グローバル化の果てのオリンピック延期
新型コロナウイルスが世界的に蔓延している。中国・武漢から始まった厄災は近隣国を蝕み、アッという間に世界を恐怖に陥れている。日本でも都市部で日に日に感染者が増加し、間もなく首都封鎖もあるのではないかと噂されている。
2020年は東京オリンピックが開催されるオリンピックイヤーとして華々しく過ぎていくはずだった。しかし、そのオリンピックはすでに来年7月開催に延期が決定し、みんなは口々に「そんなことより」と新型コロナの広がりと対策を論じている。
僕は専門家ではないので、新型コロナやウイルスについてあれこれ話せる立場にはない。けれど、この新しい未知の新しいウイルスがこんなにも短時間に世界中に蔓延した理由はわかる。グローバル化によって、世界が近くなったせいだ。このことに異論がある人はいないだろう。
いまは世界は互いに補い合っている。日本に住み、アメリカ・アップル社のiPhoneを注文すると、アップル社は日本や中国やマレーシアやベトナムの下請け企業に部品を発注し組み立てを依頼する。いや、アメリカのアップル社でなくても、日本に住み、日本のパナソニックにシャワートイレを発注しても、中国企業から部品が届かないからと受注できなかったりする。
自国ですべてをまかなえなくても、みんなが助け合えばいいじゃないか。国境なんて気にするな、通貨なんて共通でいいじゃないか、とEUが生まれたわけだ。いや、そんな単純な理由だけじゃないはずだけど、まあ、大きく間違ってはないと思う。
そんなふうにして世界中の人たちは敷居を低くして、互いに理解して、互いに行き来して、一緒に幸せになろうと努力してきた。そんな「世界はひとつ」的な世界では病気だってあちらこちらを行き来する。いいことだけが行き来するなんてことはない。新型コロナウイルスだってスルリとすり抜ける。そして、等しく世界中を恐怖に陥れて、病気に関してもグローバル化していることを知らしめる。
たくさんの人が亡くなっているので、僕も冗談ではなく言っているのだけれど、今回の新型コロナ騒動は世界が本当にグローバル化していることをダイレクトに教えてくれている気がする。しかし、世界中の国々が互いに助け合い、知恵を出し合えるか、という人としてのグローバル化が果たせているかどうかは微妙なところだと思う。それを問うための病気だとは思わないけれど、それを問われていることは確かな気がする。
世界の人たちが集まる平和の祭典が来年7月に延期された。つまり、来年の7月までに真のグローバル化を果たし、この厄災を乗り越えなければ、僕たちにオリンピックを開催する資格はないのではないかとさえ思えてくる。
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植松眞人(うえまつまさと) 1962年生まれ。A型さそり座。 兵庫県生まれ。映画の専門学校を出て、なぜかコピーライターに。 現在は、東京・大阪のビジュアルアーツ専門学校で非常勤講師も務める。ヨメと娘と息子と猫のマロンと東京の千駄木で暮らしてます。サイト:オフィス★イサナ
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