黙って触ればピタリと当たる:リンゴとカマンベールのトースト
お恥ずかしい話、ここ何年、いや、10年以上下着のサイズを計ったことがない。
「多分これくらい」とあたりを付けて安いものを買い、それで大した支障がなかったので「これでいいや」とそのサイズのものを買い続けてきた。
しつこいようだけど10年以上。その間にサイズも形態も、それなりに変化をしただろうに。
体重が減ったのに、ぽっこりした下腹は相変わらず。じゃあ一体どこの肉が減ったというのか。明らかに肉が削げ落ちた場所がある。
お尻と胸。
前はぺたんこ後ろはぷりん!が理想の下半身は、見事なくらいに逆を行き、前はぶよぶよのまま、昔からボリュームのなかった後ろは更に貧弱になった。
胸は…あきらかにしぼんだ。
ショッピングモールのポイントが貯まると、それを使って下着を買うようにしている。また十分なくらい貯まったので、ブラジャーを買おうと売り場へ行き、「そうだ、久しぶりにサイズを測ってもらおう」と思い立った。
お願いしたのはベテランと呼んでいいお年頃の販売員さん。
彼女は、試着室の中に私を立たせてその真正面に立ち、「サイズを測るのは久しぶりですか?」と尋ねた。「はい。10年以上適当に選んできました。でも、ダイエットをしたら胸が小さくなったような気がするので」と答えると、「あら、素晴らしい!では、新しい下着で更にきれいに見えるようにしましょうね」。そして、上から下まで私の体を眺めると、脇の下よりやや下の部分に両手をぴたりと当てた。
「はい。身幅は狭い方なんですね」
首にかけたメジャーをしゅるっと抜き取ると、トップ、アンダー、そしてなぜかウエストとヒップのサイズまで計測する。なぜウエストやヒップまで?といぶかしんだ私に気付いたのか、「バストトップとヒップが近いサイズだときれいに見えるんですよ」と一言。とはいえ、測ったところで体のサイズは変えられないだろうに。
足早に試着室を出ると、3枚のブラジャーを手に彼女はまた足早に戻ってきた。
「お客様、まずはこちらを。一番奥のホックで止めてくださいね。左側のパッドは外してください。お客様は左の方が大きいですから。着け終わったらお声をかけてください」そう言うと素早く外へ出る。
「終わりました」と声をかけると、またまた素早く試着室の中へ。すべての動作に全くもって無駄がない。
「失礼します」と言うや否や、いつの間にか白い手袋をはめた手をブラジャーの中へ差し込んで、「斜め下から」と言いながら私の胸をつかんでぐいっと持ち上げる。そして、 「お客様、ほら」 と言って私を鏡に向かって真っすぐ立たせた。ああ、胸がきれいにボリュームアップしただけでなく、脇腹のラインがすっきりとしている。脇の無駄肉を騙し騙し胸の肉に変えてしまった。魔法使いか、この人は。
「では、その上から洋服を着てください」と言いながらまた足早に去って行った魔法使いは、次の瞬間、その手に1枚のガードルを持って現れた。
「お客様はお尻が小さいんですね。このガードルを試してみてください。きつくないのにお尻をしっかりと持ち上げることができます。試着はタダです」
果たして、素晴らしいブラジャーでしっかりと持ち上げられたバストと同じレベルで持ち上げられたお尻は、私のものとは思えないくらいぷりん!としている。
「バストトップとヒップが近いサイズだときれいに見えるんですよ」 とは、このことか。バスト以外のサイズを測ったのはこういうことだったのか。
魔法使い、おそるべし。
結局、魔法使いが勧めてくれた3枚の中から、ちょっとお高いブラジャーと、お手頃なものの2枚を買った。(ガードルは次の機会に)
魔法使いが「質のいいものを2枚持っていればしばらくは買い足す必要はない。
お高いものを2枚では大変なので、これとこれを」と勧めてくれた2枚だ。
会計を済ませてお店を出る時、魔法使いは私の目を真っ直ぐ見て、「私にできるお手伝いはさせていただきました。きれいに仕上がっていると思います。
お客様、自信をもってお帰りください」
なんて心強い言葉。
魔法使いに選んでもらったブラジャーを、魔法使いの指示通りに着けると、果たして、ボディラインがとてもきれいに見える。
とはいえ、魔法は時に現実の前に儚く消え去ってしまうもの。
私がちょっと油断してカツ丼でも食っちまおうものなら、魔法の杖、いや、ホックが止まらなくなっちゃう。ダイエットは続行中です。
それでも、食べたいときは食べたい。炭水化物、甘いもの…
というわけで、極力体に悪くない材料を選んで(私の場合は、血糖値が上がりにくいものと体重が増加しにくいもの)、それらしきものを時々食べています。今日の一品は、ちょっとヘルシーな材料を使った『リンゴとカマンベールのトースト』です。
リンゴとカマンベールのトースト
- リンゴをくし切りにしてから3ミリくらいにスライスします。
- 鍋に1のリンゴを入れてそこにラカントSをまぶしてしばらく置きます。
- リンゴから水が出たら弱火にかけ、リンゴがしんなりするまで煮ます。
お好みでシナモンを加えても美味しくなります。 - カマンベールチーズを薄くスライスしておきます。
- 低糖質のライ麦パンをトーストします。私はカリッと焼けたパンが好きなので、割と長めに焼きます。
- 焼きあがったパンが温かいうちに4のチーズをのせ、チーズが柔らかくなったら、その上に3のリンゴをのせて出来上がり。
ラカントSは、羅漢果エキス、エリスリトールなどからできている甘味料。人工甘味料不使用、着色料無添加でカロリーゼロです。人によってはその味にクセを感じる人もいるかもしれません。私も最初は砂糖との味の違いを感じましたが、すぐに慣れました。
また、私が毎朝食べている低糖質のライ麦パンは、こちらのものです。
近くで買えるパンよりは割高に感じるかもしれませんが、こちらのパン、どれもとても大きいのです。初めて見た時、びっくりしました。薄くスライスして冷凍しておけば、かなり長い間食べることができます。
糖質が気になる方は、こんな食材を試してみてはいかがでしょうか。
もちろん、きれいなボディラインを作るためには、下着売り場の魔法使いに会いに行くというのもかなり有効な手段だということもお忘れなく。
ミカスでした
Jane
いろいろな意味ですごいですねえ。魔法使いもダイエットの成果もお料理の写真も。舞い落ちた銀杏の葉の重なりのような、絵になる写真ですね。
ミカス Post author
Janeさん
すごかったですよ、魔法使い。
きびきびと動いて無駄がない。プロでした。
舞い落ちる銀杏の葉の重なりなんて、素敵な言葉をありがとうございます。