介護とは記入することなり:梅しらすご飯
入院中の母の「次の場所」そして「終の棲家」を探すため、特別養護老人ホーム(特養)の見学を始めました。病院のソーシャルワーカーさんが下さったリストを元に、場所や居室タイプなど私たちの条件に合う施設のホームページをチェックしていくつかめぼしい施設をピックアップしました。
「入所したいです」「はいどうぞ」というわけにはいかないのが特養です。大抵の場合は入所待ちの人が何人もいて、申し込みをしてから順番が回ってくるまで結構な時間待たなければなりません。
そんな状況ですから、よほどの問題がなければ見学=申し込みとなるのがほとんどです。
先日見学させていただいた特養でも申し込みを済ませてきました。
介護を経験された方なら実感されていると思いますが、介護を始めると、やたらと色々な書類を書かされます。例えば伯母を介護老人保健施設(老健)に入所させた時のこと。キーパーソンだった私は「ここでお待ちください」と、応接室のような場所へ通されました。そのソファに座った途端、「施設長です」「理学療法士です」「作業療法士です」「介護担当です」と色々な人が次々にやって来て私の前に紙を置きました。そしてとてもさわやかな笑顔でこう言いました。「必要事項をすべて記入して下さい」
そこから30分ほど、私は延々と必要事項を記入し続けました。
名前を書いて、住所を書いて。続柄は? 緊急連絡先は? 2番目の連絡先は? ご本人にはここでどんな生活をしてもらいたい?
1枚終わってほっとしていると、次の人が満面の笑顔で似たような用紙を持ってやってきます。
何なの? この記入地獄は。コピペさせてくれよー。
伯母が特養へ移った時、母がショートステイを使い始めた時、グループホームへ入所した時、入院した時、父がデイサービスを使い始めた時…等々。介護が始まってこちら、私は同じような書類をどれだけ記入してきたことか。
「今日は何日でしたっけ?」「ここは、私の名前ですか?あっ、母の名前?」「印鑑ってここだけでいいんですか?」
面倒臭いです。でも、ただそれだけじゃないんですよね。
介護する人が書類を記入するのは、ほとんどが新しい介護サービスを使い始める時。つまり、今までのようにはいかなくなった介護に悩んで、考えて、苦渋の選択をしたその結果の記入地獄です。名前を書いては「これで良かったんだろうか」と迷い、住所を書いては「これで私は楽になるのだろうか」と少し期待をし、続柄を書いては「自分が楽になるためにこんなことをしていいんだろうか」と落ち込む。
何枚も何枚も書類を記入しながら、そんな感情に揺さぶられるのです。
ああ、げに疎ましや記入地獄。
母の次の場所が決まったら、その時はまた色々な書類を書かされるのだと思います。でもそれは、母に居場所ができるということ。そこで母が穏やかに過ごしてくれることを願いつつ記入地獄に耐えましょうか。
さて、今日の一品は『梅しらすご飯』です。気温や湿度が上がってきて、そろそろ食中毒が気になる季節。梅干しには殺菌効果、防腐効果があると言われています。どこまで効果があるのかはちょっと首をかしげたくなるところではありますが、美味しいしね。ただ、炊き込みご飯や混ぜ込みご飯は長時間保温すると傷む可能性があるので、でき上がったら必ず保温を切るようにしてください。
梅しらすごはん
- お米を研いでざるにあげ、水をきっておきます。
- 梅干しは種を取り除き、適当な大きさにちぎっておきます。
あまり小さくしてしまうと梅干し感(なんだ、それ?)が薄れてしまうので、
やや大きめの方がおすすめです。 - 水を切ったお米を炊飯器の内釜に入れ、ちぎった梅干し、しらす干し、酒少々、塩、醤油少々を加えてから必要な量の水を加えて通常モードで炊きます。
- 炊き上がったら全体をさっくりと混ぜて出来上がりです。
食べる時に刻んだ大葉をのせても美味しいですよ。
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ミカスでした。
ことぶ
たくさん書きましたね。入所時に。そしてその時渡された重要事項説明、私は全部目を通しました。
書くのも大変でしたが、読む方が大変でした。
今、私の母は認知症でサービス付き高齢者住宅(サ高住)に入所しています。
敷地内にあるデイサービスに行き夜間は賃貸住宅で過ごすというやつです。賃貸住宅なので重要事項説明書が必ず存在します。仕事柄、重説は読み慣れていますが、何せ量が多い。読み終わったらぐったりしたのを覚えています。
いずれ特養に移すつもりなので、その時また、山ほど書くのかと思うと今からゲンナリです。
ちゃま
たくさんの書類に記入していると「あれ?この字はコレで正しいのか、変な字じゃないか」なんて考え始めると正しい文字か自信が無くなってきました。
病院で医師の記入欄は格好良いサインの様でした。
あのたくさんの書類は、各人にそれぞれ有るとなると、病院や施設には膨大な紙の束が保管されているのか、と思ったことがありました。
コピペに賛成ですw。
きっとあの書類の記入を体験した方々は、いったい何枚記入するのか?と思うはずです。
ガンビー
やたらと色々な書類を書かされる=色々な契約ということで、契約に至るまでの心の葛藤を思い出すと、虎に翼の優三さんのようにお腹がギュルギュルしてきます。なので、ミカスさんの心中お察しします。
散々悩んで出した答えなのに、少し時間を置いて振り出しに戻って、結局同じところにいたりしました。バカボンパパのように「これでいいのだ」と言えたらどんなに良いことか。
うまく言葉に出来ませんが、ミカスさんが無事記入地獄を乗り越えられますように。
お身体大切に。
ミカス Post author
ことぶさん
やはり書きましたか。
そうそう、書くだけではなくて説明書類の読み上げを聞くのも結構大変でした。
もちろん、記入することも説明を聞く事もとても重要かつ必要なことだとは重々わかっているのですが。
お母さまが新しい環境に移られる時はまた記入の嵐に巻き込まれてしまいそうですね。
介護には思いがけない嵐が潜んでいて、それが次から次へと顔を出すものですから本当に疲れますね。
ミカス Post author
ちゃまさん
ありますね。何度も何度も同じ名前、同じ住所を書き込んでると「あれ?」となる瞬間。ゲシュタルト崩壊のようなものですね。
コピペまたはカーボン紙(古っ!)で済ませることができたらどんなに楽か。
たしかに管理する方も大変ですよね。あれだけたくさんの紙をファイルしておくとなると、かなりの保管スペースが必要のはず。
双方が楽になって、それでも契約の内容やその透明性が維持できるシステムができたらいいのに。
ミカス Post author
ガンビーさん
どんな契約でもそうですが、特に介護においてはひとつひとつの契約に色々な思いがこもってしまう気がします。記入しながらその思いを反芻すると、やはりお腹がギュルギュルしてしまいそうです。
どうしたってその契約を取り消すことができないのなら、「これでいいのだ」と呟いて前に進むしかないのですが。
お気遣いありがとうございます。なんとか元気に頑張ります。