4月11日はカレー記念日

カレー記念日

焼肉は うまいの少しで もういいの

4月11日はカレー記念日

うえまつ

投稿はこちら

カレー記念日とは?

加齢を実感したら、それはカレー記念日。
抗ったり笑い飛ばしたりしながら、毎日華麗に加齢していきましょう。

あなたのカレー記念日も、教えてください。
五七五七七形式で、下の句は「○月○日はカレー記念日」なので
上の句の五七五だけ送ってね!

日付は掲載日に変えさせていただきます。

みんなのカレー短歌 一覧 >>

ゾロメ女の逆襲

【月刊★切実本屋】VOL.93 今年の春はかねやま本館に入りびたり

新年度の勤務が始まった。昨年度末から2週間も休みがあったが、遠出はもとより、近くにも出かけず、電車に乗ったのは通院と健康診断だけだった。

コロナ禍まっただ中はそんな毎日が「正しい」とされ、わたしのようなタイプはある意味、気楽だった。が、あれから六度目の春を迎えた今年は花粉症がひどい~と嘆く人々すら、気象予報士が「今日の花粉は極めて多いです」と昨年から始まった非常に多いの上を行く表現で警告しても、観光地だけでなく街のそこここに繰り出している感じだ。長い呪縛から解き放たれたかのように。

わたしだって、今年は近隣で複数回お花見をしたし、散歩だってけっこうしている。それでもインドア中心の日々である。でもいいんだ。今年の春は自宅経由でかねやま本館に入りびたりだったから。

松素めぐり著『保健室経由、かねやま本館。』(講談社)は現在8巻まで出ている。児童文学(YA含む)のみならず、好評だとシリーズ化される作品は多い。最近はシリーズものとはいっても、1冊ごとに完結、もしくは連作短編形式になっているものが主流で、途中から読んでも理解でき、いちげんさんにも優しい(内容が優しいという意味ではない)まるで寅さん映画のようなシリーズが多い。

で、<保健室経由、かねやま本館。>シリーズだ。実はまだ6巻までしか読んでいない。なのに断言してしまうが、これは傑作だ。そして前言撤回するようでナンだが、ぜひとも順番どおりに読んでほしい。巻が進むごとに視界が広がる感覚を味わってほしいのだ。児童文学という先入観で二の足を踏むとしたらすごくもったいないと思う。

中学校の目立たない場所に突如現れる<第二保健室>。そこに招かれるのは生きづらさを抱える現役中学生たち。この部屋には白衣を着た銀山(かねやま)先生という中年の女性養護教諭がいる。銀山先生は見た目が悪い。最大の欠点は清潔感のなさで、かけているメガネは手垢まみれである。生徒(第1巻では地方から東京に来た転校生の佐藤まえみ、通称サーマ)は銀山先生に地下にある中学生専用の湯治場「かねやま本館」に行くことを勧められるが、当然、状況について行けず尻込みする。でもなんらかの予感に抗えず地下に降りることになるのだ。

設定が魅力的だ。<第二保健室>という入口、かねやま本館内の描写、そこにいる小夜子さんとキヨの人物造形、「お湯」のシステムと意思、美味しくて滋味あふれる食べ物飲み物の数々‥。この「異世界」観にもわくわくするし、招かれる生徒のままならない日々にもとても説得力がある。

最近の十代向けの読みものは、こどもの生きづらさを描くものが主流といってもいいほどだ。それが大人の自分にもキツ過ぎて息苦しくなることがある。いじめやネグレクト、大人の無理解の気配がしたとたん、ため息とともに本を閉じることも多い。いや、避けてはダメとわかってはいるのだが、正直ちょっと辟易なのだ。こどもたちはこの傾向をどう感じているのだろうかと心配にもなる。

とてもセンシティブな分野だから、書き手によほどの技量や技術や覚悟がないと薄っぺらに映る。真摯に作品化に臨んでも、真摯だけでは網羅できない繊細な、だからこそ大切な感情もあって、逆説的だが、描き切れないことがたくさんあるとわかっている人にしか深いところには近づけないと思う。そして、着地点を意識し過ぎた感情の切り取り方をしてしまうと、「わたしだけはちゃんとわかっていると勘違いした大人が書いた話」にとられるリスクは小さくないと感じる。

かねやま本館シリーズも最初は危惧し、大丈夫かなと思った。でもいつのまにかそれらはどうでもよくなっていた。となれば、あとは一気だった。でも1作目はまだ物語の入口だった。

シリーズ化を打診された作者(←勝手に決めつけてる)は2作目から一気に勝負に(!)出る。それはまるで「わたしが書きたかったのはここからだよ」と言っているみたいだ。かねやま本館に数ある規則(①紫色の暖簾をのぞいてはいけない ②ここであったことを口外するべからず ③利用時間と回数の制限 ④外の世界ではここで知り合った人の記憶がぼんやりしてしまう)を逆手にとり、そのシバリならではの胸アツ青春ストーリーを展開させるのだ。

そしてシリーズが進むごとにかねやま本館の謎も解き明かされていく。これがもうワクワクだ。作者の術中にハマりまくり。4巻ではかねやま本館側からの視点で物語が描かれ、涙なしでは読めない(2,3巻でも泣いたけど)。そして5巻からは「かねやま新館」という敵(?)も登場し物語的には無双、無敵である。敵が出てきて無敵になるってかっこいい。

昨年、このシリーズを勤務先の中学校で購入したがずっと未読だった。今年になって、本好きの図書委員長と副委員長に大絶賛され、今あわててゆっくり(?)読んでいる。新年度のドタバタ期が過ぎたらふたりとこの物語の話をするのが楽しみだ。

【こっそりお知らせ】
現在発売中の「本の雑誌2025年5月号」に20数年ぶりに文章を書きました。私の記事名「帰って来たゾロメ女の逆襲」の由来は第一回で書きましたが、本の雑誌での連載です。(  ←くわしくはこちらです)今回、声をかけてもらって古巣(と言っていいのかどうかわかりませんが)で文章を書くのは、依頼されたテーマも相まって、まるでタイムスリップしたような気持ちでした。本名で書いているのでここでのみの告知にさせていただきますが(謎のフィルター。しかもスケスケかよ)、もし書店や図書館で見かけたら手にとっていただければうれしいです。記事のタイトルは「長い長い文化祭の準備」です。わたしがつけたわけではありませんがステキ❤

by月亭つまみ


Amazon


ゾロメ女の逆襲 記事一覧へ


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。また、コメントは承認制となっています。掲載まで少々お待ちください。


コレも読んでみて!おすすめ記事

山あり谷あり再婚ライフ

嫉妬と怒りと倦怠感

カレー記念日 今週のおかわり!

DVD化で 昔の自分を ねぎらうよ

ゾロメ女の逆襲

【月刊★切実本屋】VOL.93 今年の春はかねやま本館に入りびたり

60代、男はゆっくりご乱心

遠近両用メガネから近々両用メガネ。

ミカスの今日の料理 昨日の料理

思わぬことで己の老いを知る: しゅうまい

かわいいちゃん

うさちゃんトイレの変遷

今週の「どうする?Over40」

お花見は「憂い」込みで楽しい。周囲の家族連れのも、また。

黒ヤギ通信

小さな花を添えて

絵手紙オーライ!

65の手習い

四十路犬バカ日和

ハイシニア犬の健康診断

おしゃれ会議室 ねえ、どうしてる?

アマリリスの再会

教えて!にゃまの先生

<今月の質問>遺族年金の非課税について教えてください。

昭和乙女研究所

映画の思い出vol.4 ベンジー がんばれベアーズ

出前チチカカ湖

第207回 わたしのナイト・ルーティン

なんかすごい。

引っ越しました(後編)

OIRAKUのアニメ

第116回 Flow

夫亡き日々を生きる

カリーナからゆみるさんへ 2023年9月18日

じじょうくみこの崖のところで待ってます

<ドキコの乱/後編>カリフォルニアから娘が来た。そして帰った。

いろんな言葉

よもじ猫 解釈拡大のおしらせ

母を葬る

(18終)父を葬る(下)

いどばた。

凹むこと最近ありましたか?

ただいま閉活中

お守りが無くなったら

50代、男のメガネは

『レジェンド&バタフライ』で絶望の淵に立つ。

日々是LOVE古着

(終)これからも。これからは。

これ、買った!

くっつかないしゃもじをもう一度買った!

ワクワクしたら着てみよう

最近思うことをとりとめもなく書いてみた♡

わたしをライブに連れてって♪

コンサートwithコロナ

これ、入るかしら?

行き当たりばったりで失礼します

KEIKOのでこぼこな日常

巣ごもりしてたらこんな買い物を…

あの頃、アーカイブ

【エピソード37】最終回記念、私たちのクリスマス!

フォルモサで介護

私が負けるわけがない

お悩み相談!出前チチカカ湖

【File No.41】 私って多重人格!?

ラジオブースから愛をこめて

ノベルティグッズ

着まわせ!れこコレ

冬とウェディングと後れ毛と

このマンガがなんかすごい。

第15回(最終回):マンガよ永遠なれ!

夫婦というレッスン

津端英子さんの一筋縄でいかない個性と行動力がすごい著書「キラリと、おしゃれ」

ハレの日・ケの日・キモノの日

暑くじめじめな7月

眉毛に取り組む。

総集編!眉毛ケアグッズ&お手入れ用品のご紹介

さすらいの旅人ゆりの帰国&奮闘日記

グアテマラ。そこで見た不思議な光景と懐かしい味

新春企画 輝く!カレー記念日大賞2017

輝く!カレー記念日大賞2017

≪往復書簡≫SEX and the AGE 

「女性の健康を守り、5歳若くなる抗加齢医療」だって。ボーっとしてたら、すごいことになってるね。

最近、映画見た?

第12回 「海よりもまだ深く」

Over40からの専門学校 略して「オバ専」

【オバ専インタビュー】今まで知らなかった「責任感」も含めて、人生が大きく変わりました。

じじょうくみこのオバサマー

四十九歳の春だから。

華麗なるヅカトーク

第8回 型、色、数! 嫌なことがあったら、また観に来る!

サヴァランのやさぐれ中すday ♪

in her SHOES ~ おばばは何を考えて? #8

器屋さんのふだん器

ふだん器-38  飛びかんな

2016 みんなのこれ欲しい!

サヴァランの「これ、欲しい!」。

2015 みんなのこれ買った!

【じじょうくみこ】低反発リクライニングソファ、買った!

ブログの言葉

「別冊 どうする・・・」はこんなことを大事にします。(過去記事より転載)

今日のこていれ

「今日のこていれ」最終回。1年間のご愛読に感謝を込めて。

崖っぷちほどいい天気

崖っぷちより愛をこめて〜最終回はカピバラとともに。

アラフ ォー疑惑女子

「もったいないお化け」の世代間連鎖

とみちっちの単身ベトナム&中国

ベトナムって、ハノイって、どう?

晴れ、時々やさぐれ日記

ああ、感謝。巳年と午年のあいだ。

中島のおとぼけ七五調

中島。の気ままに更新「おとぼけ七五調」12

ムーチョの人生相談「ほぐしてハッケン!」

【主夫ムーチョの相談】娘がご飯を食べません・・・。

ミラノまんま見~や!

連載最終回!「駐妻のここだけの話」にしようかと思ったが…災難に遭う!

ウェブデザイナーとの対談

大きな旗は振れないけど、小旗はパタパタと振れるだけ振っていこうと思ってます。

「最高の離婚」ファントーク

<対談「最高の離婚」最終回>ホームから電車に乗ってしまってキスして・・・ロマンチックでしたね。

スパコレ

美味しい缶詰を教えて!

2014 新春企画

どうする?Over 40 新春企画「物欲俗欲福笑い」♪( メンバー編 )

フォルモサ(台湾)の女

あずみの台湾レポート「やっぱり紅が好き!フォルモサの女たち」(13)〜不景気顔卒業します

ゾロメ女の図書館小説

帰って来たゾロメ女の逆襲 場外乱闘編 連載図書館ゴロ合わせ小説  『ライ麦&博 完結編』 後編

青蓮の「マサラをちょいと」

青蓮の「マサラをちょいと~人生にもスパイスを効かせて~ VOL.12」

Tomi*さんの最適解

「Tomi*さんの最適解。 ・・・白髪とコムデギャルソンとヤフオクと」  マインド編②

YUKKEの「今日もラテンステップで♪」

YUKKEの今日もラテンステップで ~VOL.13

4月11日はカレー記念日

カレー記念日

焼肉は うまいの少しで もういいの

4月11日はカレー記念日

うえまつ

投稿はこちら

カレー記念日とは?

加齢を実感したら、それはカレー記念日。
抗ったり笑い飛ばしたりしながら、毎日華麗に加齢していきましょう。

あなたのカレー記念日も、教えてください。
五七五七七形式で、下の句は「○月○日はカレー記念日」なので
上の句の五七五だけ送ってね!

日付は掲載日に変えさせていただきます。

みんなのカレー短歌 一覧 >>

よもじ猫 同然

寄切勝利

猫同然 No.17  by はらぷ

大表示&投稿詳細はこちら!

寄切勝利

猫No.17  by はらぷ

よもじ猫 同然とは…

全世界初!?四文字熟語と猫のコラボ!‥として2018年にはじまった「よもじ猫」。今までたくさんの猫たちが登録され画面に登場し続けています。
しかし、世の中の多様性は急速に進んでいます。猫がいるなら、猫同然がいてもいいのではないかっ!

というわけで、2025年からコンテンツを「よもじ猫 同然」にバージョンアップ(!)し、愛すべき存在なら猫に限定せず、犬や鳥、はたまたじいちゃんばあちゃん、ぬいぐるみ、なんなら豆苗3巡目でも、同然として愛でよう!シェアし合おう!ということになりました。

「よんもじ」と猫同然がペアになって、ランダムに登場します。
ふだん着の猫同然の一瞬を楽しむもよし、よんもじをおみくじ代わりに心に刻むもよし。
掛け軸からタイム&ライフトリップして、ときどき世界を猫同然目線で眺めてみませんか。
みなさんの猫同然画像の投稿をお待ちしています。

投稿はこちらからどうぞ

カイゴ・デトックス 特設ページができました

Member's Twitter


  • カリーナのBILOGはこちら!「ともに生きる。

  • ZOOMでプライベートレッスン、リモート英会話AQUA
  • BLOG版 ウチの失語くん
  • 植松 眞人さんの本がでました♪「いまからでも楽しい数学―先生と数学嫌いの生徒、35年後の補習授業」
  • 「出前チチカカ湖」連載中 まゆぽさんの会社「シリトリア」

Page up