指 : アボカドとブロッコリーのわさび和え
一か所を片付けられない人間は、結局どこも片付けることができないのだなあとつくづく思います。
部屋の散らかり具合と同様、私のパソコンの中は壊滅的に混乱しています。どこに何が保存されているやら、まさにカオス。これはもう、きちんと整理しない事には大変なことになると覚悟を決めてファイルの整理を始めたのですが、昔の写真や何年も前に書いた文章に見入ってしまって遅々として作業が進みません。
そうこうしているうちにとある文章を見つけました。記憶に残しておきたくて何年も前に書いたものです。それを読むうちに、この出来事を経験した瞬間のことがとてもはっきりと蘇ってきました。あの時の風景、ざわめき、光の加減まではっきりと。私にとってはそれくらい強烈な出来事だったのだと思います。
そのまま削除してしまうのは勿体なくて(しかも、今週書くことなくて困っていたし)、ここで日の目を見せてやろうと思い立ちました。
私が何年も前に都内の某ホテルのロビーで経験した出来事です。
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会食のために訪れた某ホテルのロビー。
煌びやかに飾り付けられたクリスマスツリーの前で写真を撮る人や、待ち合わせの相手の元へ足早に駆け寄る着飾った人、旅の大きな荷物と共にフロントへ急ぐ人などで、それはそれは浮き足立った師走の風景です。
「都会ってすごいなぁ」人を待ちながら、私はそれをぼんやりと眺めていました。
そこに、明らかに異なる空気を漂わせている二人組が。60代前半くらいでしょうか、白髪混じりの男性と、清楚なワンピースを着た20代半ばほどのお嬢さん。男性の後にお嬢さんが続く感じでロビーを歩いて行きます。一見、連れなのか他人なのか分かりにくい距離を保って。お父さんと娘さんかしら?と思ったけれど、何かが違う。
二人はエスカレーターへ向かいました。
男性が先に立って、お嬢さんがその後からステップに立った瞬間、二人は申し合わせていたかのようにすっと手を動かして、お互いの指を一本だけ絡ませました。誰にも気付かれずに繋がるかのように。
心臓に釘を打ち込まれたかと思うほど、ドキっとしました。
とてもいけないものを見てしまったような、とても美しい瞬間を見てしまったような。いや、もしかしたら、とても穢れたつながりを目撃してしまったのかもしれないし。
これだけ多くの人がいる中で、恐らく私しか気付いていないのではないかと思う、静かな行為。しばらくそこを動けずに、2人がいなくなってからも私はぼんやりとエスカレーターを見上げ続けていました。
さて、今週ご紹介する一品は『アボカドとブロッコリーのわさび和え』です。これもカオスと化したレシピファイルから見つかったもの。とてもシンプルで以前はよく作っていたのですが、最近はそんなこともすっかり忘れていました。副菜が思いつかない時にぜひ。
アボカドとブロッコリーのわさび和え
- ブロッコリーを小房に分けてさっと洗い、耐熱容器に入れてほんの少し水を振りかけ、電子レンジで加熱します。
茹でてもいいのですが、蕾の部分に水がたまって水っぽくなりやすいので、出来ればレンジで加熱して下さい。 - アボカドは皮をむき、半分に割って種を取り除いたら大きめの賽の目に切ります。
- ボウルに、わさび、醤油、ごま油を入れてしっかりと混ぜ合わせます。醤油は少な目でもしっかり味がつくので、入れ過ぎないように注意して下さい。
- ブロッコリー、アボカド、3のわさびダレを混ぜ合わせれば出来上がりです。
さて、何か新しいことを始めたくなる春。
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ミカスでした。
Jane
今日はこれ作りますー。年がら年中、アメリカのお店でも気軽に手に入る野菜の代表の組み合わせ。
不道徳で穢れているとも美しいとも言える関係って、古今東西文学や映画に取り上げられるテーマで、結構多くの人が経験したり、身近で見聞したりするものかもしれません。が、それがこれだけ思い出の中で光を放つのは、二人の関係が、その指と指のさりげない触れ合い、その瞬間に凝縮されているからでしょうね。
何ページ、何ショットにわたってその前後を説明されるより、ワンカットだけであるがゆえに、無限の想像をかきたてるような絵。
ミカス Post author
Janeさん
もちろん私にはこの2人の事情はわかりませんが、2人がどんな関係であれ
Janeさんが仰るように2人の指が絡まった瞬間がすべてだったような気がするのです。
色々なストーリーに想像を巡らせることは簡単だけれど、それがとても陳腐な行為に思えてしまうくらい
あの瞬間の衝撃はすごかった。
アボカドとブロッコリーならそちらでも簡単に手に入りますね。
とても簡単なのでぜひ作ってみて下さい。