Posted on 2025年6月24日 by ミカス

弱い者認定 : 豆鯵の南蛮漬け

坐骨神経痛が再発しました。
朝目覚めた時に感じた左の太ももとお尻の違和感が、時間が経つにつれて強くなり、そして広がっていきました。
前回発症したのが新型コロナウイルスで巷が大騒ぎになっていた頃。2か月ほど痛みが続き、本当に大変だったのはしっかり記憶に残っています。そんな、今でも忘れられない痛みが再びやってきたのです。
またあんな毎日が続くのだとしたら…絶望しかない。

私がそんな状態でも、世界は気にもかけません。日々の暮らしはいつもと同じスピードで進みます。やらなきゃならないことはしらっとした顔で積み重なっていくのです。

坐骨神経が騒ぎだした当日に父の訪問診療がありました。その日から4日以内に薬をもらいに行かなくてはなりません。(処方箋の期限は発症日を含む4日間)　行かなくてはならないのです。
いつも行く薬局は歩いて10分ほど。何でもない時は気持ちのいい散歩ですが、さすがに今回は憂鬱です。
翌日、手元にある痛み止めの効き始めまでの時間と薬効がピークに達する時間を調べて、そこから逆算した時間に薬を飲んで出かけました。

左のお尻に手を当てて(なぜか手でお尻を持ち上げるようにすると痛みが少し和らぐのです)、ゆっくりゆっくりと歩きます。それでも不快な違和感が太ももの前後を這うように包み込んでいくので、時々は立ち止まってその感覚をやり過ごさなければなりません。

真夏かと思うような日差しの下をよたよたと歩きながら思いました。
こんなにぼろぼろなのに、それでもまだ私は人の世話をしなければならないのか。
これからどんどん老いていくであろうに、私はこの体に鞭打って、もっと老いている人の世話をしなければならないのか。
ふと泣きたくなりました。
私は弱い人ではないのか? 私はまだ誰かにケアをしてもらうに値しないのか?
一体いつ、私は弱い者認定をしてもらえるのだろう?

そんな泣き言を頭の中で唱えたところで、私を助ける人は誰もいないし、私のこの状況は何一つ変わりはしない。だったら唱えるだけ無駄とという事か。そう思ってまた歩き出しました。より強く左のお尻を持ち上げて。

老老介護などという言葉があるように、介護する側もそれほどには若くない・強くないというケースはざらにあります。いや、それがほとんどでしょう。みんなどうやって乗り越えているのだろうとふと考えることがあります。乗り越えるコツを知っている人もいるでしょうけれど、おそらく、多くの人が乗り越えきれないうちにまたひとつの山を登らねばならず、その山を乗り越えきれないうちにまたひとつの壁に直面して途方に暮れているのだろうなと思うのです。

お願いだから、早く私に「弱い者」の称号を授けてよ。そして、「おめでとうございます。晴れてあなたは弱い者となりました。もう誰の世話もしなくていいですよ」と言ってくれないだろうか。

その数日後、右手の薬指と小指をなかなかのレベルで火傷しました。
ああ…。

揚げ物をして火傷をしたというのに、また揚げ物をしてしまいました。いつもよりちょっと恐る恐るでしたが。というわけで、今日ご紹介するのは『豆鯵の南蛮漬け』です。骨を心配せずに丸々食べたいならできるだけ小ぶりな、それこそ豆サイズの鯵を使って下さい。

豆鯵の南蛮漬け

鯵は頭を落とし、腹の部分に切れ目を入れて内臓を取り出します。
玉ねぎ(新玉ねぎならなお良し)をスライスしておきます。
バットや保存容器などに漬け汁を作っておきます。
醤油、酢、砂糖をしっかり混ぜ合わせます。砂糖が溶けにくい場合は、合わせた漬け汁をレンジで軽く温めると溶けやすくなります。また、酢がきついのが苦手な方は砂糖を多めにするか、カンタン酢を使うとまろやかになりますよ。
スライスした玉ねぎを漬け汁に加えます。
ペーパータオルなどで鯵の水気をしっかり拭き取り、小麦粉を塗します。
170℃くらいに熱した油で鯵を揚げます。
くれぐれも油によるやけどにご注意を。
骨もそのまま食べられるよう、じっくりと揚げましょう。
鯵の表面がきつね色になって、見た目がカラッと揚がったような状態になったら油から上げ、漬け汁が入っている容器に直接入れます。
軽く混ぜ合わせ、鯵が漬け汁になじむまでしばらくおいてから召し上がれ。

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