デトックスフォー、あの日を振り返る
#3 介護者のプライベート
2018年7月29日、カイゴ・デトックスという集いが開催されました。
介護をする人たちが日頃抱えている黒い思いを吐き出せる場を作りたい。そんな思いから始まったカイゴデトックス。当日は、介護をする人、これからするかもしれない人から様々な思いが吐き出されました。あの日から1年。この集いを企画した4人のオバフォーメンバー「デトックス4(フォー)」があの日を振り返ります。
最初から読む方はこちらから。
デトックス4メンバー
カリーナ | Comet | つまみ | ミカス |
介護をしていると、どうしても自分のことは後回しになってしまうのよね。それがしんどいんだけど、時間を経ると自分も周りもそれが当たり前のように考えるようになっちゃう。
うん。「家族の介護が何より優先」という考えが当たり前のようになってしまっているかもしれない。実際、介護をしてる場合、労力や時間のほとんどはそこにつぎ込まれるよね。つぎ込まざるを得ない。
介護の時間と自分の時間をきちんと分けることができたら、少しは楽になれるかもしれないのに。
わたしは、東京での「カイゴ・デトックス」のときはまだ夫が倒れる前で、ノンキなことを言っていたれど、家庭で介護をしている人は難しいだろうなあと思う。上手く使い分けできている人っているのか。身体介護をしなくても「見守り」だけでものすごく神経も時間も使うでしょ…。
そういえば、去年のカイゴデトックスで、介護や家族のことで自分の時間が取れなくて失恋してしまったというお話があったね。
あぁ、あった。ちょっと切ないお話だったなぁ。
========ここからは「カイゴデトックス2018」から========
めーめ
(親御さんを介護しながら、平日はお孫さんを預かっているという話のあとで)「二週間前に、私、ちょっと失恋しまして」
Comet
「それは聞き捨てならない!」
会場
「失恋?!」(ざわつく)
めーめ
「そんなこともありまして、今ぐるぐるしているところなので」
カリーナ
「失恋かあ。でも、そこに失恋という体験がひとつ入るの、いいですね。よくないですか(笑)?」
会場
(さらにざわつく)
めーめ
「(失恋したのは)なぜかと言うと、赤ちゃん(お孫さん)を預からなきゃいけなかったり、親のことがあったり、楽しくないことも多いわけですよ、私の中に。すごくそういうのがあって(恋愛が)難しくなったっていう感じ・・・なんでしょうって思います」
ミカス
「じゃあ、次ですね」
Comet
「そんな…」
めーめ
「まぁ、そんな感じだったので、私も今日、来られてうれしかった」
ミカス
「ああ、よかった」
めーめ
「すいません、こんなわけのわからない話をして」
Comet
「いえいえ。でも、失恋したってことは、その前には楽しいこともあった」
会場
(笑)
Comet
「それはうらやましいですよね」
めーめ
「この年齢ではしんどいです。しんどいです。本当にきついです」
こめ
「そうなんだ」
めーめ
「本当にきついです」
Comet
「この年齢ではしんどいんだ」
めーめ
「しんどいですね。わけのわからない中で、そこだけが楽しいところだったので。本当に短い時間だったので、短いというか四年間くらい」
会場
(「うわぁ」「長いじゃーん」「いいわぁ」などの声)
めーめ
「本当にちょっとの楽しい時間がなくなっちゃったので、ちょっとそれは苦しいかな、って」
ミカス
「どこに拠り所を見つけるかっていうのはありますよね」
めーめ
「拠り所とか自分の存在を見つけることは必要だと思います(以下省略)」
敬称略
========「カイゴデトックス2018」はここまで========
ああ。このお話、すごくよく覚えている!めーめさんがまた、お孫さんがいるようには見えない若くてきれいな人でねえ。
介護者に限らず、大人が自分のプライベートを最優先にして生きていくことは難しいけど、拠り所と思えるもののひとつくらいは守っていきたいよね。
介護をしているからこそ、それをなんとか乗り切るための何か、自分だけのための何かを持っていたいんだけど。
恋愛だったり、趣味だったり、完全に介護から離れることのできる時間があるのと無いのとでは全然違ってくると思う。でも、介護者がプライベートな時間を持とうとすると、周りの反応や自分の中の感情がやんわりとブレーキをかける。
それ、初回で話した「罪悪感」の問題に通じていると思う。介護者にとって大きな問題だよね。もんのすごく小さな話をしてもいい?私は、毎晩、ビールの350mlを一本だけ飲むのですが(「だけ」に力を入れる)、いつも不在のときに玄関先に届いているんですよ。それを見た上階の人が「ビール飲んでる?」って笑いながら聞くんだけど、かすかに、「旦那さんが倒れた直後も酒、飲んでるんかいっ!」に聞こえた。被害妄想かもしれないし、真実かもしれない。つまみさんの言う「周りの反応」ってそういうことも含まれると思うわけ。すんごい小さいことも「見られて、肉親介護への本気度を計られている」感じ。罪悪感っていろんな要素がからみあって、介護している人を縛るねえ。
ああ、罪悪感を吹き飛ばすためにも恋愛したい!
そこ?!
つづく
Jane
カレーおかわりでも感じていましたが、コメットさんの、深刻な直球をちょっとずらしたところから受け止める技、絶妙ですね。え、そういうこと言いたかったんじゃないんだけど、とその時は思うんだけど、後から考えると、ドボンと淵に落ちちゃう前にフォローしてもらったような。
ミカス Post author
Janeさん
CometさんのMC力、コメント力は本当に素晴らしいですね。
カイゴデトックスでも、一切の打ち合わせ無し(ご本人はしっかり下準備されていると思われますが)で長丁場トークをきっちり、しかも楽しくコントロールされます。
カレー記念日、カイゴデトックス共に、これからのCometさんの活躍にご期待ください
めーめ
新しいのが上がってる〜!どれどれ〜!
と、読み進めるうちに…うおっ!?と声が出てしまいました(笑)
めーめ、でございます ^_^
この度は、頭の中ぐるぐる時期の血迷った話を思い出していただき、ありがとうございます。
おまけに褒めていただいちゃって…うふっ ^_^
1年経ったのですね…長かったのか、短かったのか…すぐに泣いてしまいそうな、あの日の自分をぎゅっとしてあげたいくらい…笑
あれから迷走の日々が始まりまして…下手したら赤ちゃんとしか話をしてない自分に怖くなり、24時間やっているジムに行ってみたり、月に一度は必ずレイトショーで映画を見る、と決めてみたり…
その合間には、徘徊して警察に保護された父を、孫を抱きながら迎えに行く…なんてカオスもありましたが (°_°)
あれから月日は流れ…
3月に、10年施設で寝たきりだった母が亡くなり、ほぼ喪主の立ち位置で見送りました。 悲しさよりも、お疲れ様、って感じでしたね。
認知症の進んだ父が、母の亡くなった事を忘れちゃったのも、まぁ幸せかもです。
で、その父もこの夏にグループホームに入り、孫もやっと保育園に入り、ちょっと一息な感じの現在なのですが…
年末くらいにもう一人、孫ができます…
また、熱だ、インフルだ、手足口病だ…ってバタバタするの、イヤだなぁ (-_-;)
あと、ちょびっと恋の話…笑
あの数ヶ月後に、忘れられない、と連絡があり(そこは女性としては、よっしゃあ〜!と心の中でガッツポーズでしたが…笑)
でも、あの頃と立ち位置や気持ちがちょっと変わってしまったので、もやっとしている状態です…シワやらたるみやら、老眼やら、心折れるし…笑
こんな事を言うと冷たいようですが、介護は、元気な人が犠牲になってはいけないと思っています。他人だから、仕事だから出来るお世話に頼って良いと思います。
介護施設の空きがなくて大変な事も重々承知ですが…私達世代にだって、思ったように動ける時間はたっぷりある訳ではないと思うのです。
私はなんだか生き急いでしまいます…笑
私ごときの私生活を長々と語ってしまって、すみません(汗)
思い出してくださって嬉しかったです!
ありがとうございました。
変わらず読ませていただきますので、カリーナさん始め、おばフォーの皆さま、がんばってくださいね ᕦ(ò_óˇ)ᕤ
ミカス Post author
めーめさん
あぁ、めーめさん!コメントありがとうございます!
この1年の間に、更に劇的な日々を過ごされていたのですね、介護もプライベートも。
お母さまのお見送り、お疲れ様でした。
介護の果ての見送りは一体私をどんな気持ちにさせるのだろう?と、今から考えることがありますが、それはそれは複雑なものなのだろうと想像をしています。お母さまのことを忘れてしまったお父さまが幸せなのかもしれない、というめーめさんの気持ち、よくわかります。
お孫さん、もう保育園なのか…としみじみ思ったのですが、年末にはもう1人お孫さんが⁈
めーめさん、大忙しではないですか。
元気な人が介護の犠牲になってはいけない。冷たくなんてありません。
この考えを基本にしないと、介護者は早晩絶対に潰れます。 介護者同士で改めてそれを確認し合い、これから介護をするかもしれない人たちには実体験からそれを伝える、それがカイゴデトックスの目指すもののひとつです。
だからめーめさん、恋して!
シワもたるみも老眼も、恋をする気持ちを止める理由にはほんの小さなことです。
忘れられないと言ってくれた彼でも、別の人でも、とにかくまた恋をして、1年前のカイゴデトックスのようにまた私たちをワクワクさせてください。
何よりめーめさんにワクワクしていただきたい。
もうあと数時間でカリーナさんから報告がありますが、カイゴデトックスの第2回が決まりました。
11月に京都で開催します。あの新橋での第1回が皆さんのおかげでとても楽しい時間になったことが私たちの背中を押してくれました。
京都は遠いかもしれませんが、できればめーめさんにも旅行がてら参加していただきたいなぁ。
コメント、本当にありがとうございます。
めーめさんのその後を知ることができて、本当に嬉しいです。
これからも頑張って、公私(?)ともに無理なく充実した毎日を過ごしてください。
そして、オバフォーとも末永くお付き合いくださいね。
あ、恋の経過報告、随時お待ちしています。
めーめ
ミカスさん、優しい言葉をありがとうございます (^-^)
年と共に涙腺が緩んでいるので、うるうるしちゃいます。
この一年、これで良いのか? 悔いはないのか? って、必ず頭のどこかにあって、だけど現実は次々とやってきて…
母が亡くなって半年過ぎても、銀行口座だ、お墓だ、って初めての事ばかり。
いや〜人間って大変だなぁ、と思います。
そんな私を、よしよし、ってして下さったように感じました ♡
このタイミングでの次回カイゴデトックスin京都!!
私、行ってみたい!! \(^-^)/
こんなきっかけ、なかなか無い!!
孫2人になる前に!!(笑)
クラウドファンディング、させていただきました。
私の楽しみにさせて下さい (^-^)
ミカス Post author
めーめさん
いらっしゃるんですね、京都⁈
うれしいです‼︎
そうですね、お孫さんとの時間も大切だけど、その前にまず自分のための時間を持たなきゃ。
お会いできるのが今から楽しみです。
めーめさんのその後、色々聞かせてくださいね。