◆◇やっかみかもしれませんが…◆◇ 第58回 落ち着かない
困ったことだ。本当に悩んでいる。家の猫のことがどんどん好きになる。その病が悪化の一途なのだ。
それっていわゆる「うれしい悲鳴ってやつか!?」と言われそうだが、違う。純正ネガティブな悩みだ。この悩みは、ふたつの小悩み(気持ち的には大だが)で構成されている。
①猫がいなくなったら‥と考えただけでパニックになりそう
②世の中の猫至上主義に対して脳内アラームが鳴っている
である。
①については、ほぼ自然の摂理問題なので、今まで近しい存在にいなくなられた経験に基づいて覚悟を決めるしかない。一言で言えば「その日が来るまで極力考えない」作戦だ。とはいえ、考えまいとしたからといって考えなくなるわけではないことも今までの経験で知っている。要するに、打つ手なし、白旗だ。
これって自動的に、考えまいとするための策も考えない作戦にバージョンアップ(もしくはダウン)しているわけで、つまり、さらなる白旗、玉砕である。ああ、無力感。そうなると、せめて②については、なんらかの解消策を思いつきたいのが人情というものである。
そもそも、脳内アラームってなんだ?という話だが、猫を愛してやまないと公言する人々の多さとそのアツさが、もう何年も加速し続けている感じで落ち着かないのである。
百歩譲って、生粋の猫好きで、物心ついたときにはすでに身近に猫がいたり、「猫、飼いたい!いいでしょー、ちゃんとお世話するからさあ」などと親に懇願する幼少期を過ごしてきたのならいざ知らず、わたしは、母親が犬猫を毛嫌いし(もしかしたら、文字どおり、毛が嫌いだったのだろうか)、幼少の頃から「犬や猫はこわい」という概念を植えつけられ、そのまま大人になった人間だ。
それが今では、口では「猫が苦手だったり嫌いな人、興味のない人は、そりゃいますよね。あたりまえじゃないですかー、あっはっは」などとは言うものの、心の中では「猫に興味なし?マジかよ!アッタマおかしいんじゃないの」ぐらいに、あくまでも「ぐらいに」だが、思っているフシがある。‥ヤバい。
自分は常々、なんとなくマイノリティな人生を歩んでいると思ってきた。ひとりの人間のなかにはマジョリティとマイノリティの部分が混在しているのは言わずもがなだが、昭和の中期に左利きとして生まれ育ったこと、転校を繰り返してアウェイ感がおなじみだったことは、わりとその意識形成の根拠になっている気がする。
その後の人生でも、団体戦的なものではたいがい自分のいるチームが負けたし、人がすんなり飛び越えたり通過できるところにたびたび引っかかっては「自分のなにがダメなんだろう」と涙してきた。そういえば、はないちもんめでは、少ない方の側で「負け~て くやしい はないちもんめ」と歌った印象しかない。アンケートも多数決も選挙も、ふたを開ければたいてい自分は少ない側にいた。
だから、今の「猫溺愛派がマジョリティ」的な風潮、自分がそこにいる、そのことが落ち着かないのだ。肩身の狭さがないなんて、同好の士が多すぎるなんて、おかしい。こんなんでいいわけがない。
常日頃、クールで理知的なイメージで、達観した風なことをしれっとした顔でバンバン言うくせに、猫を語るときはバカづらになる人を見たりすると、「ふだんもそのバカづらでいなさいよ!」といちゃもんをつけたくなるほどだ。われながら意味がわからない。
こうなってくると、クイズ脳ベルSHOWをアツく語るときの静けさ、あの「咳をしてもひとり」な感じ、落ち着くったらない。
by月亭つまみ
Jane
つまみさん天才だなと思いました。終盤に向かって面白さがぐぃーんと上がっていって、ラスト最高です。
アメちゃん
つまみさん、こんにちは〜。
ああ、猫はね。仕方ないですね(笑)
私も猫好きですが(生き物が苦手なので飼ってはいない)
猫動画なんかを見てると
やっぱり「きゃわい♡きゃわい♡」って声が裏返ります。
あの〜。我が家はテレビを置いてないので「クイズ脳ベルSHOW」って
見たことがないんですが
タブレット純さん、出てますよね?
私最近、タブレット純の存在を知って以来、すっかりハマってるんです。
あの控えめな人柄と囁き声、なのに歌のうまさのギャップがたまりません。
ぜひ、つまみさんと「クイズ脳ベルSHOW」(タブ純限定で)をアツク語り合いたいです!
つまみ Post author
Janeさん、いつもありがとうございます!
お褒めいただくのはもちろんうれしいのですが、Janeさんがわれわれの文章をしっかり読み込み、自分のことに引き寄せて、思いを書いてくださるのは、本当に光栄です。
Janeさんが「先手」の文章も、よかったらどうですか?
つまみ Post author
アメちゃんさん、そうですね、猫は仕方がないですよね(^^;
タブレット純、脳ベルSHOWに出てます出てます!
出場回数より、出ている印象が強い感じです。
いわゆる、爪痕を残しているからかもしれません。
司会の岡田圭右のお気に入りということもあって、いろいろ振られるので、ネタ以外のThat’s Dance!‥もとい、雑談もよくしています。
とても引き出しが多い人なんですよね。
私のお気に入りピン芸人、ユリオカ超特Qさんと定期的に「昭和歌謡カフェ」みたいなイベントをしていましたし、野球(特に昭和)にも異常に詳しいです。
歌もうまいですよね。
マヒナスターズのボーカルだったという、ウソのようなホントの話も含め、とにかく無尽蔵のエピソードを持っていますが、私はラジオの純さんと、「そんなことよりハルコさん」というネタが大好きです。
ぜひぜひ語り合いましょう!!
アメちゃん
つまみさん、あ〜、タブ純情報、ありがとうございます!
ラジオ良いですよね。私も素で喋ってるタブ純が好きです。
私はたまたまチューニングを合わせた『音楽の黄金時代』で
タブ純を知ったんですよ。
優しいウイスパーボイスで喋ると思ったら、突然声帯模写で男声になるので
誰だろう?この人??と。
岡田圭右が気に入るってなんだか分かります。
YouTubeチャンネルがあるので朝な夕なに観てるんですけど
長谷川きよしの「別れのサンバ」を歌うとギターも素晴らしいし
東京音頭では威勢のいいあんちゃんみたいになって
豹変ぶりに魅了されます。
でも、タブ純には芸能界でマジョリティな売れ方をしないで
今のまま、アツク咳をしてもひとり・・な存在でいてほしいです(笑)
つまみ Post author
アメちゃんさん、音楽の黄金時代!ラジオ日本の番組ですね。
実はまだ、一度も聴いたことがありません。
武田砂鉄氏の番組のゲストに出たタブ純が、夕方からの生放送なのに、午前中にもう局の近くの喫茶店に行っていると言って、砂鉄さんに呆れられていました。
ちなみに、ラジオ日本は昔のラジオ関東で、ラジ関と呼ばれていて、私にはまだその方がしっくりくるのですが、検索したら、1981年にラジオ日本に変更になっていました。
40年以上前!(^^;
そうそう。
タブ純の大きな魅力は豹変ですよね。
あの自信なさげな素のしゃべり(それ自体が演技かもしれませんが)からの、ネタや歌になったときの落差!
突然、毒蝮さんになったときの驚きったら!!
そうですね。
タブ純は今後も今のポジションでいてほしいと思っちゃいますね。