つまみの「帰って来たゾロメ女の逆襲」
古い話で恐縮ですが、実はワタクシ、今から11年前、某書評誌で1年間「ゾロメ女の逆襲」というタイトルでコラムを連載していました。
われながらスゴいタイトルですが、「ゾロメ女」という聞きなれない新語(?)は、姓と名の頭文字がカブる女というだけで特に深い意味はなく、内容はといえば、これもスゴくもなんともなく、本にまつわる主観的で勢い重視の戯言をコンパクトにまとめて毎月発表する、というものでした。
このコラム、特にこれといった反響もなく(たぶん)、当初の予定どおり丸1年できっちり終わり、その後、フェイドアウトするように文章を書く「仕事」からは遠ざかりました。
以来、「ゾロメ女・・」のことを思い出すことは正直、ほとんどありませんでした。
が、このたび縁あって別冊に参加させていただくことと相成り、カリーナさんをはじめとする立ち上げメンバーの方々とのやりとりの中で、唐突にこの「ゾロメ女・・」のことが甦ったのでした。
そして、この連載が自分にとってちょっと不完全燃焼というか残尿感(下品で申し訳ありません!)のある記憶になっていることをあらためて自覚するに至り、なぜかメキメキと、11年前とは違う、今の自分ならではの<本にまつわる主観的で勢い重視の戯言>を書きたい!と思うようになったのです。
自分勝手な、自己満足で自意識過剰で自己実現っぽい、自作自演のリベンジで、みっともなくてスミマセン。
その上、第1回で取り上げる本(人物)が、われながら「そこに自分の状況を当てはめてる!?ずうずうしいにも程があるだろ!」です。
いやもう、スミマセン×10。
でもやってしまう!
だって帰って来ちゃった時点で、羞恥心などかなぐり捨ててるわけですから!?
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よくぞ帰って来てくれた!わが人生の励み!!と誰よりもエールを送りたいのは、5年前に現役復帰したクルム伊達公子選手。
いまさら彼女の活躍を年齢付きの時系列順に書くのもヤボなので省略しますが、11年のブランクを経て、今も第一線でバリバリ活躍中なのは誰もが知るところです。
伊達さんに関してはもう、すごいとかかっこいいとか、そのへんの形容詞では形容しきれないので、私はいろんなものを呑み込んで咀嚼して、なんなら反芻までして、一言、「美しい!」という言葉を送りたいです。
現役復帰(本人は「チャレンジ」という言い方をしていました)時、当然のように各方面から問いかけられた「どうして今また?」に対して、伊達さんは会見や自身の著書『CHALLENGE!!』(講談社)で「若い選手に刺激を与えられれば」と言っています。
でも、これに対して、伊達さんの後輩で、前世紀の伊達さん引退後、長らく日本女子テニス界を背負っていた杉山愛さんが、ラジオで以下のようなコメントをしたのを私は忘れていません。
ちなみにそのとき、杉山さんは微笑んでました。誤解なきよう。
「伊達さんは誰かのために頑張るような人じゃありません。自分のために復帰したんです。」
なんだか清々しかった、そう言う杉山さんも、言われる伊達さんも。
復帰後の伊達さんは必ずしも順風満帆ではありません。
ブログを読んでいると、ケガの辛さや勝てない悩みを率直に吐露していたりもして、胸が痛むことも少なくない。
でも、「ああ、さすがの伊達さんのチャレンジももう厳しいのかな」と世間が思い出す頃に決まって、まるでそれに反発するかのように、トップの選手に勝ったり、心が震えるような熱戦、の報が飛び込んで来る。
やっぱり究極の負けず嫌いかも。
それも含めて、美しい。
だからといって、なにも、自分がくすぶっている自覚のある40代以上はもれなく伊達さんを目指そうよ、とは思わないのですけどね。
新しい一歩を踏み出すことに関しては、それがどんなに些細なことでも、条件やタイミングがあります。
誰もが伊達さんになれるわけではないという現実は、オトナだからこそなおのこと、身に沁みて知っている。
でも「いつも心に伊達さんを」は自分にも言いたいし、世のオトナ達に推奨したい気がします。
だって勇気づけられるんだもん。
そして心は自由だもん。
これしか選べない、という消去法で暮らしても、自分の中にあるクルム伊達公子的選択肢も検討した上で、選んで今はこうしてますというテイでも、自由。
自分のさじ加減で決めていいじゃん、だ。
そんなことを書いているそばから、「クルム伊達公子 2013パタヤ・オープン ダブルス優勝!」のニュースが飛び込んで来ました。
ちなみに、Kimiko Date-Krumm って、ゾロメ女と言えるかも!?
上の表記、なんかの日付指定みたいにも見えますが(^_^;)
by つまみ
こんなブログをしています。正体不明な女二人のブログ。
お昼休みなぞにのぞいてみてください♪→→「チチカカ湖でひと泳ぎ」
なお
わー、ゾロメ女、帰ってきてくれてうれしいですー。わたしもゾロメ女ですし。
伊達さんも実は(?)ゾロメ女なんですね。うれしい。
どれほどくすぶっていても、一歩踏み出す勇気もきっかけもまーったく見えなくても、気持ちだけは「いつも心に伊達さんを」。(……いや、わたしは「いつも」っていうより「いつか」って感じかなあ……。)
あお
つまみさんの措辞巧みな文章力はタダモノではないと思っていたら、書くことを生業とされていたのですね!うーん、やっぱり違うなあ。
私の唯一興味のあるスポーツはテニスなのですが、伊達さんが現役復帰して話題になったころは「いまさらなんだか往生際悪いよね~」なんて言ってました・・・浅はかでした(汗)
先日の全豪オープンもWOWOWでしかと観戦しました。強くて美しい。素晴らしかった。
インタビューなど見ると、外国人マダムのような貫禄さえあって、本当に素敵なんです。「いつも心に伊達さんを」ですね。
あ、つまみさんの「ゾロメ女の逆襲」読んでみたいです。
つまみ Post author
なおさん、ありがとうございます(*゚▽゚*)
そうですか、なおさんもゾロメ女でしたかー。
そうですよ。
伊達選手も小泉今日子姐さんも宮部みゆきセンセーも木村カエラ嬢も峯岸みなみちゃんもゾロメです(^O^)
私もなにかとくすぶり人生ですが、「心に伊達さんを」で頑張りたいです。
つまみ Post author
あおさま
ありがとうございます!!
いや、生業という立派なものではまったくありませんで、そんなフリーズドライ業をいまさら引っ張り出させてくれた、この場に感謝しております。
最近、伊達さんの試合を見るだけで、なんだか泣きそうになったりもしている、とんだ涙腺ユル子です。
今後ともよろしくお願いいたしますm(__)m
R
わー!クルム伊達選手ーーの話、うれしいです!!!
特にテニスファンじゃないけど、ニュースで勝ちを知ると
ガッツポーズしちゃいます☆
「若さじゃなくて、経験や知恵で勝ってる」って誰かが言ってたんですけど
私も、少なくとも「ただ時間が過ぎてって、年取っただけ。」じゃ嫌で
かけた時間を積み重ねたいと思ってます。
ところで、ゾロメってかっこいいですね~。
マントに仮面な、怪盗ゾロのイメージ!
つまみ Post author
Rさま
わ~。
かけた時間を積み重ねたいっていいですね。
確かに、怪傑ゾロに近い語感ですね。
かいけつゾロリって、怪傑ゾロが出典だったことにいまさらながら気づきました。
いや~、世の中、気づかないことばっかりです。
爽子
伊達選手の試合、なんのめぐり合わせか、結構しっかり見てしまうことが多いです。
ほんとに素晴らしい。
わたしも涙腺ユル子で見ています。
2年に一度くらいで、お付き合いでテニスをすることがあるんですが、もう全く足が動きません。
ゲームをするとそれなりの形にはなる・・という不思議なテニス。と、友人たちから評されるのですが。
ゾロ目、ほんとうにそそられる。
テニス関連で、RRの竜崎麗華さまも仲間に入れてくだされ。
違った形のゾロ目で、ブログネタをいただいたので、そのうち書いてみようと思います。
そのうち・・・そのうち・・・。
最近ほんとうに先送り大王様になってしまっていて・・・お恥ずかしい。
こちらを読みに来るたびに、よっしゃ!と思って帰るんですが。
つまみ Post author
爽子さま
竜崎麗香!!
よもや、お蝶夫人がゾロメとは。
気づきませんでした!
他にもゾロメ女には
三浦百恵さんや、勝間和代さん、という新機軸もいらっしゃいます。
新機軸の意味が自分でもよくわかりませんが。
私もたまにテニスをします。
左利きです。
以前、隣のコートでテニスをしていた見ず知らずのすご~くテニスの上手なご婦人に
突然、「あなた!せっかく左利きで有利なはずなのに、それがテニスに活かされていない!
もったいない!」と怒られたことがあります。
あれはなんだったんだろう。
先送り大王様ってなんだかものずごく堂々としていそうです(笑)。