将軍様と私の昨今 : 鶏レバーの唐揚げ
ミカ料スタート時から読んでくださっている方はご存じだと思いますが、
私の母は初期の認知症を患っています。
そう、認知症です。
なのに、時々、私は認知症という言葉を使うことに抵抗を感じてしまいます。
なぜなのか、それは自分でもはっきりとはわかりません。
もしかしたら、私の中にまだ母の病を認めることへの抵抗があるのかもしれません。
毎月物忘れ外来に通い、認知症のための薬を飲ませ、
数分前のことを簡単に忘れてしまう様を何度も見ているというのに、
多分、抵抗があるのです。
だから認知症を物忘れと呼んでみたり、
このミカ料では、母のことを物忘れ将軍なんて呼んでみたりするのです。
最近の将軍様は、毎週ショートステイに行っています。
ショートステイを始める前は、毎日本当に大変でした。
母の病に対する認識がまだまだ甘かった私は、
病気から来る母の言動に対して、今まで通りに対応しても通じるものと
思い込んでいたのです。
色々なことを忘れたり、事実ではないことを事実だと思い込んでしまっている人を相手に
理屈で説得したり、いかに間違っているかを説こうとしたのですから、
そりゃあ大騒ぎになります。
毎日怒鳴り合い。
身も心もへとへとに疲れた挙句お医者さんに相談したところ
「物理的に距離を取ってください。なんとかお母さんから離れてください」
そこでショートステイを利用する決意がついたのです。
<プロに任せるところは任せる>
ショートステイに行くことを、母はとても嫌がります。
「なぜ私に言わずに勝手に決めてしまうの?!」
「もう死ぬんだから放っておいて!」
でも、お迎えがやって来れば、優しいスタッフさんに連れられて出かけていきます。
そして、あちらに着いてしまうと帰りたがることもなく、穏やかに過ごすようです。
とても機嫌よく帰ってきます。
どうやら友達もできたようで、あちらは毎週
「今日はミカス母さん来るかしら?」と楽しみにしてくださっているらしいのですが、
如何せんこちらは忘れん坊将軍ですから、覚えていられない。
毎週が初対面になってしまうところがちょっと申し訳ない気がします。
2泊3日、母がいない間、私は休んだり動いたり。
少し朝寝坊をして、母がいるとできない用事を済ませ、
(母は私がそばを離れることを極端に嫌がるので、スーパーへの買い物にも行けません)
友人と会ったり、妹と食事に行ったり、ただただゴロゴロしたりして過ごします。
先日、とある介護のプロの方から
「お母さん78歳ですか。まだまだお若いですね」と言われました。
他の方からは「78歳…あと20年ですね」と。
正直「マジかよ」と思いますよ。
「まだまだお若いから、あと20年はこれが続くのか」ってね。
いや、「これ」じゃなくて、おそらくはもっと大変になっているであろう日々が。
なんかね、複雑(笑)
まずは体力だよなぁ、健康だよなぁ、って思います。
今、私が倒れたら、全てが回らなくなります。
だから、食べるものも最近ちょっと考えてます。
いや、ちょっとだけね。
というわけで、今日は『鶏レバーの唐揚げ』です。
しっかり下処理をすれば、生臭さも消えて美味しく栄養補給。
『鶏レバーの唐揚げ』
- 鶏レバーは食べやすい大きさにカットします。
- ここで、必殺、レバーの臭み抜き!
レバーをボウルに入れ、塩、酢を加えて揉み込みます。
そのまま10分程放置するのですが、途中何度か揉み込んでください。
白っぽいネバネバが出てきます。
放置後は、何度も水を変えてすすぎます。
水が透明になるまでしっかりとすすいでください。ここで手を抜くと… - 2のレバーの水気をペーパータオルでしっかり拭き取ります。
- ボウルに醤油、酒、すりおろし生姜、すりおろしニンニクを混ぜ合わせ、
3のレバーを漬け込みます。できれば30分くらい。でも、私はいつも15分くらいに端折っちゃう - 4のレバーに片栗粉をまぶし、170℃の油で揚げれば出来上がり。
熱いうちに召し上がれ。美味しい食べ物って、体を整えるのにも、心を整えるのにも、結構大切。
期限が決められていないものと付き合っていくのは大変だけど、
手を抜くところは抜いて、ズルするところはこっそりズルして、
私はなんとかやっていこうと思います。ミカスでした。