だよなあ、と思う、という君は一体誰だ。
居酒屋のようなお酒が入る場所でなくても、近頃の若い女性の発する言葉の荒さには驚くというか嫌気が差す。女通しで「てめえ、それおかしいだろ」なんて言い回しは当たり前、「なんだよ。そんなこと言ってねえよ」と男性を面罵するような場面もよく見かける。もちろん、一触即発というほど切羽詰まった場面ではない。友だち同士の軽いノリなのだけれど、驚くほど荒い言葉づかいでやりとりをしているのである。正直、これはもうどうしようもないと諦めている。身近な女子が、そんな話し方をしていれば、もちろん指摘はするのだけれど、見ず知らずの方々を叱って歩くわけにはいかない。
諦めてはいるのだけれど、ものすごく気になる言い回しがある。正確には話し方ではなくて書き方なのだが、どうも最近気になるのは「だよな」という書き方だ。例えば、ある出来事に対しての感想などが記述されていて、「あの時の対処の仕方としては、あのやり方がベストだよなあ、とは思うのだが…」とか、「それって、とてもいいよなあ、と思う」とか、あの「だよなあ」とか、「いいよなあ」とか言うときの「よなあ」というのはなんだろう。
話し言葉でも、たまに聞くのだけれど、書き言葉だと読んだときの方が違和感が大きい気がする。普通に「あのやり方がベストだなあ、と思う」でいいじゃないか、と思うのだが、「だよなあ」を使う例がとても多くなっている。
個人的には「だなあ」よりも「だよなあ」のほうが砕けていて、その上、ちょっとばかり雑なイメージがある。というよりも、男言葉のような感覚がある。正確なところは知らないけれど、少なくとも、僕が子どもの頃、周囲に「だよなあ」という女性はいなかった。男性にしても、話し言葉としてはあったとしても、書き言葉として「だよなあ」という書き方をする人はほとんどいなかったのではないだろうか。
若い女性がブログなどで「だよなあ」という言葉を使っているのを見ると、「だよなあ」なんて言っている君は何者だね、と思ってしまう。少なくとも、その言い回しを俺に向けてくれるな、と思うし、友だちになれる気がしない。そして、この言い回しに限らず、若干男っぽい言い方、書き方をしてくる女子に限って、まったくサバサバしていない、ということが多いのだ。
植松さんとデザイナーのヤブウチさんがラインスタンプを作りました。
ネコのマロンとは?→★
「ネコのマロン」販売サイト
https://store.line.me/stickershop/product/1150262/ja
クリエイターズスタンプのところで、検索した方がはやいかも。
そして、こちらが「ネコのマロン、参院選に立つ。」のサイト
http://www.isana-ad.com/maron/pc/
植松眞人(うえまつまさと) 1962年生まれ。A型さそり座。 兵庫県生まれ。映画の専門学校を出て、なぜかコピーライターに。 現在、神楽坂にあるオフィス★イサナのクリエイティブディレクター、東京・大阪のビジュアルアーツ専門学校で非常勤講師。ヨメと娘と息子と猫のマロンと東京の千駄木で暮らしてます。
★これまでの植松さんの記事は、こちらからどうぞ。
くるりん
こんにちは。くるりんと申します。
若い世代の話し言葉の荒さ、は私もとても気になります。総カジュアル化の弊害でしょうか。
着るもの、話す言葉、所作…そういったものから内面を判断されがちですし、丁寧に生きることは大切にされる自分をつくること、だと思います。
>そして、この言い回しに限らず、若干男っぽい言い方、書き方をしてくる女子に限って、まったくサバサバしていない、ということが多いのだ。
そうですね(^-^) 同感です。
女性であること、ときちんと向き合い消化しているかた。
そういう女性の方が潔く、サバサバしていてある意味男性的なのかもしれませんね。
uematsu Post author
くるりんさん
もしかしたら「だよなあ」という話し方は、
気にならない人はまったく気にならないのかもしれませんね。
でも、気になり出すとものすごく気になってしまって。
あんまり「らしく」というと、男尊女卑のようにとられるかもしれませんが、
そうではなく、女性らしく、男性らしく、丁寧に話す人が個人的に好きなのです。
okosama
uematsuさん、こんばんは
いまどきの若い男女の性別を離れたところでの平等感は、我々の若い頃とは大きく違って、よりフラットになっていると感じます。
ですから、「だよなあ」くらいでは、女性らしさをそこなっているとは思いません。
若い女性がわざわざ荒っぽい言葉遣いをするのは、自分の女性性を過剰に意識している裏返しだと思います。くるりんさんの最後のコメントに同感です。
uematsu Post author
okosamaさん
そうですね。
僕もそう思います。
僕も「だよなあ」という言葉使いが、それほどとは思わないのです。
ただ、妙に違和感をもって迫ってくる何かがあるような、そんな気がするんですよね。
むちゃくちゃ乱暴な言葉ではないからこそ、余計に入ってくるのかもしれません
はしーば
30年以上前の私が田舎の高校生だった頃、女子達の間では男言葉が流行っていました。
だからと言って、大人になってからも使い続けている人はいなかったようです。
そう考えると、「最近の」若者に限らず、okosamaさんのおっしゃる、女性性の過剰意識がそうさせる、年齢的なもの、なのかも知れません。
一方で私の田舎、茨城の県南部の農家のおかあさん達は、昔から自分のことを「オレ」と呼び、旦那さんや家族との会話は完全に男言葉です。
「〜じゃん」のような、方言的な要素が入り込んだ、という説は無理があるでしょうか。
uematsu Post author
はしーばさん
僕も年齢的なもの、とも思うんですが、もしかしたらそれとは違い、男女差がなくなっていく前兆みたいな気がすることがあります。
アメちゃん
たしかに、「だなあ、、」と「だよなあ、、」とは
それぞれニュアンスがビミョーにちがうように感じますね。
でも、「だよなあ」のほうが雑な感じはしないかなぁ。
人それぞれ、言葉に対する感受性がちがうのが面白いですね。
わたしが最近気になっているのは
「トリセツ」とか「スマホ」とか、言葉を短縮することで
こういう言葉を口にするのが好きじゃないので、私自身は使わないです。
以前、友人に「タンプレをさぁ、、」と言われて
「え???何??」と聞き直しましたよ〜。(「タンプレ」なんのことか判りますか?)
あと。
なんでかは説明できないんですけど
「パンスト」は、なんかとってもハズカしいです~~;。
uematsu Post author
アメちゃんさん
僕は「だなあ」は全然平気というか、
なんとなくですが、高峰秀子が映画の中で知り合いの女子に向かって
「そういうの、好きだなあ」と言っている感じがします。
これが同じ高峰秀子でも、
「そういうの、好きだよなあ」と言われると
男が物事をほんのちょっとだけ相対化して言うときの言い回しかな、と。
完璧な主観じゃなくて。
僕のなかで、女性のほうがモノをハッキリ言う感覚があるので、
この微妙な相対化が気持ち悪いのかもしれません。
いや、なんとなくなんですけど。
タンプレはまったくわからなかったので、検索してみました。
誕生日プレゼントだった!おどろいた!
担任の先生にバレンタインのチョコをプレゼントする、かと思ったのに!(笑)。
nao
「女らしく」「女らしさ」という言葉には、大変抵抗感がありました。
思春期の多感な頃にウーマンリブの洗礼を受けたワタクシは
「もっと女らしく」という先生に「らしくなくても私が女だ!」と言って、あきれられておりました(笑)
今どきの子に負けないくらい言葉遣いも荒かったです。
今は、大人ですので「らしさ」というのは服と同じで身にまとうものと理解しています。裸で人前には出ません。
今どきの子が「らしさ」に抵抗があるのかどうか分かりませんが、服と同じなので、きっと流行もあります。私がまとっているのは少々古くさく、若い子のは超ビキニくらいの感じなのかもしれません。
(変なたとえばかりで分かりづらくてすみません)
私も脱ぎさってみれば今でも大変なものですよ。
いや脱ぎませんけどね(^^)
uematsu Post author
naoさん
僕も「らしく」というのが本当に嫌でした。男らしくとか言われると、どうしていいのかわからなくなるくらい。
高校時代は、男だけど主夫になりたい。社会になんて出たくない。と本気で思ってました。
いまになると、らしさ、というものには、自分らしさが出る前のオーソドックスなルールというか、そういう優しさがあるのかな、と思うことも。
逆に余計なお世話だと思うこともあります。
アンジェラ
どんな意見が出るのかと興味深くコメント欄を拝見していました。
okosamaさんのおっしゃる女性性の意識の裏返し、というのもわかる気がします。
私も若い頃、見た目は女の子らしくしていましたが、周囲の男性から「人」としてでなく「女」としてばかり見られるということに抵抗があった時期がありました。その頃はわざと荒っぽい言葉遣いをしてみた事もあります。
今は私も、若い若くないに関わらず、男女ともに荒っぽい言葉遣いをする人は好きではありません。
男の人は特に、女の人がいわゆる男言葉を遣うのが嫌いなのではないでしょうか。うちの夫がそうです(笑)
ちなみに「だよなあ」は私の周りではあまり見かけません。
ぜんぜん関係ないのですが、若い女の子達が自分たちのことを「うちら」と言うのが苦手です。
uematsu Post author
アンジェラさん
確かに、男だから余計に女性に男言葉に敏感なのかもしれません。
僕は若い頃、就職雑誌を見て、なぜ、男には一般事務の仕事が無いのだろうと、
真剣に憤っておりました。
女性らしくすれば、事務仕事をさせてくれるなら、
女性らしくしてもいいのよ、なんて周囲に言っていたこともあります。
ちなみに、うちら、は僕も本当に苦手です。