ゾロメ日記㊹ 講演会に行ってきた&G.W直前記念特別企画 中島京子小説ベスト3はこれだ!
◆4月23日 子ども読書の日だそうです
友人に誘われて、国立国会図書館 国際子ども図書館の【講演会「私が子ども時代に出会った本―中島京子」】に行く。
ふだんは気軽に「上野の子ども図書館」と呼んでいるこの場所、あらためて正式名称で表記するとけっこう仰々しいな。「国立」と「国会」と「国際」と、三つもの「国」が入っている名称って、他にはないのではないか。国立市や国分寺市、国東半島あたりにはザラにあるのか。まさに「三つの国」の三国峠はどうだろう(どうだろうって)。
この図書館に行くのは今回が初めてではないが、アーチ棟という新しい建物ができてからは初。講演会は、このアーチ棟1Fの研修室で開催された。
両親が共にフランス文学者という環境もあってか、中島京子さんは幼少の頃から、数多くの児童文学に親しんでいたことを知る。取り上げられた本は、その中のごくごく一部なのだろうが、誰でもその名を知るような名作が多かった。
私はデビュー当時からの中島京子小説ファンである。出ている小説はほぼ読んでいる。そして常々、中島さんの書くものにはどれも、通奏低音のような、静かで安定した反骨精神が響いている気がしている。声高に権力や体制に楯突くという感じではなく、自然に揺るぎなく、そこに在る感じ。
不朽の児童文学は、意外に反骨精神と親和性が高いのかもしれない。それらをバックボーンに、中島京子小説が形成されたのだと思うと、あらためて興味深い。
ということで、今回はG.W直前特別企画です(とってつけた感、丸出し!?)。
存命女性作家の中では、間違いなく自分がいちばん数多くの小説を読んでいる中島京子作品の個人的ベスト3を発表します。ここだけ急にですます調になっていてスミマセン。
3位 『小さいおうち』
ご存知、直木賞受賞作。それまでも「面白い小説を書く人だ」と思っていたけれど、これはメジャーなステージ感があって、シフトチェンジしてきたなあと思った。きな臭くて、混沌とした、小説の舞台としては魅力的な「昭和前半」の時代小説であり、ミステリー小説で、閉じた愛憎劇のようであり・・いろんな楽しみ方ができると思う。ちなみに、映画はまだ見ていない。

こっちではない。
2位 『妻が椎茸だったころ』
タイトルだけの小説では決してない。短編集だけれど凄味があって・・いや、短編ならではの奥行きを想像させる凄味だ。表題作がいちばん印象的なのは、タイトルのインパクトのせいかなと思いそうになるけれど、内容のせいだ。なんて切ない話だろう。ちらし寿司、もう涙なくして食べることができない・・ことはないけれど。最後の「ハクビシンを飼う」の孤高感も凄かった。
とにかく、なにかと凄い本なのである。
1位『イトウの恋』
中島京子小説の魅力のひとつは、史実や小説をモチーフに、作者が、回収が難しそうな規模の大風呂敷にも似た想像力を拡げ、読者も巻き込んで一大妄想or幻惑ワールドになるところだと思う。その系統には『FUTON』や『かたづの』もあるが、私のイチオシは『日本奥地紀行』をモチーフにしたこの小説である。
『日本奥地紀行』を子どもの頃からうっすら知っていて、イザベラ・バードにシンパシーを感じていたのも大きかった。これは、彼女の旅の行程に私の故郷、福島県会津地方も入っているからかもしれないが、とにかく、『イトウの恋』はやたら心にヒットした。私はイザベラ・バードにまつわる世界全般が好きなのかも。彼女に言及していたNHKの「ブラタモリ」の日光編もすごくワクワクしたっけ。
他にも、『均ちゃんの失踪』や『平成大家族』、『長いお別れ』も捨てがたい。迷った。
ちなみに、講演会で中島京子さんは「トム・ソーヤの女の趣味が悪い!ハックルベリー・フィンはいい」と主張していた。会場の反応が薄いことに少し憮然としているようにすら見えた。
あまりにアツく、トムのお相手ベッキー・サッチャーにダメ出しするので、講演の他の内容が記憶に残っていないぐらいだ。そのうち、『トム・ソーヤは女を見る目がない』とか『くそくらえ!ベッキー・サッチャー』という恋愛論を書くのではないか。書かないか。
by月亭つまみ
まゆぽさんとの掛け合いブログです。第141回は【ささやかな幸せ。】→→「チチカカ湖でひと泳ぎ」
あきら
まずは1円でイトウの恋と、FUTONと、眺望絶佳をポチしました 。連休も普通運転のワタシは、得意のソファーでごろりで読むとします。ありがとうございました。
つまみ Post author
あきらさん、おはようございます!
おおっ!さっそくポチッとしていただけるとは、書き甲斐があろうというものです。
感想、お聞かせいただけるとうれしいです。
わたくしも連休は、仕事は休みですが、やたら待機時間が増えるものと思われますので、台所のテーブルで本を読む時間が長くなりそうです。
ジェフリー・ディーヴァー、山本幸久、小泉今日子(書評集)、武田砂鉄・・わー!ワクワクします。
読み倒してやる!!
つまみ Post author
YUKKEさ~ん、FBにコメントありがとうございます!!
こちらから返信、失礼します。
好きな作家で、いいなあと思う作品が多くても、そこから(半ば強引に)3作を選ぶというのは、思いのほか、自分が漏れ出るような気がします。
自分の年齢や状況で、選ぶのも変わってくると思いますし。
YUKKEさんの中島京子本ベスト3、興味あります(^-^)
映画・・そうですか。
原作が良ければ良いほど、ハードルが上がりますしねえ。