Posted on by つまみ
<いろんな言葉>立川先生の話よりも なぐさめてくれた事実に感激してしまった
立川先生の話よりも なぐさめてくれた事実に感激してしまった
くらもちふさこ『おしゃべり階段』集英社文庫-コミック版 より
1970年代後半に別冊マーガレットで連載され、絶大な支持を受けていたくらもちふさこの「おしゃべり階段」は、あれから30年以上経った現在も私のバイブルです。
このマンガは、ヒロイン可南の中学~大学生になる直前までが描かれていますが、連載当時、高校生だった私にとって、本当に特別なマンガでした。
そして、いまだ読むたびに心ときめき、読む時期、自分の状況によって心にヒットする箇所が変わるのです。
チビで天然パーマというコンプレックスにいじける中学生森本加南に、理科の教師である立川先生が不意にこう言います。
前に実験で使ったてんびんばかり 覚えてるか?
あれはつりあうのが いちばん理想的だろ?
人間もおんなじだなあ
たとえば「自信」ひとつにしても
「自信ある」部分と「自信ない」部分と
両方兼ねそなえているやつが
先生はいちばん魅力的だと思うぞ
どっちかにかたむいちまってるのは
やっぱり いただけないよ
な?
立川先生はあまり生徒に人気がありません。
どちらかというと、怖がられ嫌われています。
それは、生徒に物分りのいいポーズをとったり、媚びたりしないからです。
そんな立川先生からの言葉だけに可南は驚き、冒頭のセリフになるのですが・・。
そうなのです。
落ち込んだりテンパっているとき、なぐさめの言葉はもちろんうれしいですが、それより、相手が自分を気にかけてくれているという事実がとても心に沁みるのです。
リアルタイム時にも印象的でしたが、今また新たにグッときました。
これぞ、時をかける名作!
by月亭つまみ
Chako
つまみさん、はじめまして。
いつも楽しく拝読させていただいていますが、コメントを残すのは初めてです。
私にとっても思春期のバイブルだった「おしゃべり階段」が取り上げられているのでつい嬉しくなりまして…。
今も鮮やかに心に残っているこの立川先生の言葉、当時私自身がずいぶん慰められました。
「おしゃべり階段」の、さまざまな言葉に、私のあのコンプレックスだらけだったアドレッセンスがどれだけ救われたことか。
私、あの頃、線に恋してましたが、あんな大人な男子高校生、今も昔も現実にはいませんよね~!
sherry
次回のこのコーナーは「おしゃべり階段」からだということで,ずっと楽しみにしていました(^^)
立川先生のこの言葉,覚えてます!
この言葉に私も慰められたというか,自分を納得させたというか(笑)
私が一番共感した言葉,うろ覚えだったんで,ちょっと確認と思って読み始めたら,
最後まで一気に読んでしまいました^^;
せっかくのなので,紹介。
「いつだって今の悩みがいちばん
あの幼い日に悩んだ重さは その内容はちがっても
今 悩んでる重さとほとんどちがわないはずなの」
本当に,心から同感しました。
確かに,「自分の鼻が低い」なんていう悩み(←私の思春期の悩みの一つです),
大人からみたら,たいしたことない悩みかもしれないけど,
本人にとっては死にたいくらい,どうにか解決したい悩みなわけです。
大人が今,抱えている深刻な問題と,その重さは同じなのです!
大人になっても,そういう気持ちが分かる人になりたいと思ってました。
調子に乗って,いろいろ書きました。すみません!
が,ここで言いたいことは,ただ一つ。
「おしゃべり階段」は不朽の名作だっていうことだけです!
つまみ Post author
Chakoさま
コメントありがとうございます!
私も、自分の思春期をおしゃべり階段で底上げしています。
線、本当に今読んでもカッコイイ!
・現実には・・・いませんねー(^_^;)
それにしても、(中山手)線クンなのに、他の登場人物は
立川先生に、国立先生、国分寺さんに、神田くん、中野くん、四谷くん、
そして日野(光咲)ちゃん・・と
抗うように中央線。
加南は森本、マーシは真柴クン、と「そこは違うんだ」のネーミングが
気になり続けてもいます。
アメちゃん
おはようございます!
「立川先生の話よりも、なぐさめてくれた事実に感激してしまった」
この行読んだだけで、そのシーンがパァーっと浮かびます!
立川先生も、マジョリティーに合わせられない性格だからこそ
可南のような子の気持ちを、敏感にくみ取ることができるんでしょうね。
私は、真柴くんがけっこう好きで
可南にお化粧してあげたあと、じつは可南が好きな男(線)に会うための化粧だと知って
複雑な表情になる真柴くんにキュンとなります。
でも、たしかにこんな大人っぽい高校生(ん?真柴くんは1コ年上でした?)、
いませんね。
姉がくらもちふさこさんのファンだったので
「白いアイドル」とか、こどものときに読んでしました。
くらもちさんの漫画って、今読んでも全然古くなくて
本当に上質ですよね。
つまみ Post author
sherryさま
楽しみにしていただいていたなんてうれしいです!
私も、今回の言葉選びあれこれで、また3回ぐらいとおしで読んでしまいました。
sherryさんが紹介して下さった言葉、私も印象的です。
そして私も、子どもの悩みを理解しようと努められる大人になりたいと思いました。
わー!また読みたくなってきた!?
つまみ Post author
アメちゃんサマ
こんばんは!
とんがらし、印象的なシーンがいっぱいですね。
加南と光咲ちゃんが初めて真柴クンを見て、こっそり(のつもりで)
「この人、とんがらし」とあだ名を命名したとき
真柴クンは後ろ姿しか描かれてませんでしたが
スピンオフ「眉をつけたピカデリー」では同じシーンが逆側から描かれ
「とんがらしー!?」とがっかりした真柴クンの表情を見ることができますよね。
くらもちさんのそういうオツな遊び心も大好きです!
「白いアイドル」も好きだったなー。
あぷらちゃん
てんびんばかり‥
本当にコンプレックスを沢山かかえていた頃、この漫画にどれだけ救われたかを、思い出します。
いつかロンドンのピカデリー・サーカスに行って階段のところに座ってみたいと思いながら、チャンスが潰れまくり行けずじまいです。
「身の丈」、それも感じてしまうのも現実です。
「てんびんばかり」これは私の一生のなかで、決して大袈裟ではなく、私に力を与えてくれました。
差はあると思いますが、そんな気持ちを持った人が他にもいたことが嬉しかったです。
同窓会に行ったような気持ちになりました。
つまみ Post author
あぶらちゃんさん、コメントありがとうございました。
なつかしい記事を発掘してくださり、感謝です。
ロンドンのピカデリー・サーカスって、ああ、それはマーシーのスピンオフ(?)「まゆをつけたピカデリー」ですね。
今、現物が手元のにないので、ふわっとした記憶で書いてます。スミマセン。
私も、この記事にコメントいただいて、「おしゃべり階段」同窓会、のような気持ちになりました!