと思うよ、と声をかけるタイミングを狙っています。

☆☆☆JK的ファッションスナップ☆☆☆その3〜麻生太郎も歯が命

目立ってます。ものすごく目立ってます。

歯医者の待合室で。

おそらくリタイア済と思われるアラカンおじさま。地元の人しか来ない小さなクリニックで、全てがパリッパリのキラッキラ。全身が攻めの純白、差し色はシャツの赤。治療が終わると帽子を斜めにかぶって「ミカちゃん、いくら？」とニヒルにジャリ銭をポケットから出します。

世の中にはいろんなメンズがいるものです。

そして、いいえんぴつを使っても絵ヘタに変わりはないと痛感しました。あと、人間って年と共に字もヘタクソになるのだということを知りました。

 秋の夜長、日ペンの美子ちゃんにペン習字でも習おうかしら……。

By　じじょうくみこ (文/残念なほうのイラスト)

Illustrated by カピバラ舎　(なにげに挿絵は新作)

*「崖っぷちほどいい天気」は毎週土曜日更新です。

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