案ずるより… :揚げ餅のきのこあんかけ
前回『オバフォー祭りin 東京』をレポートいたしました。
それはそれは刺激的で楽しい時間を過ごしたのですが、
そのための準備はそれはそれは大変なものでした。
そう、田舎から上京するために忘れん坊将軍様をどうするか・・・
それが大きな壁となって私の前に立ちはだかったのです。
普段、友人とランチへ出かける時などは近くに住む妹に来てもらいます。
ただ、母は、家庭がありパートの仕事も持っている妹に負担をかけることを極度に嫌うので
私が外出するために妹に来てもらうと知ると途端に機嫌が悪くなってしまいます。
つまり、将軍様の理屈としては、私は外出しちゃいけないってことね。
なんとか将軍様の怒りをかいくぐって出かけたとしても、
結局、夕食の支度までには帰らなければなりません。
その時間までにオバフォー祭りの場五反田から帰るためには
一体何時に祭りをお暇しなければならないやら。
というわけで、ミカスは決断しました。
「将軍様にはショートステイに行っていただこう」
決断からはひたすら根回しの日々。
ケアマネージャーさんに、母に合うショートステイの場を探してもらい、
どういう段取りで母をその気にさせるかを相談しました。
物忘れ外来の先生には、ケアマネさんが紹介してくれた施設(ステイもリハビリもできる場)を
「ぜひ、泊りがけでリハビリを受けてください」と勧めてもらい、
かかりつけの内科の先生からは
「娘さんも体調が良くないようだし、娘さんが休憩する間にお母さんもリハビリをしよう」と
言葉をかけてもらいました。
とはいえ、日々、直前の記憶が消えてしまう将軍様。
3o分前は納得していたのに、「そんなことは初耳だ」&「行くもんか」と激怒。
ひどい時はそれが5分おきに繰り返されて、
結局は「行くもんか」の瞬間に施設からのお迎えの車がやってきて、
それはそれはおむずかりの状態で連れていかれました。
3泊4日。
母を送り出した当日は、とにかく寝ました。
昼から茶の間でごろごろし、夕食の支度までを眠って過ごしました。
2日目、友人とゆっくりランチへ。
なかなか行けないパン屋さんや雑貨屋さんへも足を延ばして。
3日目、いよいよオバフォー祭りの日。
ああ、電車に乗っての遠出って何か月ぶりだろう?
でもね、その間、正直私はびくびくし通しでしたよ。
いつ「やっぱりダメなようですから、お母さんを迎えに来てください」って連絡が入るか、って。
結局そんな連絡は入らないまま、4日目に母は帰ってきました。
「またお会いしましょうね」というスタッフさんに
「またすぐにお世話になります」と答えていたのには驚きました。
(ただ、母の場合、お愛想で言っているだけということも考えられますが)
残念ながら、家に帰ってきた瞬間から、
ショートステイに関する記憶はするすると音を立てるように母の中から消えていきました。
今ではほとんど覚えていないでしょう。
つまり、次にショートステイに行ってもらう時は、また一から説得しなければならないというわけです。
やれやれ。
そんなこんなで、わずか3泊4日のために使った労力は膨大なものでしたが、
3泊4日の間に私が取れた休息も大きなものでした。
今、介護の場では、介護をしている家族を一時的に休ませる「レスパイトケア」という支援に
注目が集まっています。
本人の抵抗や介護者の罪悪感などからショートステイやデイケアをなかなか使えずに、
みんなが疲弊してしまうことも少なくありません。
私も、今までなぜか二の足を踏んでいました。
でも、いつ終わるともわからない日々を乗り越えるためにも、思い切って休憩を取ることは大切です。
事がうまく運ぶように、プロの力をとことん借りちゃいましょう。
さて、今日ご紹介する料理、お餅好きの母が喜んでくれる一品です。
しかも、お餅嫌いの私もこれなら美味しく食べられるという、『揚げ餅のきのこあんかけ』。
『揚げ餅のきのこあんかけ』
- 餅は適当な大きさにカットします。
私は、1/3にカットしますが、小さなお子さんやご年配の方には小さめにカットしてあげましょう。
のどにつかえないよう、食べる時も十分に気を付けて。 - 椎茸は5ミリほどにスライス、しめじは小房に分けます。また、えのき茸は根元を切り落としてから
長さを半分にカットします。 - 鍋に、だし汁、酒、みりん、塩、しょう油を入れ、強火で加熱します。
少し濃いめの味にしておいた方が、餅にかけた時に味が物足りなくならず美味しいです。 - 3が沸騰したら火を中火にし、2のきのこ類を加えます。
- きのこがある程度火が通ったら、4に水溶き片栗粉を加えてとろみをつけます。
ここでしっかり火を通さないと、後でとろみが消えてしまいます。 - フライパンに油を深さ1センチほど入れて熱し、180℃ほどになったら餅を揚げます。
餅は火が通ると中身が飛び出すことがあります。いっぺんにたくさんの餅を揚げると、
飛び出した中身がくっつき合って巨大な塊になってしまいます。
面倒でも、少しずつ上げるようにしましょう。 - 揚がった餅を器に盛り付け、熱々のきのこあんを回しかけたら出来上がり。
※揚げたての餅に熱々のあんをかけて食べる方が断然美味しいです。
できるだけ食べる直前の調理をお勧めします。
また、上にも書きましたが、小さなお子さんやご年配の方が食べる場合は
十分に気を付けてくださいね。
これからも定期的に母がショートステイにを利用してくれたら、
あんなこともこんなこともできるなぁ、と少し気持ちが楽になりました。
まさに、案ずるよりも産むが易しでした。
まぁ、そう簡単にはいかないような気もしますが。
ミカスでした。
nao
こんばんは。
遅いコメントですみません。
今回のオバフォー祭りには参加出来なくて、お会いできず残念でしたが
みなさん盛り上がったようで良かったですね!
ショートステイを利用するきっかけにもなってよかった!
なかなか日々の介護の中で新しい試みをすること自体難しいですものね。
同居の介護は本当に大変なことと思います。
そんな中でも紹介される料理はいつも美味しそうで幸せな気分になります。
揚げ餅、好きなので作ってみます。
ミカス Post author
naoさん
ありがとうございます。
当人の気持ちや感情の変化がつかみにくい分、忘れん坊の介護というのはちょっと大変です。
何度も繰り返されてきた事も忘れん坊にとっては新しい(初めての)事になってしまうし。
でも、やる前から恐がるのは止めようと思いました。
またイベントがあれば、ぜひご参加くださいね。