一見を超えろ:白菜と鯖の中華煮
一日遅れの更新、申し訳ありません。
去年、音訳講座を受講しました。
音訳とは、視覚に障がいがある人のために、活字で書かれている書籍や雑誌、広報誌、新聞などの内容を音声化する活動です。本当なら今年も続きの講座が開催される予定だったのですが、コロナウイルスの影響で中止となってしまいました。そこで、せっかく学んだ内容を忘れてしまわないように、そして少しでも活かせるようにと、町の音訳ボランティアグループに参加することにしました。
先日、初めて町の広報誌の音訳を担当することになりました。ミカス、音訳デビューです。
通常は3~5人のメンバーが集まって録音をするのですが、その日は都合の悪い人が出て、私とベテランメンバーのSさん2人だけが参加することになりました。
信じない人もいるかもしれませんが、私、極度の人見知りです。
カイゴデトックスや在宅デトックスでお話した方は「あんなにお喋りなのに人見知りのわけがない!」と思うでしょうけど、私が凄まじい勢いで話している時は、人見知りであることを何とか悟られないように空回りしているところなのです。
Sさんは、ベテランと呼ぶのにふさわしく、聞き心地のいい柔らかな低音で滑らかに文章を読み上げる素晴らしい技術の人。講座で顔を合わせたことはありましたが、口数の少ない人で、私は挨拶をするくらいで彼女の音訳にうっとりと聞き入るだけでした。
音訳デビューの日に、そんなSさんと2人きり。彼女が聞いている前でまだまだ未熟な音訳を披露するだけでも緊張するというのに、この録音作業、終わってから同じ建物内のカフェでランチをするのが習慣になっています。
Sさんと2人きりでランチ?! 人見知りミカス、ピーンチ!!
なんとか録音を終了し(読み間違えたりつっかえたり、何度も録り直しましたが)、カフェへ。もちろん私はこちこちです。おそらく、そんな雰囲気を察して、Sさんも居心地が悪かったのではないかと思います。それでも気を遣って、私に色々と質問をしてくれます。そして、私がカナダにいたことがあると話した時、Sさんの顔つきが変わりました。
「カナダって自然が豊かなんでしょう?トレッキングが出来る場所は多いのかしら?!」
聞けばSさん、山歩きが趣味なのだそうです。「どんな山に行くのですか?」と聞くと「そうねぇ、だいたい3,000メートル級かしら」。
それを皮切りに、口数の少ないSさんはどこへやら。北アルプスと南アルプスの違いや、初心者にも登り易い山の話など、それはそれは楽しそうに話す話す。
彼女がスペインへ行った時の話。私がグランドキャニオンへ行った時の話。
「へぇ、そうなの?」「うわぁ、楽しそう」と、私たちはマスク越しにたくさんの話をして、「早くまた安心して旅ができるようになったらいいのにねぇ」と言いながらランチを終えました。
自分が人見知りであることはさておき、なぜ私は、Sさんのことを何も知らずに「彼女は口数が少ない」と決めつけてしまったのか。そりゃあ、勉強をする場でぺらぺらとしゃべりまくる人なんているはずがない。なのに私は、自分の勝手なイメージでSさんという人物を作り上げて、勝手に緊張していたのです。
勝手なイメージを抱え続けたままで、山登りや旅を愛する楽しいSさんを知らないままだったら本当にもったいなかったなぁ。
知ることが出来て良かった。良かった。
一見すると自分とは合わないように思えても、一見はあくまでも一見。その一見を超えた先に意外なマッチングが待っているかもしれません。
今日ご紹介するのはそんな一品。『白菜と鯖の中華煮』です。
今年の冬は野菜が安くなっているのでついつい買ってしまう白菜。でもなかなか使いきれない白菜。こんな意外な組み合わせはどうですか。
白菜と鯖の中華煮
- 白菜を長さ5センチのざく切りにします。幅が広い葉は、縦半分に切ります。
- 鯖は水煮缶を使います。缶から身を取り出し、大きめにほぐしておきます。
- 鍋に、鶏ガラスープの素(顆粒)、酒、醤油、水を入れて強火にかけます。
- 3が沸いたら白菜を入れ、中火にして煮ます。
- 白菜がくたっとしてきたら鯖と鯖缶の汁を加えてさらに煮ます。
鯖を細かくほぐしてしまうと、鯖の皮が全体に広がってしまい、見た目が悪くなってしまいますので気を付けてくださいね。 - 鯖が温まる程度に煮たら煮汁の味を見て、薄い場合は塩で整えます。
これで出来上がりですが、ボリュームを出したい時はこれを卵でとじても美味しいです。※写真は卵とじにしたものです。
さて、この度カイゴデトックスのオンラインショップがオープンしました。
Zine2号をオバフォーのサイトで販売し、沢山の方にお買い上げいただきましたが、購入手続きなどをもっと簡単にしてもっと気軽に買えるようにしたいと考えショップを立ち上げるに至りました。
カイゴデトックスのZine2号はもちろんのこと、Cometさんのパートナー、加藤俊樹さんの写真集「失語症」もこのショップで購入することができます。商品はまだ増える予定ですので、時々覗いてみてください。
カイゴデトックスオンラインショップ
また、12月の在宅デトックスの参加者も募集しています。
今月は22日(火)の昼回と26日(土)の夜回の2回開催です。今月のゆるテーマは「ゆくカイゴくるカイゴ」。リモート忘年会の気分で楽しいお喋り時間を過ごしませんか? もちろん私はどちらの回にも出席します。
詳細、お申込みはカイゴデトックス特設ページをご覧ください。
ミカスでした。
kokomo
ミカス様、火曜日はお昼ごろにミカスさんの更新された記事を読み、夕方にAERAのサイトで鴻上尚史さんと女性自身のサイトで辻仁成さんのお悩み相談の回答を読むのがルーティーンとなっています。
昨日は告知もないのにミカスさんの記事が更新されていない。今日は月曜日?いやいや、ミカスさんの身に何か起こったのでは...と思いっきり心配してしまいましたが、音訳をしていらっしゃったとのことで安心しました。
この年になり、不器用で何事も下手くそな私ですが何か人のためにできることはないか?と考えるようになりました。とはいえ、まだ義務教育中の子供がいるので、本格的に何かするのはこの子が手を離れてからかなぁ。でも、いまから「何ができるか」を考えておくことは無駄ではないのではないかと思っています。ミカスさんは既にその「何か」を始めていらっしゃって素晴らしい。私もそのうち後に続きます!
ミカスさん、人見知りなんですね。私も知らない人の集団の中に放り込まれるとテンション上がりがちで全く人見知りとは思ってもらえないのですが、私の激高テンションも人見知りの裏返しで、そのせいで自爆してしまうこともしばしば。
もしかして、そのSさんもミカスさんと同じことを思っていたかもしれませんね。Sさんのお人柄を知って、サークルへの参加もますます楽しみになりそう。
白菜、今年は安くておいしいので、買い置きしてある鯖缶と作ってみます。
ミカス Post author
kokomoさん
鴻上さん、辻さんと共に私の記事が火曜日のルーティーンになっているとは、身に余る光栄です。
実は、色々と忙しくて、動き回っているうちにすっかり忘れてしまったのです。
ご心配をおかけしてしまい、本当に申し訳ありませんでした。
人見知りかつ小心者なので、音訳講座に参加するには大きな勇気が要りました。
でも、思い切ってみるものですね。
Sさんを始め、素敵な人たちと出会うことができましたし、何より楽しいと思える活動に出会えました。
そうそう、オバフォーに参加するのも、清水の舞台から何度も飛び降りたんですよ。
そして、素晴らしいメンバーに出会えました。
kokomoさんとの出会いも。
きっとkokomoさんのそばにも何か素敵なことや素敵な人が潜んでいますよ。「これだ!」と感じたら思い切って参加してみてください。(在宅デトックスなんてどうですか?)
人見知り同士、頑張りましょうね。
Jane
鯖と白菜の中華煮、今日作ってみました!鯖水煮缶は手に入らず、店で内臓をとってもらったスペイン鯖をまるごと一匹鍋に入れて、途中フライ返しでぶつ切りにし、白菜は卵でとじました。鯖と白菜を一緒に煮るのは初めてでした。
先週の干しエビとかぶ煮もつくりました。かぶは大きく固いかぶ、葉はついていなかったので、赤い小さいラディッシュの葉を代わりに入れ、干しエビもなかったので、シーチキンにしましたが。
ミカスさんのレシピは、家庭の味って感じがして、あまり記憶しようとしなくても覚えられるし、調味料も適当に入れてもおいしくできます!
ミカス Post author
Janeさん
色々工夫して作ってくださってありがとうございます。
うれしいです。
ここで紹介する料理は、私がほぼ思いつきで作っているものなので、The 家庭の味ですし、調味料の量も目分量なのです。
これをヒントにそれぞれがお家の味にしてくださればいいなと思っています。
この季節、そちらはどれくらいの寒さなのでしょう?
いつもとは違うクリスマスかもしれませんが、お体に気をつけて、おだやかなホリデーをお過ごし下さい。
ムーミン
ミカスさん、はじめまして! 私も「白菜と鯖の中華煮」を作ってみました。美味しかったです! 自分では思いつかない組み合わせなので、とても良かったです。 買い物が、おっくうな時のために買い置きしておけますし。 野菜がとれて手間なしで、ほっこりと美味しい。 心身ともに温まりました。 ありがとうございます!
ミカス Post author
ムーミンさん
はじめまして。
作って下さったのですね。ありがとうございます。
実はこの料理、まさに買い物がおっくうな時に出来た料理です。
頂き物の白菜があったのですが、白菜だけで料理しても物足りない。でも、買い物に出るのは面倒くさい。
そこで、買い置きしてあった鯖水煮缶を使ってみたのです。
鯖缶は買い置きしておくと便利ですよね。
温かいものを食べて体を温めて、この冬をなんとか乗り越えましょう。