ミカス、カナダへ飛ぶ : 洋食にしいや! (終)
5泊なんてあっという間だね。
このカナダ旅レポートもこれが最終回です。
前回は「ミカスにとんでもないことが起こる」ともったいぶった
終わり方をしましたが…
起こるよ。
旅の終わりを切なく思いつつ到着したバンクーバー空港。
これで青春も終わりかな、と呟きたくなる気持ちを抑えつついると
「実はわたくし、バンクーバー空港のラウンジ押さえました!」
と、N嬢突然の宣言。(今回から嬢が付く)
そう、実はプレミアムエコノミー、
プラス2,000円程でラウンジを使うことができるのです。
無条件ではないものの、
普通に待っていてもなんやかんやターミナルで2,000円くらいは
使ってしまいそうだものなぁ。
N嬢、グッショブ!
いやぁ、楽しいね、ラウンジ。
椅子、ふかふかだよ。
そこにある食べ物、飲み物、好きなだけ飲み食いできるんだよ。
何回おかわりしたっていいんだよ。
食べたそばから係の人がお皿片付けてくれるんだよ。
旅の終わりが切ないなんて気取ったことを言ってた舌の根も乾かぬうちに
浮かれに浮かれるプラス2,000円のプレミアム小市民。
(「ラウンジなんて日常茶飯事」という方、小市民の戯言笑って許してね)
<ラウンジから眺めても雨は雨>
それはミカスにとってはとんでもないことが起こったね、
と思ったあなた!
まだ起きてないんだ、これが。
ラウンジはまだ序章の序章だったんだ…
いよいよ搭乗時間が近づいてきて、
楽しいラウンジに短い後ろ髪を引っ張られながら、
カウンターのクッキーを鷲掴みにして
出発ゲートへ向かう、所詮はプラス2,000円の小市民。
ラウンジの夢からも覚め、
飛行機に乗り込んでしまえば、いよいよこれで青春も終わりかなと呟いて
にぎやかなゲートでおセンチメートルになる私。
すると、
「ミカス&N嬢、今すぐエアカナダの搭乗カウンターに来て」
との放送が。
呼び出しというと条件反射で「怒られる!」と身をすくめてしまうのが
不出来な人生を歩んできた私の性。
私、何か悪い事したっけ?! いや、N嬢か?!
ビクトリア空港でN嬢の荷物が重量オーバーで引っかかったのを
ここで怒られるんじゃないの?!
恐る恐るカウンターへ行くと、満面の笑みのおばちゃまが
「今日はあなたたちをグレードアップしてあげる。
スペシャルよ」
差し出されたのは、ビジネスクラスのチケット2枚。
キター!!!!!!!!
起きたね。
ぽかーんと口開けて、きょろきょろとあたりを見回すミカス。
あの時の自分に声をかけてやることができるなら
「落ち着いていきやー!」
こんなに食べられません、ってくらいのナッツ。
ちゃんと小皿に盛られいてるので、ナッツ姫が逆上することもない。
さすがはエアカナダ。
「ジャッキー」見た。
しんどかった。
前回の旅では「ブラックスワン」見た。
やっぱりしんどかった。
飛行機でのナタリー・ポートマンにはご注意を。
素敵なおじさまがテーブルクロスを広げてくださって食事がスタート。
ラウンジで浮かれたので、機内食はさっぱりと和食を選択。
これ、前菜。
ひとつひとつが不思議な味。
決して不味くはない。
でも、美味しいと言い切る自信はない。
メインは、牛肉のナントカ。
ごめん、ナントカとしか言えない記憶力の無さ。
盛り付け、ちょっと、ね。
そして、お味噌汁…ただの白湯だった。
出汁も味噌も何も感じられない。
隣のカナダ人のおじさん、嬉しそうに日本食頼んでたけど、
これが日本の味だと思わないで欲しい。
「おじさん、ごめんね。
今度私がちゃんとした味噌汁作るから」
と言ってメアド渡したい衝動に駆られた。
あ、あと、お茶がぬるかった。
フルーツは美味しい。
どこの国でも大抵美味しい。
素敵なおじさまがワゴンで運んできて取り分けてくれました。
色々な種類のチーズと、食後のお酒もサービスされていたけど、
日本育ちの小市民(しつこい)だから、
食後にチーズとお酒なんて順番にびっくりして、丁重に辞退しました。
フルーツ来て、 チーズ来て、更にデザートが来た。
もう、小市民パニックを起こすの巻(笑)
チョコレートタルトにベリーのソース。
コーヒーは熱々でした。
到着前の軽食はラビオリをチョイス。
ラビオリは美味しかったけど、紅茶はぬるかった。
エアカナダ、今後の課題は飲み物の保温方法と見た。
塩コショウのデザインはクールで好き。
ちなみに、洋食バージョンビーフのナントカ(笑)を選んだN嬢は、
「美味しかったぁ!!」とほくほく顔でした。
そうかぁ、美味しかったのかぁ。
なんか、ちょっとだけ負けたような気持。
教訓『海外発の便は洋食にしいや!!』
とはいえ、フルフラット&自由に角度を変えられる座席、
(もったいなくて眠ってなんていられなかった)
いつでもお願いできる軽食のリスト、
(小心者だから頼めなかった)
ソックスやリップクリームなどが詰まったアメニティポーチなど
(もちろん持って帰ってきた)
ビジネスクラスの旅はとても快適でした。
カウンターのおばちゃまはスペシャルなんて言ってたけど、
今思えば、オーバーブッキングだったのでしょうね。
ああ、無理矢理引きずり降ろされなくてよかったよ。
さて、私のカナダ旅行に長々とお付き合いくださり
ありがとうございました。
初日にディナーに招待してくれたニーナが
「私が具合悪くて寝込んでいた時、ミカスはミソスープを作って
持ってきてくれたわね。あれは今でも忘れない」
と言いました。(出汁も味噌も効いていたと願いたい)
私、自分がそんなことをしたなんてすっかり忘れていました。
でも、良かった。
ニーナを始めたくさんの人に親切に親切にされて、
20年経った今も私はそのすべてを覚えているけれど、
私も少しは彼女たちの記憶に残ることしていたんだな、と。
母のことがあって、
もうどこにも行くことはできないと勝手にあきらめていましたが、
なんとかする方法はあるのだと、今回痛感しました。
来年もまた必ず行こうと思いながら、時々写真を眺めています。
次回からはまた大雑把レシピとおしゃべりのいつものミカ料に戻ります。
ミカスでした。
モリミー
カナダでの旅物語(食べ物語?)楽しく読ませていただきました。以前、住んでいらしていたところへの旅行は観光旅行とは、全く違いますよね〜。観光旅行では食べられない、家庭の料理が振るまってもらえるし。私もオーストラリアに友達がいて、訪ねた時に家族総出で、バーベキューをしてくれたり、泊めていただいたりして嬉しかったことを思い出しました。
ビジネスクラス ラッキーでしたね〜。神様からミカスさんへのご褒美だと思います。
日本食を機内で食べて、これが日本食かと思った外国人さん。残念ですね。私が小さかった頃には、イタリアンレストランなどなく、喫茶店で食べるケチャップ味のナポリタンを食べて、スパゲティ食べたと喜んでいたのを思い出しました。いつか、その外国人さんも、美味しいお味噌汁に出会いますよ〜〜。
また、ミカスさんちの 家庭料理を楽しみにしています。将軍様はいかにお過ごしだったのかしら(笑)
ミカス Post author
モリミーさん
オーストラリアにお友達なんて素敵です。
知り合いがいる場所への旅は安心ですよね。
そして、ガイドブックだけではたどり着けない場所へ行けたりして。
ビジネスへのアップグレード、本当に幸運だったと思います。
ともすれば引きずり降ろされていたかもしれないですから(笑)
外国の料理って、それが本物なのか「もどき」なのかがわかりませんから難しいですよね。
そんなギャップを知るためにも、食べ物を始めとした異文化に触れることが大切だなと思います。
ちなみに、将軍様はおとなしくショートステイをしてくれていました。