ああ、子ども会。どんぶりと電卓のあいだ。
あかん。
懼れていた子ども会の役員が回ってきた。
前任のYさんは、とても気のいいひとだ。「待て」の途中の犬の気持ちで引継ぎ資料の到着を待った。気のいいYさんからの引継ぎは、今年度の総会を4日後に控えた先週火曜日。受け取ったものはとてもザックリしていた。今年度、Yさんはもういない。
小さな町内の小さな子ども会。にもかかわらず仕事は妙に多い。そして引き継いだ通帳にお金は少ない。
あかん。
最も苦手なことが一気に押し寄せてきた。とにもかくにも土曜の総会までに過年度の資料を読み漁り、方々に電話をかけ、町内地図を広げ、電卓をたたいて資料をこしらえた。
せめてもの救いは、会員のお母さんたちが前任のYさん同様気のいいひとばかり、ということだ。
気づいたこと①: 地図を見るのに虫眼鏡が必要になった。片目で地図を見続けると頭痛がしてくる。
はっきりしたこと①: どのお母さんもわたしより軽く一回りは下だ。
総会でみなさんに持ち掛けた相談は、夏のレクリエーションの経費削減の案件だ。何しろ資金が乏しい。赤ちゃんのいるお宅もあるのでみんなが気軽に参加できるような安近短なプランはないかと意見を募ってみた。
ずっと前はお昼間にみんなでプール(結構遠い)に行って、その夜にバーベキューをしたよーとか、海に行って遊んだこともあるよーとか貴重な意見をもらってくらくらする。
おそるおそる、「近所の地域交流センターを借りて卓球とか椅子取りゲームとかフルーツバスケットとか。そのあとすぐ近くにできた焼きたてパン屋さんのパーティールームでパンパーティーってのは?^^」と持ち掛けてみた。
「サヴァランさんって、おもしろいね」と一同から笑われる。
「今どき、椅子取りゲームって。そんなん聞いたらウチの子ドン引きするしー(笑)」
はっきりしたこと②: わたしはやはりズレている。何しろウチはズレ家である。
それにしても。使用料無料の地域交流センターは、ダメか。。。やっぱり。。。
結局例年通りのボーリング&バイキング(隣の市)というかたちにおさまる。費用の方は保護者が保護者の分の実費を負担して下さることになった。これを「手出し」と言うらしい。知らなんだ。
そもそも活動費の多くは、町内の資源回収の収益によっている。古い町内で高齢化が進んで自治会の規模が縮小している。田んぼが造成され、新しいおうちも建ちはじめているけれど、今時分は自治会に入られないおうちも多いし、新聞をとらないお宅も珍しくはない。回収する「資源」も減っていれば、回収に回る側の子どもと親の数も減っている。
雨天時の実施の有無を確認していてまたまたおそろしいことを聞かされた。
「当日どしゃぶりで中止になるとね、役員のところに電話がじゃんじゃん鳴るらしいから覚悟しとった方がいいよ。せっかく準備しとったのにどうしてくれるー。準備した新聞が雨でびしょびしょに濡れてるのはどうするつもりかー、って」。
気づいたこと②:わたしは生きるのも苦手だが、この手の対応が死ぬほど苦手だということ。
先日小学校で「地区委員」の集まりがあった。子ども会役員のわたしは自動的にこの委員にもなっているらしい。
教頭先生はその趣旨説明の中で、「非常時」という言葉を使われた。「みなさんには、子どもたちの登下校をはじめとした地区での安全な生活にご協力いただくとともに、非常時の際のご協力をお願いすることにもなるかと思われます」。
「非常時の際のご協力」の部分はかなりあっさりとした口調だったけれど、あっさりとではありながらこの文言を付け加えられる意味というものをいろいろ考えた。
土曜の総会終了後、もう一人の役員のAさんと細かいおはなしをする。二人の役員にはそれぞれ分担があり、レクリエーションも、資源回収も、わたし側の役割だ。でもこの方は以前も役員をされているので、いろいろ伺うことはできる。ただし普段はお仕事がとてもお忙しい。
「資源回収のときのご褒美って、これ削ると参加者も減っちゃいますよねー。参加者減ると残りのメンバーの負担が増えますよねー。自分で予算立てといて、今頃伺うのもおかしいんですけど、ギリギリのこの予算でこのご褒美って、いったいどうやったら準備できるんでしょうか?」
「底値のリサーチね。徹底的な底値。ジュースもお菓子も1円でも安く。この予算なら、一回の回収分のご褒美代は1050円がマックスよね。消費税も上がったから注意がいるわね。リクレーションの費用も少しでも安くなるものは安く。みんなに声掛けしてクーポンなんかをかき集めた方がいいわよ。だいじょうぶ。みんな日頃からやってることでしょ♪」
聞いていてまたクラクラしてきた。
はっきりしたこと③:わたしが日頃いかにどんぶりかということ。
日曜日、Aさんからメールがあった。「今、隣町の××っていうドラッグストアにいます。ジュースは〇〇円。これなら○○ショップと変わらないね。ご報告まで~♪」
Aさん、ありがとう。。。