わたしの「桃源郷」
今、マレーシアに滞在しながらも、ふと思い出す場所がある。
そこは、グアテマラという聞きなれない国のある湖、アティトラン湖。
湖畔の小さな村、サンペドロラグーナに私は9ヶ月滞在、滞在させられた、滞在してしまったのである。
グアテマラという国は、中南米に位置し、地図でいうと、メキシコの下にある国。
貧しい国の一つで、17年ほど前に内戦が勃発し、長い間悲惨な経験した国である。
世界の歴史は血で塗られたといっても過言ではないくらい壮絶な体験をした国が多い。
戦争とはそういうものである。そして、いつも犠牲になるのは、子どもと女性たち。
そんなグアテマラという国の歴史も滞在中に勉強した。
滞在するなら、まずはそこの国について勉強するのが礼儀であるし、
知識が後々役にたつ事もある。
この国は、私には縁がある場所なのか、
以前に旅行、ビジネスで訪れた国であるので、今回は3回目の訪問となる。
当初はグアテマラとメキシコをさっと旅行し、
モロッコかフランスにフランス語の勉強の為に戻ろうと思っていたのだが、
予定どおりには、そううまく運ばないのが人生(笑)。
なんと、さっと旅行して通り過ぎるだけの村だと思ってたのに、
ずいぶんと長い間、過ごしてしまった。
そこの流れる異次元的な空間が私を狂わせたのだ。
旅人が幾人も訪れる。
地球の歩き方にはあまり書かれていないが、
噂が噂を呼びやってくるパターンが多いし、私もその一人。
そして、みんな、明日は旅立つと言いつつも、一日一日と延びてしまうのだ。
そんな村は本当に、のんびり。
なぜだか、この村だけは治安がいいのだ。。。
そして、世界中の旅人が訪れるだけあって、素敵なカフェやらレストランが多い。
私は朝陽が差し込み、絶景のポイントでもあるホテルに滞在。
毎日朝陽に起こされ、顔を出したばかりの太陽を眺め、一日が始まるのだ。
私はこの村でたくさんの友人を得た。
もちろん、ほかの場所で知り合った人も訪ねてきてくれたり、
ギターを教わったり、スペイン語の学校に通ったり。。。。
物作りに専念する人達との会話。
たとえば、私の部屋の前のバルコニーでは、音楽をする人達が集まり、
練習披露、他のバルコニーでは、手芸工芸の新しい作品作り。。。
そして、スペイン語の学校で覚えたばかりのスペイン語を、
ヨーロッパやアメリカなどから来たクラスメイトたちと復習とか、
スペイン語で必死で日本を伝えたり。。。。ときどき英語も交えるが。
そして、夕飯はみんなでシェアして作るか、レストランに行くとか。。。
カフェで読書だったり、たわいもない旅の話やら、彼らのバックグランドを聞く。
うーーん、本当に充実した日々でした。
この場所を去るとき、私は故郷を去るような切ない気持ちに襲われた。
またこの場所に戻りたい。
なんでなんだろう。。。。不思議なエネルギーが流れる場所。
でもね、そんな桃源郷みたいな場所に過ごせるのは、ほんの一時。。。
私は短い時間だったと感じたけれど、あれ、一年も経過した。。。?
そんなに居たんだ、私。。。
旅人の中で「沈没する」と言葉が飛び交う。
その意味は、長く一つの場所に居続ける事。 そこから抜け出せない事をいう。
いい意味でも悪い意味でも、そういう場所が世界には沢山あるし、人によって沈没する場所は違う。
私はこのサンペドロラグーナに沈没してしまった。沈没させられた?
ここを去らないといけない出来事があり、私は他の地域へと旅立った。
きっと、いつまでも滞在してしまう私に、早く他に行くところがあるからと言われているかのようだった。
人には、思い出の場所というところが、必ず一カ所はある。
私は思い出の場所はありすぎるけれど、一番にどこか良かったのですかと聞かれると、
ついついこのサンペドロラグーナと答えてしまう。
私が人生の中で選択したことで一番良かったこと、それは旅だ。
旅をするには、結構大変な選択を迫られる。
仕事は?お金は?
でも、旅立ってしまえば、それはもう過去のことであり、
毎日訪れるハプニングやら(楽しいこと、大変なことを含めて)で忘れてしまうのである。
いつも私が言っている言葉がある。
「旅とは人生の縮図である」と。。。
この言葉ね、ある有名なサッカー選手が言ってたんだけれど、
これ、私がつねに使っていた言葉、これを見たとき、あ、私の言葉をパクッたなーって思った(笑)
そう、私が先に使ってたんですよー。
いやーそれはさておき、人生で行き詰ったり、迷ったりしたとき、
旅をするっことは、生きる何かのヒントをくれるのである。だから、私は旅を勧める。
別に長期の旅でなくてもいい。近場でも国内でもいいのだ。
ただ、人と触れ合うことが旅の醍醐味であり、重要なことだと私は、思う。
旅学である。
今回はグアテマラのサンペドロラグーナをご紹介いたしました。
ご覧いただきありがとうございます。
メッセージや質問は、コメント欄からどうぞ。ゆりさんが直接、お答えしますよー♪
まっつ★
ゆりさん、こんばんは☆
グアテマラ。南米には行ったことがないのに
なんだか心に引っかかると思ったら、
女優の片桐はいりさんのエッセイ「グアテマラの弟」で
読んだことが。
ゆりさんの桃源郷、グアテマラ。
今回のエッセイを拝見して
生きている間に行ってみたい国に仲間入りしそうです^^
ゆりさんの「旅は人生の縮図である」というお言葉も、
う~ん名言です!
もしまだでしたら「グアテマラの弟」もお勧めですよ。
片桐さんはとても人柄の良い文章を書かれるので。
ゆり
まっつさん、コメントありがとうございます。グアテマラは見どころが意外とあり、面白い国です。
しかし、危険な国でもあります。
移動に際は五感を働かせ、行動していると大丈夫だとおもいます。
こういう国だからこそ、日本人宿に行くのも手です。色んな国の情報が手に入りますし、
たのしいです。
グアテマラの弟、読んで見ようと思います。
まだまだいきたい国があるなか、あの湖の村は、心が和んだ場所です。機会がございましたら、ぜひ、行ってみるのもいいのかもしれません。ただ、人には合う合わないがあるので、たまたまタイミングが良かっただけなのかもしれません。
読んでいただきましてありがとうございました。