【File No.5】 身内の悪口対応、どうしましょう?
高校時代の同級生のNさん(女性)は病身のお母さんを介護しているまじめな頑張り屋です。
わたしをはじめ友だちに長い電話やメールでグチや弱音をもらすのですが、
「身内の悪口」にどう対応すればいいか困っています。
同調しても気を悪くするかもしれないし、反論したらはけ口役にはならないだろうし…。
アドバイスが欲しいわけではないらしく、「こうしてみたら…」という言葉には耳を貸しません。
どのように接していけばいいと思いますか? (60代 ムスカリ好き)
まゆぽ:
いるよね〜、そういう人。
まじめな頑張り屋さんに多いかも。
まじめなだけに、冗談でかわそうとすると怒ったりするんだよね。
お母さんの悪口が出たら、
ひたすら「Nさんは偉いね、頑張ってるね、いい娘さんだね」と
ほめあげるのはどうでしょう。
つまり、お母さんを下げるのではなく、
Nさんを持ち上げる相対性理論の世界。
ほめられるとやる気の出るわたしのタイプだったら
すぐ木に登っちゃうんだけどなあ。
つまみ:
ちょっと耳が痛いお悩み。
相談者の方とNさん両方の気持ちが同じくらいわかるなあ。
Nさんは今の自分が好きじゃないと思います。
グチや弱音を言う自分にいちばんうんざりしてるのは自分じゃないかな。
だから、頑張っている部分を褒められても
逆に自己嫌悪に陥るとか
ますます「頑張ってるのに報われない自分は不幸」と思うかもしれない。
相談者さん、Nさんに自分を持ってかれないようにした方がいいです。
電話は、気が進まないときは出ない
または、今は手が離せないと言う、というのもありだと思います。
いざというときのSOSには答える、という但書付きで。
こういう関係を日常にすると、お互い疲弊すると思う。
相談者さんはたぶん優しくて
「私にグチや弱音を言うことでストレスが発散するなら」
と聞いてあげているのだろうけど
アドバイスが欲しいわけじゃないってところは
単に聞いてほしいというより、負のループにハマっている気がします。
まじめで頑張り屋さんだからよけい。
自分を少しでもラクにするため、現状を変えるため、のエネルギーを
負のループで浪費している感じがします。
介護が発生しているなら、担当ケアマネもいるはずだし
実務的なアドバイスは専門家に任せて
もう一度、気分転換や友達としてのアドバイスをしてみて
聞く耳を持たないなら、少し距離を置いた方が。
冷たく聞こえるかもしれないけど。
まゆぽ:
しゅげ〜。ほんとの人生相談みたいに深い回答だ
(ほんとじゃないのか、チチカカ湖?)。
たしかに「距離を置く」ってもしかしたら、お互いのために一番の解決法かもね。
違う方向に行っちゃうけど、
わたし人生で一度だけ「距離を置いてください」って言われたことがあるの。
友人本人じゃなくて、その夫から「妻に近づくな」って意味で。
まあ、意図してなかったけど彼女を傷つけたのはわたしだし、
感情の行き違いや誤解もあったとは思うけど、
そのときは「が〜ん」となったし、
そんな言い方しなくたって…と凹みもした。
でも、距離を置いてから5年あまりたった今考えると
そこではっきりそう言ってもらってよかったと思う。
ある意味、あ、距離置いていいんだ!っていうお墨付きをもらったわけだから
罪悪感なく、彼女のことを一切心から閉め出すことができたのね。
ぐちゃぐちゃ考えなくてよくなって、すごく楽になったかもしれない。
向こうから言ってもらって得しちゃった感じ。
だから、めんどくさいものは捨てちゃうという手もありだよね。
でも、そのときには相手にきちんと伝えることが必要かも。
きつい言葉とか、はっきりした態度ってお互い傷つくけど、
中途半端にしてずうっと悩んだり迷ったりするより、
早く立ち直れるものです。
って、全然お悩みに答えてなくてすみませんっ。
つまみ:
いや、ちゃんと答えてると思うぞ。
自分のも含めて、正解などない問題に対する回答だから
役に立つかどうかはわからないけれども(いまさらな原則論)。
われながら、今回はまじめっていうより、かたっくるしい回答になっちった。
身につまされちゃったのかも。
ま、いろんなチチカカ湖があるってことで(地理的には1湖でも)。
まゆぽさんの、友人の夫からの宣言、さぞや衝撃だっただろうね。
でもさ、キャラクターにもよるかもしれないけど
私も、そういうことは言ってもらった方がいいな。
今回のお悩み、私はどっちかっていうとNさん側だけど
もし、もうグチや弱音は聞きたくねえよ、と思っている人がいたら
言ってもらいたいし、言ってもらうことで、別な展開になる気もする。
もっと福祉や行政に訴えるとか、親類縁者を頼るとか。
もちろん、お母さんは大事だけれど
自分の精神の安定はそれより大事
そしてそれはきっと友人へのグチだけでは得られない、ってことに
Nさんが気づいてくれればいいなあ。
まゆぽ:
今回やたらまじめに考えちゃったね、二人とも。
やっぱり人ごとじゃないからだよねー。
Nさん的言動、自分でも思い当たるし、
相談者さんの立場になることも実際あるし。
何回か出チチをやってみて、あらためて気が付いたんだけど、
相談を聞くと「そうだよ、それ、わたしも悩んでたかも!」
って思うことが多いの。
悩んでいることに気が付いて、言葉にするだけでも
相談する人はわたしより先を歩いてるんだよね。
な〜んにも解決になってない回答ばかりで申し訳ないけど、
悩みを自覚することが解決への第一歩ってことで
きっかけくらいになれていたら、出チチの母sとしてうれしいねー。
byまゆぽ&つまみ
※出前チチカカ湖では、みなさんからのお悩みを募集します。
お悩み以外でも、ずっと気になっていた疑問、私たちへの質問も大歓迎です。
こちらのフォームからお気軽にどうぞ。よろしくお願い致します。
本家チチカカ湖はこちらです。 →→ 「チチカカ湖でひと泳ぎ」
■■トップ画面と本文内の「ぬのえ」の画像は、佐藤知津子さん(HPはこちら⇒★)
爽子
今回のお悩みは、ほんとうに身近です。
つまみさんも、まゆぽさんも、親身だわ~。
とくにつまみさん、冷静な分析と思考の交通整理ができてる~。
今度、なにかあったら相談に行ってい~い?
ムスコが中学生だったころ、幼稚園からのつきあいのママ友から、ほぼ毎日、長電話がかかってきてました。
女の子のお母さんだったんだけれど、反抗期で、日々のバトルが壮絶で、言葉を失うこともしばしば。
あるとき、共感してみたら、翌日の電話で、「すごく傷ついた!」とひどい切れよう。
彼女のゴミ箱には結局なれませんでしたよ。笑
そういえばあんまり長電話かかってこなくなりましたわ。
メールやラインが普及したからでしょうね。
悩みの渦中にいると、ぐるぐるしちゃって、何度も元いた場所にたってるんだもの、なんだかつらい。
忘れっぽいのは、つらくならないような自己防衛でしょうかね。
まゆぽ Post author
爽子さま、いつもコメントありがとうございます!
今回のテーマ、みんなに思い当たる節があるんですねぇ。
ぐちっちゃう側の経験も、聞かされる側の経験も。
つくづく人は相対的な存在だなあと思います。
自分よりキャリアばりばりな女性と対峙していると
「いいもん、わたしそんなにお仕事できないけど、
ちゃんと家庭も守ってるし…」と思い、
自分よりしっかり家事のできる家庭的な女性といると、
「でも、わたし仕事だって一応してるし…」と思う自分が情けなかったりするんですが、
自分の絶対値を持つことって、実はすごく難しいのかも…なんて
また、ご相談と方向違いのことを考えてしまいました。
ぼんやりと、比較的平穏に生きているわたしに比べて
いろんな山や谷や原っぱを越えてきたつまみちゃんは相談相手に最適だと思います。
爽子さんの人を見抜く目は確かですわー。
つまみ
爽子さん、ありがとうございます!
自分のことは全然ダメなくせに、人にはエラそうなことを書いてるなーともぞもぞしていましたので、そんなふうに言ってただけると、なんだか小っ恥ずかしいです。
今回、学んだことは「自分のお悩みもヒトサマのこととして考えろ」ですね。
悩みって本当に、同じところをぐるぐるしてしまいますねえ。
蟻地獄みたいで抜け出せない感じ、キツいです。
人に「すごく傷ついた!」と言う人はどうもなあ。
傷ついたと言ったもん勝ち、みたいなところが。
傷ついた、という言葉にしないで踏ん張る人の矜持もすごくあると思うんですよねえ。
まゆぽさん、望外なお言葉だわ。
でも、山や谷をアピールし過ぎなだけかもな、私。