マスクを外す女と、白髪染めをやめるタイミング。
マスクをしているのである。もう理由は簡単。新型コロナにかかるのがいやだから。で、ここしばらくみるみる新規感染者が減っているからだろう、今日東京の街をうろうろしていたら、マスクをしていない人を三人ほど見かけたのである。ついこの間まではマスクしていない人なんて、一人もいなかったのに。そして、今日見かけたマスクなし人間の三人が、これはもうたまたまなのかもしれないけれど、全員が若い女性なのである。
地下鉄の駅で、コンビニで、路上で、今日すれ違ったマスクなし女性は、なかなか堂々と闊歩していたのだった。事情はわからないけれど、たぶん「もう、これだけ新規感染者数が減っているんだから、もういいんじゃないの」的な潔さというか、確固たる自信のようなものを感じるのだった。だって、こっちが見慣れぬ様子に驚いて、チラッとマスクなし女性を見たところで動揺の欠片もない。どっちかというと、「何がわるいの?」的な雰囲気だったような気がする。
正直、僕もそう思っているのだ。だって、人が溢れかえっている東京で、新規感染者が10人を切ったら、もう大丈夫だろうって。だけど、まだマスクを外して万が一ということがあったら嫌だし、第一ひと目というものがある。いや、ひと目が最優先なのかもしれない。
ということを考えていたときに、白髪染めのことを思ったのである。僕は三十代のころから白髪が多く、髪を染めている。いわゆるカラーリングというやつだ。以来、ずっと染めているのである。しないと白髪が目立つ、という理由で始めたわけだが、年齢的には白髪があっても当たり前、という年齢になった。そろそろ、やめてもいいんじゃないか、と思っているのだが、正直、いまどの程度の白髪率なのかがわからないのである。辞めてしまったらものすごい白髪、ということなら、辞めた直後から「ものすごい白髪だ!」というになってインパクトを与えるという手がある。でも、中途半端な白髪なら見栄えが悪いなあ、という気もする。あと、白髪にするタイミングによっては「うえまつさん、急に老け込んだなあ」と思われるのもいやだしな、と考えていると、どうもタイミングがわからなくなるのだ。
でも、いきなりマスクを外せる女性は、それが正しいのか間違っているのかは別にして、白髪染めも「もういいや」と自分が思った瞬間に辞められるんだろうなあ、と思うのだ。まあ、コロナ禍のマスクと白髪染めを一緒に語るな、という声もあちこちから聞こえてきそうだけれど、思ってしまうものは仕方がない。そして、正誤に関係なく、自分が思ったことは素直に実行できる人間になりたいと僕は心から思っているのだ。でもなあ、僕は実は気が小さくて気にしいなので、たぶん無理。世の中の大半がマスクを外すようになってから、恐る恐るマスクを外し、誰かに「もうそんな髪が黒々してる歳でもないでしょう」と息子でも言われて初めて白髪染めを辞めるんだろうな。そんな気がする。
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植松眞人(うえまつまさと) 1962年生まれ。A型さそり座。 兵庫県生まれ。映画の専門学校を出て、なぜかコピーライターに。現在はコピーライターと大阪ビジュアルアーツ専門学校の講師をしています。東京と大阪を行ったり来たりする生活を楽しんでいます。
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きゃらめる
ステイホームはを毛染めをやめる、よいタイミングかもしれんと、自分も思っています。
白髪のないころに茶髪に憧れるけど母親がうるさくて、波風たてないために染めずにいて。
白髪が目立ち始めた頃、自分以上に周囲が、なぜ染めないのかと、うるさくて、それが面倒で染めて。
(この頃母親は老眼のおかげで染めてるのに気づかなかった)
人目ばかり気にしてるなぁと思うが、
気になるのだから仕方ない。
で。
敏感肌なのでカラーリングではなくマニキュアなのだが、最近染めた後めちゃくちゃ頭が痒くなるのがストレス。そろそろヤメ時か?でももうすこし、若い店員さんにお洒落ですねと言われる青いアタマでいたいなぁ?弱ったなぁどうしよう?←イマココ
uematsu Post author
きゃらめるさん
そうなんですよね。
オシャレでやってるっていうのと、人目を気にしてるっていうのは、言い方の違いだけじゃん、と思ったり、いや全然違うのさ、と思ったり。
始めるのは簡単だけど、辞めるのってちょっとした思い切りが必要ですね。
Jane
私の周囲(アメリカ)ではマスクをしている人達が集まる場所としない人達が集まる場所が自然にわかれています。集まる時点でおおまかに意志を問われる選別があり、さらにそのグループ内に居続ける過程で多数(や力のある人たち)に少数が迎合したり去ったりする結果、そうなっていくようです。夏の間は、すべてに神経質な上司のもと、感染リスクのあまりない広い職場で我慢大会のように汗をかきかきマスクをしていましたが、つい最近感染リスクの高い、人口密度高い職場に転職したら、そこではマスクを全員やることと決まっているのに、やっていない人が2割くらい、ペラペラ布マスクで鼻出し5割くらい。職場のリーダーには初日に素手で握手を求められたほど(顎マスクすらしない信念ありの人とみられる)。そういう環境にいると、コロナなんてワクチン打ってれば大丈夫よ―!的な気持ちになってきて、そこに「マスク着用にうるさいアジア人」と思われたくないという気持ちも絡むのですが、他の人がマスクをしていないなら尚のこと、自分を守るのは自分のマスクだけ…ということで、私はマスクをし続けます。
uematsu Post author
Janeさん
国によって雰囲気がだいぶ違いますね。
日本はどこへ行っても基本マスク着用で、鼻だししてるだけでもバスの中で見知らぬおじさんに注意されたりします。
僕はワクチンも受けていないので、人前ではマスクははずしません。
あんず
うわ、ワクチン受けてないと言う人
初めて見ました。
60代女性ですが、周囲に受けていない人はいません。
家族、友達、ご近所さん、
「変人枠でよろしくね」とお願いしています。
もちろんマスクはしています。
白髪染め(グレイヘァとよんでね)もしています。
uematsu Post author
あんずさん
そうですか。みんな打ってますからね。
僕の場合はアレルギーがあるので医者から「打たない方が」と、言われて様子を見てます。
僕の周囲には打ってないという人は多いですよ。
僕みたいに体質的な理由の人と、中にはワクチンが信用できないという人もいますね。でも、そういう人は、昨今のワクチン警察のような人たちにとやかく言われないように、黙っているようです。
打つか打たないかの自由は保証されているので、それでとやかく言われるようなことがあれば、戦うしかないですね。
あんず
アレルギーですか。
ちゃんと言い訳(コラ)になりますね。
みんながヒステリックになっていた春ごろには同調圧力がひどかったです。
だってみんな寄るとさわるとワクチンの話で、
受けないと言わざるをえなくて、引かれておりました。
落ち着いてからみんなと話してみると、
自分が属している社会で、自分が感染させてしまったとき、
ちゃんと対策はしていたという免罪符(?)にしたい。
もしくは、さっさと済ませて行動したい、遊びたい、というかんじです。
私は、700万人強の日本の60代女性の中、
200人ほどしか死亡していない感染症のために、
治験が積みあがってない上に、
3日も熱がでたりする副作用の強いワクチン、
怖くてよう打たないし、打つ必要があるとも思えないので、
ガン無視しています、と伝えました。
このごろは社会も落ち着いたようで、
みんな違ってみんないい、
と認め合えるようになっています。
uematsu Post author
あんずさん
打つ打たないは個人の自由、
というのが原則ですからねえ。
多少のリスクがあっても、
全員、打つのだ!
という法律もないし。
同調圧力も僕の周りには全くなかったし、
SNSは基本あんまり見ないし。
という感じで今に至ります。
打つ人も打たない人も、
結局分からないことが多いんだから、
あんまり大きな声を出さなきゃいいのに、
と僕は思っています。