あいみょんに傷つくココロ
あいみょんが売れている。たまたま見ていたテレビ番組のテーマソングとして、デビュー間もないあいみょんの歌が流れてきたときに、ネットで調べ配信された曲を聴いた。とてもいい曲だと思った。そして、あれよあれよという間に注目され、起用され、引っ張りだこになって人気者になった。
歌詞だけを見ていると、フォークソングの黎明期に流行った曲を彷彿とさせ、同時にパンクロック的な過激さも持ち合わせていて、とても面白い。そして、面白いのはそんな歌詞を乗せる曲が繊細で力強く変幻自在なところだ。
デビューアルバムを飽きるほど聴き、2枚目を聴きしている間に、あいみょんはさらに力強く歌を発する存在になっていった。「一等賞を獲る人は、まっすぐ出てくる」とかつてコピーライターの仲畑貴志さんが言ったように、あいみょんもまたまっすぐに出てきて、まっすぐに伸びて、一等賞の位置に着こうとしている。
おそらく、あいみょんのようなあんなに素直で過激な歌を最大公約数に届けられる人は幾千万といる歌手の中でも希なのだろう。そして、まっすぐに出てきた人だからこそ、まだまだあれやこれやと無駄なものを加えたり、必要なものを引いたりしなくても、歌を作り続けることができるのだろう。
そこだ、たぶん問題なのは。あいみょんの歌は僕にはものすごく響いてしまう。響きすぎる。例えば、こんなコラムでさえ、僕は忖度している。これを書くと、アイツが読んだときに怒るんじゃないのか、とか考えている。それなりに気を遣った書いていたりするのである。
ところが、我らがあいみょんは整形した友だちのことを歌う、別れた恋人のことは曲にする。そんな迷いのなさがあいみょんの面白さだ。そして、面白から聴く。聴くと心に響いてすこしばかり気持ちが揺れる。揺れているうちに自分のだらしなさや卑怯な部分に気付いて、今度は傷ついたりしてみる。
あいみょんを聴くと傷つくのさ。ほんと。若い人はいいと思う。あいみょん聴いて噴気して、明日のことを考えられる。だけど、僕たちのようにおっさんになると、素直すぎる内心の吐露は辛いのよ。やたらと共感してしまうだけに余計に辛い。だって、辛い今日までをなんとかするための明日が圧倒的に少ないんだもん。
ま、それでも明日はくるのさ。そして、来たるべき明日に向かって、どんだけおっさんになってもやっぱりやるべきことはあるのさ。そりゃわかってるさ。わかってるから、あんまり素直に歌わないでくれよ、と、僕なんてあいみょん聴かない月間を作ったりするのさ。
ちなみに11月は散々聴き倒して、12月は聴かないことにしようと心に決めている。
植松さんとデザイナーのヤブウチさんがラインスタンプを作りました。
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植松眞人(うえまつまさと) 1962年生まれ。A型さそり座。 兵庫県生まれ。映画の専門学校を出て、なぜかコピーライターに。 現在は、東京・大阪のビジュアルアーツ専門学校で非常勤講師も務める。ヨメと娘と息子と猫のマロンと東京の千駄木で暮らしてます。サイト:オフィス★イサナ
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okosama
uematsuさん、こんにちは
uematsuさんがあいみょんのことを書いてはる!といそいそとと、読みました。
あいみょん愛が深い〜。
メジャーな曲しか知らないのですが、おっしゃる通り、素直で過激な歌詞ですね。
私は、あいみょんの声が好きです。あの歌声が聞こえると、聞き入ってしまう。
聞き入ってしまうだけに、菅田将暉に提供し、2人で歌っている「キスだけで」という曲がラジオから流れてきたときは、あまりの過激さに、車のハンドルを持つ手が固まりました。信号のない一本道で良かった(汗)
uematsu Post author
okosamaさん
こんにちは
あの素直さには驚きます。
そして、あの声を引っかかりがいいですね。
菅田将暉との曲はまだ聴いていないので、さっそく聴いてみます。