揺さぶられる : ブロッコリーのかにもどきあんかけ
母のグループホーム入所が決まった。
見学に行って、入所までにはまだまだ待つことになるだろうからと申し込みをしたのが2週間前。
その2日後にS君から、会議でウェイティングリスト上の母の順位が3番目になったとの連絡が入った。
3番目とはいえ入所がいつ頃になるかは今のところ全くわからないということだったけれど、思いがけず前のめりに進む状況に私も妹も正直ちょっと動揺した。
いつ来るかわからないその日のために母と面接をしておきたいということになり、S君が母のショートステイ先まで出向いてくれた。
「僕、娘さんの同級生なんですよ」と世間話をしながら母の様子を見てくれたという。
そして3日前の朝、電話が入った。
「空きが出ました」
入所者さんが1人、隣接する特別養護老人ホームへ移ることになったという。それと同時に、母よりも上の順位で入所待ちをしていた方々の他のクループホームへの入所が決まり、母の順位が繰り上がった。
「明後日以降なら入所できますよ」というホームの方の言葉に、私と妹は何とも言えない気持ちになった。
ありがたい。
希望する施設に入所するために、何か月いや年単位で待っている人たちはたくさんいる。なのに私たちは、申し込みからわずか2週間でその時が回ってきた。
都会の施設と比べれば、待っていた人数がずっと少なかったのかもしれない。母よりも上位にいた人たちがこのタイミングで他の施設に入所が決まったことも大きな要素だっただろう。
「いくら知り合いでも、入所の順番を早めてあげることは僕にはできないからね。ゴメンね、いつになるかはわからない」と言ったS君の言葉を思えば、ただただめぐり合わせが良かったのだろう。
本当にありがたい。
でも、やはり私たちは少し動揺している。
取り急ぎ入所の準備を整えなくてはと出かけた買い物先でも、あれが要る、これはどうだ?と話し合いながら、言葉では上手く言い表せない複雑な感情がお腹の底の方にずしんと沈んでいた。
妹のそれが私のものと同じかどうかは分からないが、それを明らかにし合うことはせずに私たちは買い物を続けた。
そして妹が「たとえ、順番が回ってくるのが2週間後だって1年後だって、きっと私たちは、ありがたいと思いながらも私たちは少しだけ慌てるんだよ」と言った。
きっとそうだろう。
少なくとも私は、何十年とこの家を切り盛りし、この家を作り上げてきた人に、違う場所で残りの人生を送ることを強いたのだ。
もちろん、最近の母の変化に、このままでは私も母もダメになってしまうと考えた末に決めたことだ。
それでも、白黒や〇×で割り切ることのできない問題は、決心をしてからもずっと心を揺さぶる。
きっと私は、これからもずっと揺さぶられる。
買い物に出かけたその日は晩のご飯まで考えが回らず、冷蔵庫の中にあるもので簡単に済ませてしまいました。(あれ?いつもそうか?)
その中の1品が『ブロッコリーのカニもどきあんかけ』です。カニもどきとは、もちろんカニカマのことでございます。ちなみに、カニカマ、先日のテレビ番組で筋肉を作る食材だと紹介されてましたね。
『ブロッコリーのカニもどきあんかけ』
- ブロッコリーは小房に切り分けます。
茎の部分も皮をむいて8ミリ角くらいの拍子切りにして使いましょう。 - 1のブロッコリーを耐熱食器に入れ、少量の水を振りかけてラップをし、
電子レンジで加熱します。
加熱具合はお好みですが、柔らかすぎるとあまり美味しくないかも…お好みですが。 - 鍋に水と鶏がらスープの素、酒を入れて加熱します。
沸騰したところでカニかま(ゆとりのある方は本物のカニでどうぞ)と軽く割りほぐした卵白を加え
更に2-3分加熱。 - 3の味をみて塩で味を調え、水溶き片栗粉を加えてとろみをつけます。
冷めてとろみが消えないように、しっかりと加熱してください。 - ブロッコリーを器に盛り付け、4のあんをかけたら出来上がりです。
今年は本当に色々なことがあった1年でしたが、12月になって一番大きな変化がやってきました。人生って、まさにオバフォー(40歳以降)からが正念場なのかもしれないとつくづく考えています。
ときに、『カイゴデトックス』にご参加くださった皆さん、参加したかったけれど出来なかったという皆さん、その後どうお過ごしですか?皆さんの残りの2018年が穏やかだといいなぁ。
ミカスでした。
Jane
クリスマスツリーに明かりが一つポッと灯ったような気がしました。これはもう小さな奇跡級の展開の速さ。
どちらを選んでもそれぞれいいことと悪いことの両方がついてくる、っていうような選択肢、四十以降になると増えてくる気がしますね。
誰だってこういう選択を迫られたら揺れるし、ずっとこれでよかったのかなと思い続けますよ。でも、きっと神様が「こっちでいいんだよ」とミカスさんの小舟をちょっと押してくれたんじゃないかな、とわたくし解釈いたしました。
ミカス Post author
Janeさん
ありがとうございます。
Janeさんの解釈、とても嬉しいです。
入所が決まって以降、母はいつになく穏やかに過ごしていて、それを見るにつけ「まだ何とかいけるんじゃないか」とも思うのですが…
現実はそうではないんですよね。
押された小舟で進んでみようと思います。